1 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/20(月) 07:19:58.42 ID:fzXDRyu0
【石川賢】ゲッター線が他作品に出張!! 第20章【クロスSS】

ゲッターロボ等、基本的に石川賢作品と他作品のクロススレです。

●前スレ
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1304085238/

●保管庫
ゲッタークロスオーバーSS倉庫
http://wikiwiki.jp/gettercross/

●避難所
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12795/1293605807/
2 : 忍法帖【Lv=9,xxxP】 2011/06/20(月) 07:23:56.46 ID:c8J8wL+n
俺の>>1乙だ!コイツは俺の>>1乙だ!
3 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/20(月) 11:17:11.50 ID:VlcqjdRW
でたな でたな>>1!

ゲッター線が他作品に出張!! 第20章 第一部完
4 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/20(月) 11:51:20.32 ID:sTzAFVYu
>>3待ってくれ!







7 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/20(月) 13:32:52.05 ID:1RHh4VZe
>>1のスレ立て数が上昇していくぞ
ウオオこの指数は>>1乙を引き起こすだけの
9 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/20(月) 14:09:11.28 ID:NZ3lMw/m
チェンジゲッター>>1乙、スイッtうわああああああ!
10 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/20(月) 20:08:03.97 ID:QU/Eb/TU
目だ!耳だ!>>1乙!
そういえばDororonえん魔くんメ〜ラめらの十話に下駄ロボが出てたな
見事に合体失敗したけど
12 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/20(月) 23:17:27.16 ID:2U5as6S8
>>10
すげえネタ回だったな。

ゲッターのOVAまたやらねえかな?
アークをリファインした感じの奴とか
5 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/20(月) 13:00:28.23 ID:ZGF4nhBv
3レスで全て終わらそうとしているスレもここだけだろうなw
とりあえず乙
13 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/21(火) 11:10:21.75 ID:uGoMFvQx
リファインじゃなくそのままサーガをやってほしい……何度目だこの話
14 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/21(火) 18:41:03.79 ID:/RdXX5+/
前スレ>>1000
クソッ!目尻が熱い…
17 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/21(火) 22:44:09.00 ID:uGoMFvQx
5年くらい前のあの日、女性のファンの方が、我が身を捧げても魔界転生させてあげたいといってたなぁ
18 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/21(火) 23:15:15.58 ID:19/KTxnS
そういえば、隼人は
アークが真ゲッターで暴走したプロトタイプと一緒に出てこなくてよかったな。
アークって、コクピットが真までのゲッターとかなり違って全周囲モニターみたいな感じだから。
隼人が中身を結構弄っているのかな。
19 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/22(水) 00:52:54.31 ID:KwSfl5lp
設計図だけ残ってたとかみたいなもんじゃないのかな
20 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/22(水) 01:07:32.84 ID:znnJaRIU
>>19
ある情報がすくないしね。
・早乙女最後の遺産。
・ゲッターを作るのに試作機をいくつか作っていて、そのうちの一つ。

個人的に真ゲッターを作る一段階前の残っていた試作機を使ったと思う。
でも、二十年以上前のパーツを使っているとは思えんから、充填に時間がかかる炉心以外は作り直していると思うし。
修理とかの管理を考えると設計図も残っていたと思うけどね。

二次創作ではどっちでもいいんだろうけどね。
22 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/22(水) 23:27:17.50 ID:KwSfl5lp
アークだけ今までのゲッター(廃棄や量産型を含む)とは異なるデザインセンスだよね
やっぱりあれは早乙女博士がゲッター線に取憑かれた時期に作られた物だから
あんなに禍々しくなったのかと勝手に妄想

23 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/23(木) 00:22:12.95 ID:fyzO7tEv
>>22
真の試作機ならばとりつかれる前じゃね?
25 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/23(木) 12:49:38.66 ID:ied6EaFR
しかしながらアークの時代でなんか話作ろうと思ったら大変そうだよなぁ
27 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/23(木) 18:00:01.18 ID:zxMbiWfT
道路を壊すと国会で問題になるらしいし、自衛隊も活動してたから荒廃はしていても一応国家という存在は維持できているみたい
28 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/23(木) 20:11:36.31 ID:ied6EaFR
ゲッターを五体も六体も保有してる奴らを何と戦わせようってんだ
29 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/23(木) 20:22:35.25 ID:353LnBNQ
世界が荒廃系は
チェンゲもそうだけどほかのロボ作品だと個人的に思いつく限り。
・ガンパレードシリーズ
・ガンダムX
・ターミネーターの未来世界(一応ロボは出ているけど……)
・マブラヴ
・ゼーガペイン
・創聖のアクエリオン(実は結構ヤバいらしい)
・ザブングル
・ボトムズの惑星がいくつか
・グレンラガン
・キングゲイナー

これぐらいしか思い浮かばない
30 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/23(木) 20:28:38.79 ID:xZM3B5SR
>>29
どの世界でも石川賢の主役、準主役級のキャラなら生き生きと暮らせそうだから困る
32 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/23(木) 22:21:22.44 ID:aXiAbsfM
>>29
そこはゼノギアスを押すぜ

終盤で人類の九割以上消失、ラスボスの存在のせいで人類絶滅までカウントダウン間近、元人間の機動兵器が大挙して押し寄せる、とかだし
さらに生身で超能力使う戦闘要員も多いから、あらゆる意味で安心だと思う

トラウマイベント目白押しで魔王鬼みたいな展開が見れそう
34 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/23(木) 23:14:01.33 ID:mOw82vQy
>>29
「ザブングル」は荒廃と言うよりも発展途上というイメージだったが、あの世界にゲッターチームが行っても、
「3日限りの掟?そんなもの知った事か!」一笑に付されそうだな。
ジロンの特異性が薄れてしまうw
37 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/24(金) 03:12:17.86 ID:A6bUdrVJ
>>34
異世界からの来訪ならそう思うかもしれないけど、すり合わせの場合「人殺しは良くない」と同じレベルの掟だから、
いくらなんでも唐突にそこにたどり着くとはちょっと考え辛いな
ジロンの超破天荒掟破りを嘗めない方がいい

荒廃した世界、北斗、ギルティギア・・・
クロス考えるならゼノギアスかな。もしも、ゲッターチームとゲッターロボが登場してたら・・・
51 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/26(日) 09:22:21.07 ID:N2hMG2xI
>>37北斗か・・・。   ミチルさんにイチモツを見せながら        武蔵「俺の名前を言ってみろ!」
53 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/26(日) 10:05:33.50 ID:2WpxccGi
>>51
ムサシはそんなことしないwww
するのは武蔵坊弁慶だ(笑)
35 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/23(木) 23:54:29.45 ID:5y+uVnqj
マジック・ザ・ギャザリングの世界に紛れ込む石川連中…っていうのもいいかもしれないという電波を受け取った
36 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/24(金) 00:50:25.06 ID:e3IGOm3L
石川キャラって、怪物を殺す怪物みたいなやつらだしな。
普通のところでは本当の意味では生きていけない連中だし。
レッドアイズという漫画で主人公が似たようなこと言われてたな。
39 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/25(土) 00:01:59.70 ID:wv7h6f2J
ゼノギアスなら
ソラリス帝国に挑む話になるんだろうけど、
異世界転移系だと「あの世界の人類」じゃないからグラーフみたいな異常な敵が接触してきそうだなw

正直、あの御仁ならゲッター無双になりようがないから、いいバランスになりそう
41 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/25(土) 11:13:04.79 ID:EsqVyTxz
>>39
Gならユグドラシルとかの代わりにシャインスパーク使えば突破できそうだな
本筋をフェイ達とともにある程度なぞりつつゲッターが入ったことによるオリジナルの展開を広げていく
難しいけど凄く楽しそうだな
40 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/25(土) 05:34:17.75 ID:sL4JM7sg
荒廃世界というとゴーディアンなんてのもある。
いかにも近未来的な都市国家から一歩外へ出れば、そこは西部劇の世界。
荒野に巣食う野党、決闘に明け暮れる荒くれガンマン、木造のボロッちい酒場、ころがるタンブルウィード……
42 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/25(土) 12:24:34.61 ID:aTEaEVfB
門土じゃないけど、勝てそうもない奴に勝つのが醍醐味だわねぇ
43 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/25(土) 15:51:15.29 ID:JuNFR5Zl
そういえばゼノギアスは味方に真ゲッターにそっくりなメカがいたような
44 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/25(土) 16:54:35.85 ID:DX1bvqgx
ガン×ソードなんかは?

ロボ縛りでなければトライガンとかあるよねー
45 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/25(土) 18:45:30.98 ID:baEPjUR6
ガンソだとゲッターはオリジナルセブン以外で二足歩行する珍しいヨロイ扱いになりそう
46 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/25(土) 18:56:59.24 ID:Fyg+eGd+
ゲッター3の状態で変形できなくなったとかなら……誰得だよ
47 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/25(土) 21:15:34.71 ID:nw52O9ig
そう言えばガンソードの爺さん達はザウルス帝国と戦ってたんだっけ
48 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/25(土) 22:33:55.91 ID:0YtNGDNP
ガン×ソード×フィスト&ミサイル
とか武蔵&弁慶感涙じゃないか
49 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/26(日) 00:55:30.95 ID:PfzJAC43
爺さんたちがザウルス帝国を潰したからロボが激減している設定だから
多分、番組一年分のロボを最低でも壊したんだろうな。

多分あの爺さんたちゲッターの変形合体見たら羨ましがったりするだろうな。
そして、ブッチ(爺さんたちの機体を改造した人)に何かいいそう。
でも、作中で「意味ない」し欠員がいるから改造時に削ったって言われているんだよな。

ゲッターの変形合体ってアニメ版號では資材不足(敵に資源を抑えられている)て理由だったりするけどね。
50 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/26(日) 01:08:46.86 ID:2WpxccGi
つまりテレビ版ゲッター號の場合、本来なら陸戦型、空戦型、海戦型のロボットを三台作るのが理想ではあるんだな。
けどそれが不可能だから一台のロボットが分離再合体で陸海空に対応できる様にしたって設定なのね。
55 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/26(日) 17:57:12.63 ID:Z3iKRdzg
マジンカイザーSKLの舞台の島は新の奴らに合いそうだわ。
エピローグでまたカイザーが出撃していること考えると他にも似たようなところがあるみたいだし。
あのマジンカイザーはOP見る限り、廃墟と化した光子力研究所に封印されていたようだし。
似たようにゲッターもできそう。
その場合、スパロボWのようなついになるような存在になりそうだけど
56 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/27(月) 01:21:35.13 ID:BYbgSlEr
ザウルス帝国で思い出したけど、アニメ版のぱにぽに世界には恐竜帝国があるらしいんだよな
57 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/27(月) 18:00:41.50 ID:odlXc7Cd
このスレは恐竜帝国が占領した、抵抗せずdat落ちするがいいわ
58 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/27(月) 18:34:23.13 ID:XsC9DKcQ
このスレは我ら百鬼帝国の物だ!百鬼ブラーイ!…なんつって。

そういやクレヨンしんちゃんのオトナ帝国の逆襲で高校生以上の大人が皆子供帰りしてしまうシーンがあったが、ゲッターチームはどんな感じだろうか?
59 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/27(月) 20:06:15.07 ID:hTdTUM1z
>>58
基本的に漫画版とネオは現役の時じゃないかな?
アニメは隼人は母が生きていた時で他は戦いが始まる前ぐらい
OVAでチェンゲはミチルが死ぬ前、新の弁慶は鬼に襲われる前かな?
60 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/27(月) 22:53:34.06 ID:odlXc7Cd
もうそんなレベルじゃなくて完全に精神が子供になったら?っちゅー事を言いたいんだろう
61 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/28(火) 11:15:09.02 ID:SR8CHysY
子供特有の残酷さを持ったゲッターチーム……恐ろしい
そういや漫画版だと三人共子供の扱いが上手いよなぁ
64 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/28(火) 23:07:10.20 ID:hJgsPzdw
>>61
何故か、
「貴様にも味わわせてやる、ゲッターの恐ろしさをなぁ〜」
と、不敵に笑う、元気ちゃんを想像したわけだが。
66 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/29(水) 00:01:22.96 ID:o08yv43D
>>64
どの元気ちゃんだ?アニメ版か?漫画版か?それともチェンゲ版か?
74 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/30(木) 00:28:41.66 ID:GwmOqbmp
>>66
漫画版で。
62 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/28(火) 21:26:58.04 ID:YVZjoiGj
そういえば、2Zでコウジの訓練に竜馬が付き合っていたけど。
昔のスパロボだと隼人がオリジナルキャラの教官していたらしいな。
65 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/28(火) 23:52:22.83 ID:QSP2Khtv
>>62
新スパロボで、SRXチームの教官やってたね
まだイングラムやヴィレッタが居なかったから
63 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/28(火) 22:07:15.15 ID:SR8CHysY
教官してる隼人の事を教えてくれないかぁ〜〜っ?新スーパーロボット大戦のなぁ、痛い思いはしたくねえだろぉぉぉぉっ!?
68 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/29(水) 02:39:07.41 ID:8RCtEbIE
>>63
ボルテスVを守るために母親が命を落としたことが原因で
戦意喪失になった剛日吉(ボルテスチームの最年少の子供)を教官になった隼人が諭す。
みたいな感じだったと思う。うろ覚えだからちょっと違うかもしれないけど
あとボルテスVに合体について指導したりとか
67 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/29(水) 02:07:02.19 ID:/HsIlT0J
そういやあ、新には弁慶がオリジナル設定で出てたな。
確か大学野球の監督していたらしい。
当時は真ゲッターが出てたのは號だけだったから、弁慶は謎だったからね。
新スパロボやっていないから、なぜゲッターを離れていたのかはわからないけどね。


個人的には竜馬と弁慶は研究所を離れなければ教官やってそう。
大決戦のミニゲームの影響だろうけどね。
あれ、操作が苦手で何回罵られたことか。
69 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/29(水) 08:54:54.28 ID:4chzS91+
>>67
あれ?弁慶は高校の野球部監督じゃなかった?攻略本には母校の野球部って書いてあったと思うけど大学行ったとは思えんし(笑)

そういやボルテス?の敵、ボアザン星人は角があるものが貴族として角のない平民を支配してるんだよね。
…もしかして未来から送り込まれた百鬼帝国と同型の艦が大昔のボアザン星にたどり着いて、角がある支配階級を生み出したのか?
71 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/29(水) 11:54:16.26 ID:zqMjWjxs
>>69
改造のもでるがボアゾンだったんじゃね?
72 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/29(水) 21:40:17.64 ID:ZsukJyTv
インベーダー+ネクロモーフ+エイリアン
な奴がいたらどうだろ?
……特に怖くなる以外は意味がない気がするな。
75 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/30(木) 15:08:26.32 ID:JsXXukAR
パワー馬鹿の石川キャラには精神を折ってくるような奴が相手として適役なのかもしれん
76 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/30(木) 15:16:02.66 ID:XzamOo8X
>>75
心をへし折りにきまくってるじゃないか。あらゆる方法で
80 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/30(木) 18:19:04.03 ID:gjxGZDhI
>>76
號の日本に爆弾ロボを設置しまくるので早速厄介な攻撃されてるよね
77 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/30(木) 16:03:21.27 ID:VA7Vl1Ok
へし折ろうとしたら恨みの念動でミンチにされ
母親の姿で勧誘すれば凄まじい反抗期で同化吸収され
下手な脅しを掛けた相手がただのキチガイだったり
人体実験場を見せて人質をとれば人質を虫ケラと割り切る学生が居たり
スポーツ中に相手の魂を生き抜こうとしたらへんな鬼が降臨したり

ロクな目に遭ってない気が…


やっぱり脳筋を上手く出し抜くようなキャラが一番妥当だと思う
78 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/30(木) 17:30:11.01 ID:XzamOo8X
正直世界征服直前&爆弾設置で絶対心折れるわ。絶望しかないじゃない
は虫類だけでも手に余るのに鬼が出てきたりしたら泣いてしまうわ
79 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/30(木) 17:35:54.63 ID:H0kUH8PN
職人さんたち元気かな。
ライフや邪鬼王の続きが、ト卒天ラオウが降臨するまでに読めるように。
87 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/01(金) 00:42:50.69 ID:Ydy5UKmt
>>79
最近音沙汰が無くて少し心配・・・
81 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/30(木) 21:43:27.99 ID:oMNikIbw
心を折ると言えば【あの人】
中学時代はあらゆる部活を渡り歩いてたらしいから、多分空手もやってただろうな
竜馬に勝てるかな?w
82 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/30(木) 21:56:08.07 ID:gjxGZDhI
>>81
誰だ?
84 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/30(木) 22:27:21.15 ID:gjxGZDhI
さまざまな部活を歩いて大会荒らしたり、
意図的にしてもそうでなくても、他人のプライドを傷つけるキャラって結構いるからな。
まあ、少なくてもプロ〜オリンピックなどの世界大会がすげえ世界観ならば竜馬でも十分通用するだろ。
程度によるが異能バトルは銃火器を持ちこさないと大変だろうけど
85 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/06/30(木) 22:36:59.57 ID:oMNikIbw
ライトウィングというサッカー漫画に出てくるシアンって奴
作中でずーっと【あの人】と呼ばれてるので知ってる人には【あの人】だけで通じる
圧倒的な身体能力で叩きのめすことで本人と見てる人の心を折ることが趣味
高校生だから、ちょうど初代の頃の竜馬と同じくらい
92 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/01(金) 13:46:48.72 ID:CXzs/fwq
>>85
ノノノノというスキージャンプにもそういうキャラがいたな・・・
凄い天才だけど大会の挨拶で全員にお前ら雑魚だからと言い放つ奴が
90 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/01(金) 11:29:57.02 ID:AN0a9pTJ
なろうのデストサイキックの前では全てのファンの念波防門が無になる
つまり奴らは神の軍団の使徒だったんだよ!!
94 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/01(金) 21:21:28.88 ID:PsMZZpQB
貴様らは逃げたのだ、原作レイプにおびえ投稿サイトを逃げ出し、このちっぽけなスレに逃げ込んだのだ!!
96 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/01(金) 23:35:15.20 ID:KywF2GuE
最近、號を読んだ後に偽書0〜2巻を呼んだら脳汁でた

マヲウ鬼VSゲッター2が素敵過ぎる・・・
98 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/02(土) 02:21:22.02 ID:S5pZtlsQ
飛焔は……やっと全員の過去背景が出たと思ったら、
ゲッターのジンクスが発動して雑誌がヤバい状態になって。
一気に最終決戦だしな。
もうちょっと余裕が持てたら評価が変わっていたかもしれん。

一応、掲載誌の目玉だったから雑誌が続いている限りは打ち切りってことはまずないし。
……ジンクスって強いな。
101 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/02(土) 17:00:51.28 ID:FQVFFEiT
サーガ最終作のアークから超人ロック能力に覚醒しちゃった感じだな。
DASHと飛焔の同時打ち切りにはさすがに笑った。
102 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/02(土) 18:57:38.50 ID:McSEin4n
ゲッターは無限に進化する、しかしロックもどんな能力だって覚えて強くなる
雑誌廃滅の勝負は千日手になるな
103 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/02(土) 21:26:46.87 ID:V3/+AFLF
>>102
そんなところで競うなww
108 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/03(日) 01:42:55.70 ID:Ou6b63hY
>>104乙、小ネタでも容赦なさすぎ

>>103
じゃあまともな話もしよう、「月光」とか使われたらゲッターでもヤバいぞ多分……
みんなを助けるスーパーマンがゲッターと絡んだらどうなるのか?と言うのはちょっと面白そうだ
109 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/03(日) 02:22:07.39 ID:5vPT6g8B
>>108
マーズクロスと似た感じで、ロックもゲッターの行く末を何千年も見守るだろう
時代が進めば、しれっとゲッター戦艦かなんかのクルーに混ざってるかもしれん
104 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/02(土) 21:39:37.62 ID:EctI1b+x
ドラえもん(危うし!ライオン仮面)とのクロスを書いたので
避難所の方に投下してきました。
まあ、忍法帳の件がなくても、避難所送りが妥当な小ネタですが。
105 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/02(土) 22:10:17.94 ID:PGNGwBUz
>>104
吹いたwww
107 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/03(日) 00:30:33.81 ID:tvS8y/18
>>104
乙!
こりゃあひでえや(良い意味で)www
未来デパートはなんてもん売ってやがんだ…
106 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/02(土) 23:49:23.21 ID:V3/+AFLF
ロウきゅ〜ぶとゲッターからませるとやばいな。
バスケできるやつがいねえ。
111 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/03(日) 20:08:19.38 ID:BhyFjMNk
クロス世界で生まれたエンペラーと本来の世界で生まれたエンペラーの戦いとか見てみたいかも
113 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/03(日) 21:04:43.50 ID:tvS8y/18
少年ジャンプの新連載が久々にSFだから結構期待
最初のカラーが馬頭龍が地球に来るシーンにちょっと似てた
114 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/03(日) 23:51:35.86 ID:Ou6b63hY
エンペラーというのは機体というよりも、舞台背景みたいな物に感じる
115 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/03(日) 23:56:06.94 ID:9YO3myqd
マジンガーで言う、「神にも悪魔にもなれる力」で暴走している感じだよな。
悪魔のようになってしまったって感じだよな。
肝心の未来人たちや武蔵はあんまり理解してない節もあったような気がするし。
116 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/04(月) 17:25:33.13 ID:WtEBSju2
にしても最近作品投下が少ないなあ
みんな忙しいんだろうか
119 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/04(月) 19:13:47.66 ID:E/7G6zMR
にじファンのゲッターは増えたけど
あそこは短編除いたら、理想郷でも連載されていたマブラヴとのクロスしかまともなのねえな。
121 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/04(月) 21:03:48.29 ID:qr7UXXUA
何て言って良いかわからんが、ゲッターを道具にしちゃいかんと思う
123 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/04(月) 22:05:46.33 ID:2ioSZ725
知識が間違ってる作品には突撃して突っ込みたくなるけど、やっていいものか…
ベアー号じゃなくて「ベヤー号」とか武蔵以外が元祖大雪山おろしやったりとか…
124 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/04(月) 22:13:03.92 ID:E/7G6zMR
スパロボでの弁慶の大雪山おろしはあれはイベントで
弁慶が話を聞き特訓して習得したって流れがあったらしい。
以降はそこが省略されていたり、αシリーズでは武蔵が死ぬ前にあっていたりする。
元々チェンゲでは直伝されているらしい。
でも、やっぱりちゃんと何故使えるのかという説明がないとね。
125 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/04(月) 22:18:11.74 ID:4Bt8OIN3
スパロボでは必ず特訓イベントか戦闘時に『ムサシ先輩直伝の!』って台詞が入るもんね。
126 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/04(月) 22:28:36.91 ID:qr7UXXUA
小説版とか読めば分かるけど、ゲッターチームはちゃんと厳しい訓練を耐え抜いたり、様々な苦しい目にあってあーゆースペックを獲得してるんだよな
だから最初から完璧な肉体や精神を持ってると思い込んでる奴には辟易する、竜馬になれば人生イージーモードとか偏見もいい所
127 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/04(月) 22:43:20.48 ID:E/7G6zMR
というか、幼少のころから親父によるスパルタ教育の竜馬。
中学はかなりの肉体を必要とする体操と学生運動でガスガス戦っていたと思われる隼人。
苦になっていないだけでかなりのサバイバルをしていた山籠もりをしている武蔵。
なんだか、ロボ漫画の登場人物なのだろうか?
130 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/04(月) 23:08:36.82 ID:6A+TqUFm
>>127
エネルギーが有り過ぎてまともには生きていけない奴等が血を滾らせゲッターに乗る
から良いんだろ
128 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/04(月) 22:54:19.61 ID:WtEBSju2
ゲッターSSでのグロ表現てどのぐらいまで許せる?
今のところ一番グロい描写があったSSでの例とかあるかな?
129 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/04(月) 23:02:09.17 ID:E/7G6zMR
今のところ、人間相手ならば台詞だけでいいならばあずまんがくろすの

「先程のは、恋人同士のようだったな…切り取った目と、鼻と、歯茎を見せたとき、片割れの男は
 血の涙を流していた。くくっ、飽きたので生きたまま頭蓋を開き、女に脳みそを食わせてやったが…」

って台詞かな?
血しぶきの描写はいろいろ作品でやっているけど
OVAの新レベルまでならば特に文句は言われないと思う

あまりにもグロイと思うならば、注意書きをやればいいんじゃね?
性的なR−18は……避難所でも注意書きかな?
131 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/04(月) 23:23:19.84 ID:WtEBSju2
生理的嫌悪感があるグロには注意書が必要ってことかな・・・
132 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/05(火) 00:30:18.25 ID:XN99BBrn
にじファンで『石川賢』て検索しても2件しか作品ないんだよなw
134 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/05(火) 02:13:37.65 ID:MTr5KnXR
作者め。邪鬼王への愛がひしひしと伝わって来て乙せずにはいられん。

が、最後でさり気なく虚無りフラグを立てるなwww

135 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/05(火) 07:37:45.36 ID:GcAJRZf2
そりゃ初めて見たら怖ぇよな
鉄人28号やジャイアントロボを目指したのに何故こうなった…
138 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/05(火) 21:19:11.63 ID:o6rA9WMh
取りあえずこっちで書くけど

ジャキオーの人乙。
そりゃあ、気が弱い人にはやばいよなジャキオー。
物語が進めば装甲がちゃんとついていくけどそれでも悪役顔だしね。
139 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/05(火) 21:29:38.47 ID:8prczeoN
でも鳴き声(叫び声に非ず)は可愛いジャキオーなのでした
140 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/05(火) 21:31:28.34 ID:o6rA9WMh
>>139
あの巨体ならば相当低い声か機械だから電子音かもしれないし、かなりでかい音量かもしれない。
でも、ちゃんと中身の正体知っていればかわいいんだよ……
141 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/05(火) 21:42:57.44 ID:8prczeoN
ジャキオー可愛いよジャキオー

怪獣みたいな外見と立場だからか、
なんとなくウルトラセブンのカプセル怪獣に近い気がする
149 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/05(火) 22:44:43.74 ID:oETVv6j7
>>146
ゴメン調子にのり過ぎた。

>>141
チェンゲのインベーダーには邪鬼王そっくりなのが一杯居たけど「なぜ似てるのか」そういうオマージュとかスタッフのお遊びをこじつけて理由を妄想したら面白いかも。
例えばネオゲの世界でユンクとテレサがハヤトの副官に、将造が官房長官にそれぞれなるまでとかね。
152 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/05(火) 23:39:59.32 ID:XXA7ASso
>>149
インベーダーがただキモくて邪鬼王が格別可愛く見えるのはやはり中身のせいか

ダイナミックゲーム…    豪翔(ry…
142 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/05(火) 21:54:09.11 ID:e+npkW7v
今度モバゲーでダイナミックがゲーム出すようだな
とりあえずマジンガーとゲッターが出るらしい
143 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/05(火) 21:57:23.08 ID:oETVv6j7
>>142
事前登録済ませてきた。いやー楽しみだ!
147 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/05(火) 22:30:54.07 ID:wdUHu51U
>>142
なにそれkwsk
148 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/05(火) 22:43:16.72 ID:e+npkW7v
>>147
本当に「マジンガーとゲッターが出るらしい」くらいしか分からないのでなんとも言えない

まあ、多分他のゲームと同じように
HP消費して素材探したりなんなりして、素材でロボット作るか強化するかして、
それで仲間といっしょになんかと戦うって感じなんじゃないの

題名が「超大戦!ロボットバトル」だから、デビルマンとか魔獣戦線とかは出なさそう
ジーグやダイザーだったら可能性はあるけど…
邪鬼王やアイアンマッスルはどうなるかなw
144 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/05(火) 22:07:31.69 ID:pj2n6ScP
今日びの若人がダイナミックに食いつくのだろうか
いや かく言う俺もそれなりに若いけど
145 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/05(火) 22:19:26.25 ID:oETVv6j7
俺17の現役高校三年だよ。文庫版ゲッター全巻に極道兵器、魔獣戦線、セイントデビル、魔界転生、回天、サムライ達の明治維新、獣機隊二○三、小説スーパーロボット大戦等々揃えてるよ!
今桜多版マジンガーと虚無戦記とラピュータの学年誌ゲッターと新説魔獣戦線の4巻捜してるよ(笑)
146 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/05(火) 22:21:26.45 ID:o6rA9WMh
>>145
うん、好きなのはわかったから落ち着け。
151 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/05(火) 23:30:05.14 ID:oETVv6j7
取り敢えず携帯でモバゲーにアクセスするといい。
154 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/06(水) 18:30:42.37 ID:fcpUSWks
>>151
登録してみたが……本当にどんなゲームなのか書いてないのなw
ここまで何も書いてないのも珍しいのでは?
155 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/06(水) 21:46:03.09 ID:HFEQGl0O
おいおい恋愛シミュレーションとかだったらどうすんだよ
156 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/06(水) 21:48:30.56 ID:kHLxJQeX
>>155
選択肢の八割が死亡フラグになりそう
159 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/06(水) 23:53:13.33 ID:fcpUSWks
マジンガーと一緒だからそこまで虚無る確率は……どうなんだろ?
160 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/06(水) 23:53:25.66 ID:HFEQGl0O
そこでこの
「無限の吸収能力で二人はずっと一緒」
ENDをですね
161 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/07(木) 10:18:30.71 ID:X8Xclj/x
沙耶の唄を思い出すなw

ライフクロスなら恋愛ゲームに出来そうな気がする
162 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/07(木) 15:47:23.82 ID:DygB2J/0
>>161

マナハゲとは絶対にフラグ付けられないなw

本編でも互いに嫌ってるみたいだし
163 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/07(木) 15:57:21.13 ID:Gct2NEz/
石川賢的には
沙耶=インベーダー、ドグラ
じゃねえの?
168 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/08(金) 12:08:31.56 ID:3wFoC7KV
>>163
沙那が真っ二つに割れて脳の障害が無くなった主人公が転生
そのまま勢いで闇と光の戦争に突入



なんだ、ただのニトロか…
181 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/09(土) 07:47:12.22 ID:10bXLfTN
>>168
ニトロ的な展開は賢ちゃんの作品では日常茶飯事
エロに需要が無い意味でもな
165 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/07(木) 17:49:43.69 ID:pSHjrUTr
コーウェン「ほう、我らの同一種族か。興味深いなスティンガー君?」
沙耶「そうだねコーウェン君♪」
コーウェン「誰だ!?」
167 : 忍法帖【Lv=18,xxxPT】 2011/07/08(金) 01:47:27.70 ID:nLyh1GBJ
ニコ動に良い意味で酷いのがあったww
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm14954601
ここまで無双なのは始めてみたwww
169 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/08(金) 17:24:32.82 ID:HIWg+Y6W
クトゥルフには星の戦士って存在がいるけど、これってウルトラマンやゲッターみたいだな
170 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/08(金) 19:54:14.11 ID:pQaWyaP5
ウルトラマンはモチーフの範囲が広くて、クトゥルフも結構あるんだよね。
ティガのラスボスが一番わかりやすいと思う。

どっかのクロスオーバーの妄想では時天空とヨーグ・ソトースは同じ存在だとか
破片の中でも特に強いのが邪神とかいう妄想があったな。
171 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/08(金) 20:17:38.58 ID:b1++RJN+
よくよく考えるとクトゥルフと引き合いに出されるってとんでもねーよな
172 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/08(金) 21:26:43.91 ID:pQaWyaP5
そういえば、ゲッター3てだんだん射撃によっているような気がするな。
凱あたりからかな?
飛焔のはやりすぎ
173 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/08(金) 22:11:27.98 ID:zfKgkQ49
やっぱりゲッター3と言えば投げ技とミサイル見たいな感じだしね。
174 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/08(金) 22:36:28.93 ID:GCiVLo4k
投げ技だと空中に放るだけで迫力たりないからインフレすると射撃に寄るのは必然じゃね

飛焔のプラズマノヴァ好きだなあ
くそつまらんアンソロのなかでもプラノヴァ発射シーンは少し口直しになった
176 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/08(金) 22:46:09.05 ID:afYtwmCg
>>174
確かにエフェク的に射撃の方が派手っぽくなるしね。

アンソロはなぜか永井先生が一番アンソロらしかったという
他はエンペラー祭りだから、あんまり大差がないような気がしてしまうし。
175 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/08(金) 22:41:15.34 ID:b1++RJN+
どうもエンペラーに囚われるとどいつもこいつも似たようなオチになってしまいがちなんだな、目が眩んでる状態
177 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/08(金) 23:11:54.73 ID:zfKgkQ49
まあエンペラー祭りもアレはアレで好きだったな。流ミロクは可愛かったし。
178 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/09(土) 02:15:47.74 ID:/kixQD6K
>>177
あれは短編でやるような内容じゃないよね。
SF的な世界観をもう少しじっくりやっていたほうがいいタイプ。
179 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/09(土) 03:07:27.63 ID:iM8UYowO
アンソロじゃないけど、長谷川裕一の描いたゲッターロボ斬の漫画は面白かったな
184 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/09(土) 21:15:31.84 ID:/kixQD6K
ニトロで言えば装甲悪鬼村正とOVA組は相性が悪そうだな。
OVA組はなんか話を聞かなさそう、

そもそも等身大パワードスーツみたいなもので
実力差が大きくあれば武器次第では生身でどうにかできないわけではないけど
さすがにそんなやつは一部の例外だし、そんな等身大の相手にゲッター持ち出すのは……
本編にはそれぐらいの巨大な奴いたけど珍しい存在だし。
195 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/10(日) 01:32:54.84 ID:hnZKKnWF
>>184
等身大物と巨大ロボット物のクロスって結構難しいんだよね
戦力差を抜きにしてもどうも描写的にぱっとしないというか
196 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/10(日) 01:40:28.50 ID:KQou7F4k
>>195
短編ならともかく長編わな。
ゴジラみたいに暴れまくるならともかくロボットの場合はよほどの虐殺者でもない限りはそれはないし。
マクロスみたいにいきなりあらわれた、強大な力と途方もないテクノジーの所有を巡る話とかにできるだろうけど。
この場合はそのごたごたが収まるまでは巨大ロボの戦闘は極端に減っちゃいそうなんだよな。
初回とデモンストレーション、反乱、決戦ぐらいしかまともに運用できないかもしれんし。
205 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/10(日) 23:53:45.84 ID:U6IbXJq3
>>195
ヒーロー戦記はそこら辺うまくやったよね。ガンダムをパワードスーツって設定に改編すりゃライダーもウルトラも等身大で戦える。
「コール!ゲッター1!」
186 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/09(土) 23:03:31.85 ID:2HjKIq/z
善悪相殺の呪いに苦しみながら戦う景明の横で
例によって堅気の人間も巻き込みながら嬉々として敵を殺しまくる将造を夢想したぜ…

OVA勢はどうだろうな…
世界がどうなろうと関係なく復讐を果たそうとするチェンゲ竜馬
何かを背負うわけでもなく、自分自身の為に生きようとするゴウ
望まぬ未来にならぬようひたすら戦い続ける新ゲ竜馬(穴があったら突っ込みたい)
187 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/09(土) 23:31:09.22 ID:/kixQD6K
>>186
チェンゲの主人公はゴウ…………ケイがいなければ特に何もしなさそうだけど。
189 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/10(日) 00:04:39.26 ID:KQou7F4k
>>186
将造に景明さんは何か言えるかな?
基本的にカタギには手を出さないし、カタギが死ぬのは敵との戦闘に巻き込まれてだし。
この点が人のこと言えないし、「せめて戦う場所選べ」とぐらいしか言えんだろうな。
197 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/10(日) 01:56:23.24 ID:v0wNk6mO
>>189
民衆の敵と戦っていても世間体的にはどちらとも好まれる存在では無い。
性格は真逆なのにやってる事はだいたい同じなんだよな。

ただ違うのは一方は自分を悪鬼と戒め、一方は善も悪も関係ないってところだけど。
188 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/09(土) 23:57:28.59 ID:10bXLfTN
切っ先が触れれば全て斬り
切っ先が触れなければ殺す

柳生十兵衛の理ここにあり
192 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/10(日) 00:45:46.34 ID:7Q7saGTn
新ゲの黒平安京の話を見ていて犬夜叉とのクロスを妄想した。
竜馬なら鉄砕牙を使いこなせそうだ。闘鬼神の方が似合いそうな気もするが。
隼人は殺生丸と気が合いそう。
194 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/10(日) 01:05:34.98 ID:KQou7F4k
ここの前身であるマブラヴの外伝も最近出たな。
さらに状況が重力バランスが壊れてしまったために悪化して、
土地のほとんどが海に沈んで、気圧のバランスが各地おかしくなって、一部の海底が隆起したけど塩の砂漠状態。
アメリカの一部とハワイにしか人間が住める場所がなくなる状況。
BETAは全滅してないし、人間通しの土地の争いや政治問題が起きたり、資源カツカツだったり。

もう、体をゲッター線によって機械化するしかねえな。
198 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/10(日) 02:39:53.53 ID:AydPy2uJ
将造はオーガや塾長とかと同類のキャラだよな
人間なのに設定上勝てないやつとか倒しても、まああいつだしで納得させられる力があるよな
199 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/10(日) 03:00:14.28 ID:KQou7F4k
>>198
でも、その二人と比べると結構大人しい方。
そもそも、連載年月が違うしね。

というか、村正の劔冑(パワードスーツみたいなもの)の量産型の奴ならば特に条件なしに使える。
腕さえあれば特注品に互角に戦えるし、火器も使えるし、使わないときはバイクに変形する。
最終的には火器が強くなったおかげで量産型がめちゃくちゃ強くなっちゃうし。
それらを使えば別に不自然ではないか。
200 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/10(日) 10:50:51.73 ID:TVCCI7Kl
平安京時代のオリジナル劔冑・童子切を出すとか、
膝丸(蜘蛛切)の兄弟刀が原作で既出なのでややこしいが
髭切とは別の劔冑として……
いや、むしろゲッター正宗・バロウズ・銀星のキチなゲッター斬とか
201 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/10(日) 11:13:55.97 ID:KQou7F4k
現実にも膝丸(蜘蛛切)の兄弟刀は髭切だけど
童子切は童子切であるしな。
三つとも頼光の時代に伝説がある刀だし。
源氏の最高級の宝である童子切とか振り回したら間違いなく狙われるな。

>ゲッター正宗・バロウズ・銀星
そしてジーグなあれと戦うんですね。
202 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/10(日) 13:45:20.21 ID:KQou7F4k
あと、髭、膝が時代の割になぜあそこまでスペックが高いのかがゲッター合金を使っているとか
金神についてとかゲッターでからませようと思えば何かできそうな気がする。
203 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/10(日) 18:12:07.47 ID:3Grj06ZF
>202
膝の方は中の人補正もでかいからな。
見た目はかませ犬っぽいのに強さはガチなのが雷蝶様クォリティ。
204 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/10(日) 22:23:17.94 ID:KQou7F4k
竜馬の空手家設定を考えると劔冑はクローが主武装の虎鉄が相性よさそうなんだけで
その所属がいわゆる悪役だからちょっとそこで問題があるな。
その根本的の昔からかかわるとかいうのは物語の背景が根本に近いところで変わっちゃうしな。


時々、現実から来たオリ主が三次元の女性と化したヒロインと出会い失望するのとかあるけど。
石川ファンが石川ヒロインに出会っても「ナイスバルク!」や「キレてるよ!」という光景が
なぜか浮かんでしまう。
206 :日本製「先行者」開発プロジェクト第七話2011/07/11(月) 00:03:17.85 ID:ONLEBagd
先行者×ゲッター、投下します
避難所に投下しようかとも思ったけど、やっぱり本スレに投下が無いのはさびしいのでこちらに


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「学生テロリスト?」

所長室の机に座った早乙女博士の前に資料が置かれる。それはある人物に関するファイル。

「はい。神隼人を中心にしたグループです」

資料を置いた所員が続けて説明する。

「学生らしからぬ強い団結力と素早い行動で、政府をきりきり舞いさせています。既に政府の要人が何人もこのグループに……」

「うむ……。知っとるよ。政府はかなり手を焼いておるようじゃのう」

早乙女博士は伸びた顎鬚を撫でつけながら、ため息をつく。

「活動による犠牲者多数、破壊された施設もある。今最も危険視されておる反政府組織じゃ」

そう言って机上のファイルを手に取り、読み始める。
神隼人(じん はやと)、性別・男。17歳。推定身長185cm。
小学生の頃にIQ300とマスコミに持て囃され、中学では体操でかなりの成績を残したスーパーマン。
現在は学生テロリストグループのリーダーに君臨しており、高校生でありながらかなりの危険人物。
207 :日本製「先行者」開発プロジェクト第七話2011/07/11(月) 00:05:14.83 ID:ONLEBagd


「それで……。最近、このグループがまた不穏な動きを見せ始めたようです」

「なに?」

片眉を上げて反応する。
あのグループの主な標的は、政府とそれに関わる機関。特に戦争を幇助するものである。
政府から援助を受けているのだから、早乙女研究所とて人ごとではない。
まして、政府の命令で惑星探査型ロボットを戦闘に用いようとしているのだからなおさらだ。

「どこを狙うかは分かっているのか?」

不安の混じった声で尋ねる。しかし所員は首を横に振った。

「……いえ。しかし、この研究所が襲われる可能性も十分あります」

「そうだな。警戒を強化しよう」

「分かりました」

――そうしてしばらく打ち合わせをした後、所員は出て行った。

「ふう……」

部屋に残った早乙女博士は、深いため息をついた。
考えているのは勿論学生テロリストのことだ。

「彼らも、本来ならきっと有望な学生たちだったろうに……。嫌な時代になったものじゃ……」

席を立ち、窓から外を眺める。
初夏の抜けるような青空に、入道になりかけた雲が浮かんでいる。
雄大な浅間山麓、その山際では空の青と葉の緑が溶け合い、翡翠色の稜線が描かれていた。
208 :日本製「先行者」開発プロジェクト第七話2011/07/11(月) 00:06:07.58 ID:ONLEBagd



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早乙女研究所。それは浅間山山腹に立地する宇宙開発用ロボット研究所である。
所員数200名。総敷地面積は非常に広大。天文台や工場などの設備を有している。
所長は早乙女博士。ゲッター線をエネルギーに変換する「ゲッター炉心」を開発した、ゲッター線研究の第一人者。
現在は、主にゲッター炉心を搭載した惑星探査ロボットの開発を行っている。

「知ってる奴も多いと思うが、この研究所は政府の援助を受けている」

学生服を着た集団の前で声を上げるのは、神隼人という男。
長く伸びた前髪と、彫りの深い顔が印象深い。そして何より特徴的なのは、全身から噴き出す狂気だろう。
鋭い眼光に僅かに上がった口角。学生服に包まれた体と長い手足は、ユラユラと幽鬼のような動きを見せる。
みな異様な顔つきをした学生服集団の迫力を前にしても、隼人はなお際立っている。

「大人しく宇宙開発だけしていれば、まだ見逃してやらんことも無かったが――」

木製の椅子に腰かけ、手には水平二連散弾銃。それを眺めながら、隼人は話を続ける。

「惑星探査用ロボットをRAに転用しようとしている」

場がかすかにどよめいた。
隼人は全体を一睨みしてそれを抑え、話を続ける。

「政府に味方し戦争に加担する奴らを野放しにすることはできん」

口元をさらに歪ませる。
ゴクリ、とどこかから生唾を飲み込む音がした。隼人が言葉を発するたびに場の緊張は高まり、身も凍るような感覚に陥らされる。
もしこの場に普通の善良なる学生がいたならば、とっくに腰を抜かして悲鳴を上げているだろう。
事実、グループ結成初期の頃は、この空気に耐えられず逃げ出した者が何人もいた。
それらの者は、"覚悟"が足りなかったか、もしくは少しでも根が良かったのか。
いずれにしろ、途中退場など隼人が許すはずもなく、ことごとく粛清されてしまった。
209 :日本製「先行者」開発プロジェクト第七話2011/07/11(月) 00:06:31.01 ID:ONLEBagd


「……俺たちが、制裁を加えてやるんだ」

そして、"早乙女研究所襲撃作戦"の全容が語られる。が、ここでは省略する。
実際に見てもらうことにしよう。


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一本の舗装された山道が、早乙女研究所に向かって伸びる。
雲の少ない青空には中天を少し過ぎた太陽が赫々と輝き、アスファルトを無遠慮に照りつける。
山裾には初夏の爽やかな暑さの中青々と伸びた生木があり、そこから立ち上る匂いがむせかえるようだ。
その山道を数台の中型トラックが走っていく。
積荷はロボット建設のための資材。早乙女研究所ではロボットの試作を常時行ってるため、資材の搬入が頻繁に行われる。
風を切って――と言うほど速くもないが――順調に走行中。いつも通りこのまま何事もなく無事に到着、と、運転手は思っていた。
この瞬間までは。

――パンッ!
何かが破裂するような、軽快な音がした。それと同時に先頭のトラックの車体がガタガタと揺れる。

「ン!」

二人の乗員――運転している年季の入った男と助手席に座った若い男――が驚いて声を上げた。
トラックは揺れるにとどまらず車線から逸れていくので、運転手は慌ててブレーキを踏む。
甲高いブレーキ音が響き、トラックは速度を落とす。そうして数十mの黒線を路面に残し、停止した。
先頭が止まったためか、後続のトラックも停車する。

「なんなんスか!?」

「これは……タイヤヤッちゃったかもな」

助手席に座った男が悲鳴を上げ、運転手が冷や汗を流す。二人はタイヤを調べるために車から降りた。

「……こりゃあヒドイな」

「うわっ、パンクってこんなんなるんスか?」

タイヤを見た二人は息をのんだ。右の前輪が見るも無残にズタボロになっていたからであった。
ゴムには大きな穴が空き、破けたチューブがはみ出している。
210 :日本製「先行者」開発プロジェクト第七話2011/07/11(月) 00:07:05.89 ID:ONLEBagd


「いや、おかしいだろこれ! こんな派手なパンク見たことねえぞ」

この運転手はベテランで、パンクを経験したことも何度かあった。しかし、こんなのは初めてだ。

「どうすんスかこれ。っべー」

困惑し立ちつくす二人に、後続のトラックの乗員数人が近づいてくる。
その内の一人が声をかける。

「大丈夫ですか?」

「全然大丈夫じゃねえよ。見ろよこれ」

「……うわー、こりゃヒドイですね……」

「だろ? 全く、何踏んだらこんなことになるんだか……」

「田口、こんなの落ちてたんだが」

別の男が片手を掲げる。頑丈そうな鋭い棘がびっしり生えた長い棒を持っていた。
棘のいくつかは曲がっていたり先が潰れていたりで、明らかに何かに轢かれた跡が残っていた。

「なんじゃこりゃ。なんでこんなもんが……」

その時。
コンクリで固められた山肌の方から、何かが滑り下りてきた。
それは電光石火の速度で駆け、トラック乗員の一人の頭を棍棒で殴打。鈍い打撲音が響く。
頭を割られた乗員は、血を噴き出しながら地に転がった。

倒れた乗員の代わりにその場に立ったのは、黒い詰襟学生服を着た男だった。

「なっ……」

残りの乗員が驚きの声を発する間もなく、次々と何者かが斜面を滑り降りてくる。
彼らは次々と乗員たちを始末し、この場を制圧していく。その手際はまさに早業、一人の逃亡者も許さない。
さらにトラックの中まで確認し、残っていた乗員も引きずり下ろす。
残虐で悪逆な行為が、抜け目ない組織的な秩序で行われた。

「うわっ……ぐえ!」「ひぎっ」「た、たす、ぎゃん!」
211 :日本製「先行者」開発プロジェクト第七話2011/07/11(月) 00:07:36.16 ID:ONLEBagd


悲鳴と打撲音が鳴り終わったとき、立っているのは学生服を着た男たちだけだった。
彼らはうすら笑いを浮かべながら、手に血のついた得物をぶら下げている。
その異様さは名状しがたく、真昼間だと言うのにまるで百鬼夜行のような恐ろしい雰囲気を纏っていた。

一人の男が斜面の上から一部始終を見ていた。これまた黒い詰襟を着た、坊主頭の屈強そうな男である。
彼は眼下の惨事が一段落したのを見計らい、踵を返して森の中へ入っていく。
少し進んだその先では、一人の男が岩に腰かけていた。

「隼人さん。……終わりました」

そう、神隼人である。
男は隼人に作戦終了を告げた。成功です、とは言わない。成功することは絶対なのだから。
隼人はニヤリと厭らしく口を歪め、腰を上げた。
そして作戦は次の段階に移る。


----


その頃、早乙女研究所・所長室。ビビー、とブザー音が電話から鳴り響く。

『博士、捜索チームからお電話です……』

早乙女博士は手元の書類を置き、受話器を手に取った。
捜索チームとは、惑星探査用ロボット――を改修した、戦闘用ロボットのパイロットを集めるために結成された特殊チームだ。
特殊チームと言ってもそんなに非合法なことをやるわけではなく、せいぜい尾行したり盗撮したりするくらいだ。

「もしもし……」

多少気がない口調で応答。博士は話の中身に予想が付いていた。
恐らく、新しいパイロット候補が見つかったのだろう。これまでに何回も繰り返された報告だ。
何回も繰り返されたということは、つまり、相応しいパイロットは今まで見つからなかったということだ。
そんなわけで、博士はあまり身構えていなかった。対照的に、電話口の向こうからは緊張した声が聞こえてくる。
212 :日本製「先行者」開発プロジェクト第七話2011/07/11(月) 00:08:12.83 ID:ONLEBagd


「博士ですね……」

「どうした。何か進展があったのか?」

「ええ。見つけましたよ、マシンのパイロットにピッタリな逸材を」

「……ほう。その口ぶり、中々自身があるようじゃな」

今までとは一味違う調査員の口ぶりに、博士は片眉を上げて反応する。もしかして今度こそ、という思いが鎌首をもたげた。
調査員は少しの間を開け、ゆっくりと話し始めた。

「……そいつは、空手全国大会に一人で殴りこみましてね。優勝者含む十数人をあっという間に伸してしまいました」

これを聞いて、博士の背筋が伸びる。今の武勇伝は、これまでのパイロット候補たちのそれとは明らかに一線を画していた。
それが本当なら、確かにパイロットに相応しいだろう。アレのパイロットは、常人より遥かに屈強な肉体を持っていないといけない。
博士は心臓が踊り始めるのを感じた。相応しいパイロットが見つかるまで、どれだけ長い時間が経ったことか。

「ふむ……。分かった、今からわしも見に行こう。それまで見失うんじゃないぞ」

「了解致しました」

「では、頼んだ」

博士は電話を切った。

ああ、なんということだ。ついに見つかるかもしれない。長かった……。
歓喜の声が内心から湧きあがってくる。もう小躍りしたいような気分だ。だが、しかし……と、博士はその気持ちを抑えた。
何故ならばアレのパイロットは全部で三人必要だからだ。まだ有力候補が一人見つかったに過ぎない。
そもそも、パイロットが全員揃ったら、アレを戦場に送りださなければならないのだ。それは博士の望むところではない。

ちゃんとしたパイロットを揃えて、完全な性能を出してやりたい。
しかし、戦場に送ることはしたくない。

複雑な気持ちを抱えながら、博士は出立の身支度を始めた。


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以上です

今回はゲッター側が出ずっぱり……まったくクロスとしてどうなんだと思うのですが、
もうちょっとお付き合いください
213 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/11(月) 00:38:50.62 ID:5LIjLNyl
乙、久しぶりです。
まあ、引っ張るのありと思いますよ。
214 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/11(月) 22:35:44.97 ID:bUdiC/j2
乙、
そういやあまたチャンピオンでゴウ先生がVS物書くらしい
ダンテVSゲッター
ガセかもしれんけどな
216 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/12(火) 21:00:07.65 ID:OvCRAx/6
されど罪人は竜と踊るの禍つ式と御城主やドグラって似てるな
され竜の世界になら石川キャラが混じっていても違和感が無いかも
217 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/12(火) 21:06:54.41 ID:pI66cAiH
ドグラは本体は穴で出てくる化物は別次元の別物っぽいからね。
きっといろんな世界の化物も入ってるんじゃね?
220 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/12(火) 22:12:01.39 ID:pI66cAiH
虚無戦記は星間、銀河間規模とかじゃなくて宇宙間のスケールだから
他のと比較しちゃダメだよ。

222 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/12(火) 22:33:43.27 ID:pI66cAiH
虚無戦記は章ごとならばともかく、全体だと釣り合う作品が限られるからな。

名前だけならばギャラクシーエンジェルとか天使と仏。
ゲーム版ならばシリアスだけど……天使既にいるしな。
223 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/12(火) 23:19:33.46 ID:8EhIjFwp
とりあえず覚醒→何かを(敵とか)悟る→うおお!って流れに憧れる。美しい流れだと思う
224 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/13(水) 09:10:50.22 ID:lxGlTcvo
ども、エヴァクロスの者です。
ゲット・ダイバー、やっとこさ完結したので最終話を保管庫にupしました
ので、よかったら読んでやってください。

http://wikiwiki.jp/gettercross/?%A5%B2%A5%C3%A5%C8%A1%A6%A5%C0%A5%A4%A5%D0%A1%BC%A1%A112

なお、キューティーハニーの扱いについて、ファンの人が不快に思うかもしれないので弁明を…。

・あの娘は石川賢版のキューティーハニーが、
もしもゲッター&虚無戦記サーガに組み込まれたらどうなるかな〜
という妄想から描いたものなので、永井豪作品のハニーとはもちろん、その他派生作品とも全く無関係の存在。

だと考えて、許してもらえると…助かります。
でも、懲りずに次はパトレイバーとのクロスでもやってみようかな、とか。
225 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/13(水) 09:17:27.80 ID:9t6AeQB+
でたな でたなゲット・ダイバー!

乙でした、ところで構想としてはどのパトレイバーで考えているんですか?
226 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/13(水) 09:41:43.84 ID:lxGlTcvo
>>225
おお、リアルタイムリアルタイム。
ではせっかくなので…。

今の所はチェンゲ竜馬×漫画版パト で考えています。

このうえで、特車二課の立地を現代的に解釈し直すか、
(現在の人にゃお台場が閑散とした場所、なんて感覚解らないだろうし)
それとも素直に、80年代後半〜90年代初頭の時代劇で突っ切るか……
パトが非常にリアルさのある作品な分、ちと悩んでます。
230 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/13(水) 23:54:26.92 ID:WV32tMXX
>>226
竜馬はレイバーにのらなくても生身で制圧できそうだな。
……どちらかというと追われる側か。
227 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/13(水) 17:20:13.21 ID:jPFpIhf/
そこはご随意に
パト好きだからあんまりインフレして欲しくないなぁ。どんな感じになるんだろう
すり合わせなのか、異世界ものなのか
228 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/13(水) 17:30:24.11 ID:9t6AeQB+
シャフトがゲッターの技術をグリフォンにブチ込むために暗躍するとか、ゲッター線浴びて凶悪になった廃棄物13号とかそんなんしか思い浮かばない
231 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/14(木) 00:06:27.21 ID:A6tv5Ftr
たまにクロス作品に毒されるのがあってもいいともう。ギャグに侵される切れきれ竜馬とかいいじゃないか!ギャップ的にも
チェンゲの竜馬さんは割りと学にも明るい常識人だからどうなるんだろうか・・・
232 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/14(木) 00:21:58.05 ID:dMi9RuTj
>>231
あずまんがクロスのゲッター連中はあずまんがサイドの連中に押されまくってる気がする
233 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/14(木) 08:21:03.15 ID:yaCBr7AZ
隼人が神経性胃炎を発症するくらい振り回す事のできるキャラはいないものか?
240 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/14(木) 23:05:31.38 ID:0C62+n0h
>>233
「トリガーマン」で、隼人をキースの立場に置けば、あるいは……。
234 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/14(木) 09:23:03.44 ID:HpzHjypk
僕と契約して魔法中年になってよ!
236 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/14(木) 19:36:57.91 ID:Am+x3654
>>234
…契約に応じるかな?
235 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/14(木) 12:56:00.49 ID:Anac9OsF
「チェェェンジ・マジカル☆えんぺらー!スイッチオォン!」
「ウォォこのエネルギーはエントロピーを凌駕するほどの……」
237 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/14(木) 19:44:16.84 ID:K0MOO53U
ゾンビ化を知っても「よくもこんな素晴らしい体にしてくれたのう!最高じゃあ!これでワシは地上最強の魔法少女じゃあ!」ってなるんじゃねえの?
238 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/14(木) 20:04:27.32 ID:Anac9OsF
慎一や虎みたく「殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる」状態になるかもしれん
239 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/14(木) 21:36:07.92 ID:tSli7mwW
彼らの場合、家族が殺されたことが憎くて、
復讐に最適なそんな体になったことはうれしいんじゃね?
241 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/14(木) 23:56:07.49 ID:tSli7mwW
やらない夫のメタルサーガというAAのSS?で
チェンゲ版竜馬が出ているけど、役が常識人で知恵袋だった。
竜馬のキャラ改変されているんでなくて、他がひどいレベルだったからだけど。
たしかに、チェンゲ版のは頭がいいけどこんな役やると結構新鮮に感じる。
243 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/16(土) 01:28:55.60 ID:L93zahoH
>>241
思うんだけど新の竜馬が極端に馬鹿なだけで他のシリーズの竜馬は
普通に常識人な気がする。
244 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/16(土) 02:13:36.63 ID:H3OURxKx
>>243
まあ、新の竜馬が馬鹿と言われる台詞で
「京都=寺がたくさん」
ってのは知的ではないにしても多くの人間が抱えているイメージだし。
まあ他は擁護しようのないものはあるけどね。
245 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/16(土) 14:48:17.70 ID:kphKZtSY
尊野蛮!
267 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/17(日) 23:03:58.69 ID:EI/yiogw
>>245
蛮勇引力とのクロスも面白そうだな
ゲッターが多重防護服になりそうだけど
268 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/17(日) 23:09:44.17 ID:f58sEqjs
>>267
新の竜馬なら浪人者だしふさわしいんではないかと
246 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/16(土) 16:09:43.11 ID:K5JE3Hhl
逆に現れた場所が寺が一杯な以外に京都だって判断する方法がわかんねぇw
250 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/17(日) 15:17:44.28 ID:0IuzVZON
敵が月に数回襲撃かけているような世の中じゃそんな暇ねえしな
251 : 忍法帖【Lv=35,xxxPT】 2011/07/17(日) 18:28:16.32 ID:ElIThYgQ
慰安旅行ネタなら、熱海のくろがね屋に行くゲッターチームの話、
なんてダイナミック同士のクロスをやっても面白いかもね。

という訳でエヴァクロスの者です。パトレイバークロス、始めました。
忍法帖レベル上げも一段落したので、
実験的に、スレへの直貼りへ戻してみたいと思います。



プロローグ

「ふふふふ……君たちは取り返しのつかないことをしたのだ」
「その報いは、自らのものとするがよい」

 蒼く輝く地球を眼下に、二対の怪人が跳んだ。
 生命など存在できないはずの宇宙空間を、海にでも漂うかのごとく仰向けになり、引力にひ
かれ落下していく。
 その視線の先にあるものは……。

『さらばだ、もう逢うこともなかろう! 真・ゲッターロボ!!』

 国連はいま、史上最大級の緊急事態を発令した。
 世界へ向け反乱を起こした早乙女研究所の最終兵器、ゲッターロボの化物「真ドラゴン」の
前に、他のいかなる兵器は通用せず、恐慌に陥った首脳部がなりふり構わぬ暴挙に出たのだ。
 それが重陽子ミサイルによる、真ドラゴン破壊命令だった。

 ミサイルの威力は破滅的である。核兵器などは比べものにもならず、もし着弾すれば、地上
の文明はすべて灰燼に帰してしまうであろう。
 愚かな選択だった。地上を滅ぼしてしまうからではない。むしろ地上の文明を引き替えに真
ドラゴンを倒せるのなら、安い代償とすら言える。

 だが、重陽子ミサイルを用いたところで、真ドラゴンを滅することなど不可能である。なぜ
なら、ゲッターロボの動力であるゲッター線エネルギーは無限なのだ。
 どれほど強力であっても、有限の破壊力では通用しない。一時的に動きを止めることが出来
たとしても、すぐにまた再生してしまうだろう。
253 : 忍法帖【Lv=36,xxxPT】 2011/07/17(日) 18:31:21.72 ID:ElIThYgQ
 このままでは、無意味に破滅が訪れる。黙ってみている訳にはいかない。
 真ゲッターロボは宇宙へ飛ぶ。
 地上に待ち受ける真ドラゴンを破壊せんと、いままさに墜落していく重陽子ミサイルを止め
るべく、速度に特化した形態「真ゲッター2」への超高速チェンジをぶちかます。
 あのミサイルを止めなければ、真ゲッター2が間に合わなければ、地上は死の荒野と化して
しまう!
 間に合ってくれ!!

「うおおおおォォォオッ!!」

 真ゲッターロボを駆る、男達の絶叫が地球全土にこだました。
 だが。
 あと少し、寸でのところで、真ゲッター2は間に合わず……重陽子ミサイルは、真ドラゴン
ごと惑星の地表を削り取って、美しくも凄惨な輝きを、宇宙に瞬かせるのだった。


・・・


 一九九八年、二月某日。
 東京都――練馬区某公団住宅、某室。
 この日、警視庁警備部、特科車両二課所属の後藤喜一警部補は非番であった。
 彼は珍しく何の波風も立たない時間を、自宅でぼうっとするに決め込んでいた。なにせ寒い
。外では、またしても雪がちらついているのだ。
 犬なら喜んではしゃぎまわるだろう。まあ、自分も当たる棒を探して歩き回る犬みたいなも
のだが……たまには身体を休息させたかった。
 四〇がらみの今となっては、若い頃ほどの無茶が効かなくなってきているのだ、いざという
時に過労で動けないというのでは、話にならない。
 マイルドセブンの箱に手を伸ばし、おもむろに咥えると一〇〇円ライターで火をつける。
 吸い込む、軽めの煙が気分をリラックスさせてくれた。

 リビング兼寝室の和室で、安物の折りたたみテーブルに突っ伏し、座布団に置かれた地蔵と
化しつつテレビの走査線を眺める。
 そろそろ、このポンコツも寿命だろう。
 独り住まいの2DKは殺風景なものだが、いかなる場所においても喫煙の咎められることが無
いのは素晴しい。ダイニングで吸おうが、物置兼洋室で吸おうが、ベランダに出て吸おうが自
由だ。
 反対に、シャバではどうもタバコに対して風辺りが強くなってきている。事実、F1やWGPの
ような、タバコの広告が印象的な世界的ロードレースの場においても、その量はだんだんと少
なく、わびしくなってきているではないか。
 俺の若かった八〇年代では、あんな華やかだったのに。

(こりゃあ……あれだな。一〇年後には害悪扱いかもしれんなぁ)
254 : 忍法帖【Lv=37,xxxPT】 2011/07/17(日) 18:34:59.76 ID:ElIThYgQ
 テレビでは閉幕したばかりの長野オリンピックの感想が飛び交い、その合間合間に送電線が
倒壊したとか、東京と埼玉の暴走族が仲良く喧嘩しただとか、猪木が引退しただとか、今日の
ワンちゃんは棒にも当たらず可愛いだとかの話題が取り上げられ、まあ日本は平和を満喫して
いた。
 もっともいまは合衆国付属の州だから、真の意味での平和ではないが……台頭する周辺国家
を見ていると、今のところはあちらさんと仲良くしていた方が、得策だろう。

 そうだ、今日はチョイ悪親父でも気取って、朝からビールを嗜んでみようか。350ミリリットル缶の
一、二本なら酔いはしない。
 仮に緊急出動がかかっても、なんとかなるだろう。
 公団住宅を出て数秒も歩けば、目の前にコンビニがある。そこでは、タバコも酒も、ちょっ
としたツマミやそこそこ旨い弁当類も、靴下やシャツやら、洗剤だの文房具だの、まあ生活に
必要な品々はみんな置いてあって、今みたいな季節だとおでんさえも煮込んでいる。

 いやいや、コンビニも進化したものだ。
 俺の若かった八〇年代では、弁当は食えたもんじゃない味で、サービスも役立たず、店に入
れば臭いわなんだで、よほどの緊急か任務の時でもなければ利用することはなかったというのに。

 後藤は真に暇な時特有のつらつら流れる思い出と、現在とを照らし合わせて「昔の方がよか
った、なんていうのは老人のたわごとだよなぁ」と改めて確認しつつ、リビングテーブルに伏
した上半身と、椅子に沈んだ腰をフワリ上げようとする。
 まさに、その時だった。

 ぼんっ、と鈍い音が閃光と共に響いた。
 最初は見ているテレビが爆発したのかと思った。
 しかし、違った。
 後藤の目の前に、淡い緑色の光が集まり膨れあがっていく。
 無意識に、灰皿へタバコが押し込まれた。 
「な、なんだぁ……!?」
 膨れあがる光はいよいよ大きくなっていき、後藤を呑み込んでしまうかと言うほどに溢れて
いく。唖然とする後藤。やがて、光の中にぼんやりと人影が現れた。
「なんだっていうんだ」
 つぶやく後藤に反応するかのごとく、人影が動いた。瞬間、後藤の身がさっと後ろへ引き、
思考より早く構えの態勢になる。

「うぅ」

 人影が、呻いた。
 本物の人間なのか。
 ごくり、と後藤の喉が鳴る。生まれてこの方、四〇余年。その中には、何度か人ならざる者
の仕業にしか思えない現象に立ち会った経験もあるが、それだってこんなにあからさまな、ま
るでマジックかイリュージョンかのようなのは初めてだ。
 だが、それは現実に起こっている。夢を見ている訳ではないのも、はっきりしている。
 黙っていても始まるまい。
 後藤は、勇気と共に一の句を吐き出した。
255 : 忍法帖【Lv=38,xxxPT】 2011/07/17(日) 18:38:10.86 ID:ElIThYgQ
「……どちらさま?」
「ここは……どこだ」

 質問に、質問が返ってきた。そいつはルール違反だな、と後藤は一瞬思ったが、すぐにその
無駄な思考を打ち消す。
 光が収まったのだ。
 人影の、はっきりとした輪郭が明らかになっていく。
 大柄な若い男だった。
 身長が一八〇以上あるように見え、ガタイもいい。が、太ってはおらず、引き締まった感じ
だ。レイバーに何とか搭乗できる、ギリギリの体格であろう。
 年齢は二〇代の後半といったところだろうか。
 顔つきは濃い目ではあるが、精悍で、十分以上の美男子といえた。ただし、まるで野獣のご
とき雰囲気が隠れもせず溢れているので、あれを好む女は限られたタイプになるはずだ。

 しかし、服装がひどい。
 ボロっボロになったトレンチコートに、黒ずんで下地の赤とマーブルになってしまったマフ
ラー、布きれにしか見えないシャツと、擦り切れて破れる寸前のジーンズ。頭には、ボサボサ
に伸びきった髪を乗せており、コートから覗く拳にはミイラのごとく包帯が巻かれている。怪
我をしている訳でもなさそうなのに。
 と、見かけはまるで浮浪者のようだが、臭気を漂わせているでもなし、なによりその釣り上
がった両眼の奥には、猛禽類を彷彿とさせる精気が溢れていた。世捨て人の眼ではない。

 ――こりゃ、只者じゃないなあ。

 もっとも、光と共に現れるなどという、どこぞのM78星雲からやって来た男の様な奴が只者
であるわけはないのだが、後藤が感じたのはそういう事ではなく、仮に「こいつ」を街中で見
かけたとしても、同じ感覚を持ったであろうな、という事であった。
 男は周囲をぐるりと見回す。
 なにやら合点がいかないようだった。後藤はもう一度、その口が開くのを待った。

「……おい、そこの親父。ここはどこなんだ」
「どこって、俺のマンションだよ。あ、いや、俺が借りているマンション、かな。ついでにい
うと東京都の練馬区だ」
「東京だと? 避難命令が出ているのに、あんたどうして……いや、そんなことよりも真ドラ
ゴンはどうなった! ミサイルは!?」
(なんのこっちゃ)

 真ドラゴンってなんだ。
 政治犯か組織か何かのコードネームか、それとも新型レイバーの名か? だが、今日はそん
な奴らや、レイバーが暴走しているという情報は入っていない。
 入っていれば、特車二課第一小隊の南雲隊長と共に、現場へ駆り出されているだろう。これ
から与る予定の第二小隊が隊長の研修も兼ねて。
 そしてミサイルとやらだが、ここしばらく自衛隊や、米国やらソ連やらが誤射したり発射し
たり、配備数を増したというニュースも聞いていない。
257 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/17(日) 18:41:24.03 ID:ElIThYgQ
 自慢するつもりなど毛頭ないが、後藤には警察をはじめ関東一円に勢力を持つヤクザ達や、
霞ヶ関の連中とか、防衛庁の一部にコネクションがあり、日本に起きるアクシデントについて
は耳聡いつもりだった。
 その俺が知らない事が「どうなっている」とは、どういう訳だろう。

 まあ十中八九「俺の知らない世界」での出来事なのだろうが……。
 後藤はしばらく、スタートレックの登場人物にでも成り切る覚悟を固めていた。

「知らないよ。避難命令は出ちゃいないし、真ドラゴンだのミサイルだのが、どうにかなった
なんてのも初耳なんだがね」
「なんだと……」
「なんだと……って言われてもなぁ。ほれ、ご覧の通り世の中は平和だ」
 後藤は、竜馬の背後にあった使い古しのテレビへあごをしゃくる。その中では、代議士の脱
税疑惑が報道されていた。
「俺も、これからちょっと買い物にでも行ってこようか、と思っていたところでね。そこへお
客さんがご到着されたってワケだ」
「……馬鹿な……では、ここは異世界だというのか……いや、それにしては文明レベルに大き
な差違はみられない。パラレルワールド……?」
「お兄さん。思考中に悪いんだけどさ、ご用件はなにかね」
「……用件なんてねぇよ、邪魔しちまって悪かったな。いますぐ消えるから、今日のことは忘
れてくれ」

 ゆらり、と竜馬が動いた。
 後藤はその仕草に敵意だとか、悪意のようなものを感じなかった。純粋に出て行こうという
のだろう。
 ふっと構えを解いた。ここで自分が民間人だったなら、去っていくその背でも見続けていた
かもしれない。
 だが。
 ここで、こいつを取り逃がしてはならない。なぜだかの理由は説明できないが、後藤の警察
官としての勘が、そう告げているのだ。しかしこの男は、こちらが待てといって待つようなタ
マにも見えない。
 さて、どうしようか。
 思考をぱっと一巡させたのち、後藤はカマを掛けることにした。まずはあちらの気を惹きつ
けつつ、正体を探って見ねばなるまい。

「あ、ちょっと」
「なんだ」
「言っとくけどさ、ワープ装置だとかタイムマシンだとかのすごい機械は、無いからね。この
世界」
「……」
「嘘だと思うなら、東大にでも行ってみりゃいい。ここは、俺も嫌になっちゃうぐらい地味〜
なところでね、他のみんなもイヤイヤながら、お仕事して生きているんだ」
「……」
258 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/17(日) 18:44:39.84 ID:ElIThYgQ
「だからさ、闇雲に動いても元の世界には帰れないと思うよ。まずは生きる手段、つまりは衣
食住を確保した方が良いんじゃないかね?」
「……なるほどな」
「あ、信じた?」
「どこから来たかも解らねえ相手に、ペラペラ喋る野郎だと思ったんだよ」
「ありゃま」

 カマを掛けていることがバレてしまった。どうやらこのでかい男、見た目よりも遙かに頭の
良い人間らしい。なかなかどうして、手こずらせてくれそうじゃないか。

「仕方がない、じゃあまずは正体明かしといこうか」

 と言って、後藤は部屋の隅に放り投げてあったカバンへ寄ると、中をごそごそとやって小さ
な手帳を取り出した。それは本物の警察官ならば、必ず所持していなければならないはずのも
のである。
 水戸黄門の印籠がごとく手にもち、ずい、と相手に見せた。

「これ何に見える?」
「警察手帳……か」
「そういうこと」
「とても、そうは見えねえがな」
「よく言われるよ」
 なはは、と笑う後藤。
「公安のデカか?」
「……昔、そうだったんだけどね。今は警備部の窓際に左遷されちゃって」

 いっそ公安員で押し通そうかと思ったが、やめた。どうも、このでかい男に半端な嘘をつい
ても、あっという間に見透かされそうだったからだ。
 事実、いきなり自分の過去を当ててきたではないか。
(……見る人間が見りゃあ、俺はいまだにトレンチコート臭いってことか。頭、痒いね)

「で、そのサツが何の用だ。この不審者に任意同行でも求めるつもりかよ」
「とりあえず住居侵入罪の現行犯でお縄、っていう手もあるんだよね」
「面白ぇ。やってみるか?」
「うん。止めとくわ」

 警察手帳がカバンに放り込まれた。あれが再び陽の目を見るには、また長い時間がかかりそ
うだな、と後藤はなにげなく思う。
 代わりに折りたたみ式の安物テーブルに置いてあった、マイルドセブンの箱を取り上げる。
あと二本しか残っていなかった。そうだ、こいつも買い置いておかないと。

「格闘でかないそうもないし、そうでなくても、無造作に銃をぶら下げている奴を相手にちょ
っかいを出そうとは思えんよ」
259 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/17(日) 18:47:44.37 ID:ElIThYgQ
 後藤は本日二本目のタバコを咥えて、火を点けると男の腰へ指をさす。そこにはベルト代わ
りなのか、ごついチェーンが(ファッション用のそれではなく、明らかに工業用である)巻か
れて、銃が突っ込んであるのだ。
 後藤でなくとも、対峙しようという気にはなるまい。

「俺は警察官ではあるけれど、銃は持たない、持っている相手には逆らわないって主義でね……
タバコは?」

 ひとつ咥え、くい、と残りの一本を箱ごと差し出す。

「いや、いい」
「おたくも嫌煙かね。最近増えたよなァ、肩身せまいなァ」
「……俺はピース派なんだよ」
「お、そりゃ濃いねぇ」

 顔と同じぐらい……という冗談を舌の先っぽまで出かからせて、引っ込めた。いま、無意味
にこの男を刺激したくない。
 とにもかくにも、まずは逃がさないことだ。
 この男は間違いなく危険人物だ。初っぱなの印象も、すこしばかり話してみたいまの印象で
も、それは変わらない。こんなのを首輪もなしに街中へ放つわけにいくものか。
 腐っても平和を守るのが警察の仕事である。
 そして俺は、腐ってはいるが警察官だ。
 そのためには、多少の自腹を切ることも辞さないでいこうではないか。

「ところであんた、腹は減ってないかね。ここはおごるよ? 俺ン所へ現れたのも何かの縁な
のだろうからね。袖触れ合うも……っていうじゃない」
「ずいぶん気前の良い話じゃねえか。それも警察官の仕事ってか」
「要約すると、そういうコトになるかな」
「けっ、飄々としやがって。まあいい、それならおごられてやろうじゃねえか」

 おお、食いついてきた。
 世界は広く、人種がいくら異なれども、食への欲求だけは共通不変のものだなぁ、と後藤は
のんきな思考をめぐらせる。
 さて、それじゃあどこへ行こうか。
 自腹を切ってもいいと決意はしたものの、給料日前なので散財するのはちょっと心許ない。
なんとなくだが、これからお金が必要になりそうな気もするし。
 ここは、そうだなぁ。

「ラーメンでもいいかね?」
「何でも構やしねえよ」
「よしきた。行きつけの良い店があるんだわ……っと、そのまえにお兄さん」
「なんだよ」
「とりあえず、着替えてくれんかね。その服装じゃ入店拒否されちまう。あと銃。取ったりし
ないからここへ置いていってくんない?」
260 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/17(日) 18:50:19.20 ID:ElIThYgQ
「着替えはともかく、銃を置いていけだと」
「だってほら、ここ日本だからさ」
「日本だからどうだって言うんだ」
「……ああ、なるほど」

 どうやら、これは夢ではなく本格的にSFの世界が展開されはじめたらしい。この男が知って
いるニッポンと、俺が知っている日本国は、まったく違う国といって良いのだろう。

「つまり、あんたの居た世界の日本では、銃は携帯していても良いわけだ。ところがね、この
日本じゃあヤクザと警官以外には禁止されているのさ。一般人がそんなもんを持って、街中を
ぶらついてご覧よ。あっという間に逮捕されちまうぞ。嘘だと思うなら……」
「解った、解った! 置いていけばいいんだろ、置いてきゃ」
「いやぁ物わかりがよくって助かるよ」

 後藤は半分ほどに減ったタバコを、灰皿へ押しつけてニヤついた。

「そういや、自己紹介がまだだったな。俺は後藤喜一。話しての通り警察官をやってる。階級は
警部補ってところなんだけど、それでお兄さんの名前は?」
「流竜馬だ」
「ナガレリョウマか……まあ勇ましい名前だこと。あれかね、やはり坂本龍馬にちなんでの命
名なのかね」
「知るか。御託はいいから着替えをよこせ」
「はいはい。っといっても、なんせこの中年親父の持ち物だから、若い人に似合うのがほとん
ど無くてね……ちょっと待っててくれ」
「服なんざ着られりゃあいい、早くしてくれ」
「そういう訳にはいかんさ。TPOってもんがある」

 言って、後藤は2DKの物置兼洋室になっている部屋へ移動すると、クローゼットに首をつっ
こんであれやこれやと放り出し始めた。
 なんせあれだけ身長のある相手だ。丈に合う服を探すだけでも一苦労である。
 それが、あれやこれやと一〇分ぐらい続いて、その最中に竜馬の「まだか」が丁度一分刻み
のタイマーと化し、一一回目のコールが鳴ろうとした辺りで、やっとまともそうなおべべが見
つかった。
 無地のワイシャツに、暗黒色のシングル・スーツに、スラックス。
 いろいろ訳あって、自分のサイズよりかなりオーバーしたものを以前、購入したものだ。竜
馬でも余裕をもって着られるだろう。まるでビジネスマンの服装だが。

「それと、防寒着……まあ、これでいいか」

 つづいて、パーカーを取り出す。
 オリーブドラブ色、いわゆるミリタリー系グリーン色に染まった、ヒューストンのM-51パー
カーコート。これも故あって入手したものであり、後藤自身が着用することはほとんど無い。
 元々は軍用品だったものなので、無骨なデザインだ。竜馬が羽織っているコートの代替品と
してもちょうどよかろう。
261 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/17(日) 18:55:43.28 ID:ElIThYgQ
 これで着替え一式が見繕えた。
 全部、防虫剤臭いのがちょっと引っかかるが、くれてやった竜馬はそんなことはまったく気
にもしていないようだった。
 むしろ、ワイシャツだのスーツだのが動きにくいことに不満を漏らす。
 とはいえ竜馬が着替えている最中の、これでもかというほど筋骨隆々とした肉体を見ると、
そういう文句が出てくるのは仕方なく思えてくる。
 まあ、とにかく強そうだ。格闘なんぞに及ばなくて良かった。と、後藤は芯の底からそう思
った。

「俺がスーツなんざ着るハメになるたぁな。あのクソ野郎の顔がちらついていけねえ」
「おや、スーツを着た人間に因縁でもあるのかね」
「なんでもねえよ。こっちの事だ」
「詮索する気はないよ」

 今のところは、と心で付け加えると後藤は「じゃ、着替え終わったところで行こうか」と竜
馬を連れて自室を後にするのだった。


つづく



……まあなんとか直貼りで行ける、かな?

なお、本SSの原作は漫画版パトレイバーとチェンゲとなっていますが、
物語進行上の都合、いくつか他媒体からの設定流入や、一部オリジナル設定が入る予定です。
例によってゆっくりやっていくので、気長にお付き合いいただければ幸いです。
262 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/17(日) 19:44:53.78 ID:f58sEqjs
来たな…投下だ
乙でした、元々そういう人物とは言えいやに物わかりがいいな後藤さん
263 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/17(日) 21:32:56.64 ID:lZr1D+7q
正統派のクロスオーバーだ。乙です。渋い始まり方だ!
うまくこの世界に馴染めるといいなぁ。いいクロスオーバーは違和感がない


この先の未来、いつかは元の世界に戻って永遠の戦いに赴くことになるだろうから今くらいは安らかであって欲しいね、竜馬ちゃん
264 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/17(日) 22:33:32.05 ID:X61Q9XGs
ゲッターに取り込まれた人類って、最終的には宇宙征服当たり前と思うような選民思想の塊になるんだよな……。
大量虐殺しても平然としているような(アーク)。
あそこだけ見るとゲッターがどう見ても悪役にしか見えんw
269 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/17(日) 23:36:51.11 ID:m7rCfAo8
>>264
でもあの世界の宇宙人も「出会った異星人は皆殺し」みたいな
思想の奴らが結構いるみたいだから(孔明もゲッターを倒して宇宙を手中におさめるとか言ってたし)、
宇宙じゃ共存よりも侵略が当たり前なのかも
273 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/18(月) 01:55:02.99 ID:Ou//yGda
>>269
???「侵略と聞いて泳いできたでゲソ」
275 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/18(月) 06:24:04.52 ID:GAuSe1KU
>>264
ありゃ、昆虫人類の星だからな。
昆虫人類自体が宇宙に進出した人類を問答無用で攻撃して、
滅亡寸前にまで追い込んだ連中だし。
そら、許せないんじゃね?

もし、全然無関係な異星人を虐殺してる描写でもあれば、
問題だったろうけど。
もはやそんなシーンが描かれることは56億7千万年後
まであり得ないし。
276 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/18(月) 10:27:10.30 ID:PS9FdS6h
>>273
ゲッターの整備させるには便利そうだ
277 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/18(月) 11:54:33.82 ID:ljrzD7IW
>>269
"何は無くとも肉体言語は通じる"ということでしょうね。

279 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/18(月) 13:58:12.17 ID:A5XXnlNO
>>277
「死ね」の一言しかない肉体言語な世界は嫌だな。
266 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/17(日) 22:55:20.98 ID:zCHqLw8b

確かこの時の竜馬ってロケランとショットガンももってたよな
271 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/18(月) 00:25:08.55 ID:Afx+OwAk
そのあたりがいくらなんでも……だから後発OVAの川越系とかは、ゲッターを乗り越える+ゲッターに勝つ、とかの要素を入れたのかな。
272 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/18(月) 00:37:54.01 ID:fRybAGTv
つまりそんな虐殺とかをしなくても人類は自分達の力で真理に辿り着いて、進化を続けていけると示せたのがサルファやチェンゲな訳だ。
274 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/18(月) 04:48:46.34 ID:FkS0RGea
アークが続いていれば、もっとゲッター線について語られることもあっただろうな・・・
280 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/18(月) 23:13:34.42 ID:w6KddiQt
TVアニメ版の綺麗なゲッター以外そんなもんじゃないか、弱い奴らに容赦なしw
282 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/18(月) 23:22:54.16 ID:fRybAGTv
案外アニメ版はアニメ版でえげつないからな(笑)

死んだ妹そっくりな少女を溺愛するリョウとか、ウランスパークとか早乙女ミユキやクレイジービームとかwww
283 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/18(月) 23:55:17.83 ID:GT/eOyn6
TV版はTV版でアレだからなぁ、バイオレンスだし敵に容赦無いけど
漫画版の方がさわやかな気がする
284 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/18(月) 23:58:41.60 ID:PS9FdS6h
テレビ版はちょっと仲間に冷たいからな、そこが若者らしいんだけど
285 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/19(火) 00:56:16.65 ID:GeheVcwK
号虎の終盤で竜馬が見たゲッターの真理って何だったんだろう?
あんなにゲッターを使うことを否定していたのに、未来じゃ「任せろ月ごと吹っ飛ばしてやる!」
ってノリノリで侵略活動しているんだから、何を見てそうなったのかすごい気になる
287 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/19(火) 01:43:33.77 ID:A0k0VKdi
生死の心理じゃね?
マジで悟りを開かないと感じることもできそうもないけど
289 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/19(火) 15:42:38.55 ID:AlSKfHJe
アニメ版ゲッターチームが綺麗とかいうやつがいるがそれはおそらくアニメ版ではなくスパロボ版のゲッターチームだろう
293 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/19(火) 20:52:10.57 ID:IOB4qVUD
カミーユはキレてなきゃあんなんだと思うがw

スパロボと言えば二次Zのチェンゲ竜馬が普通に気のいいあんちゃんになっててたまげたなぁ
隼人にはめられてなきゃああなってたんだろうか
294 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/19(火) 21:41:10.49 ID:Yl53p9p7
>>293
精神コマンドの「信頼」にどんな顔をすればいいのかわからん。
笑えばいいのか?
295 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/19(火) 21:45:32.15 ID:3ThAxQ2K
今は持ち上げてる最中で、後編で「お前なんで人質殺したんだバーヤバーヤ!」と落とすつもりなのでは?と勘ぐってしまう

いやあ不殺は強敵でしたね
297 :ライフの作者です2011/07/19(火) 22:19:46.92 ID:SgH/yAg2
久々に続きができたので貼ります。


今回は……面白くないですが、色々なフラグが発生しています。
299 :ライフ 第34話2011/07/19(火) 22:23:29.05 ID:SgH/yAg2
――街の駅、入り口付近で未来が笑顔で手を振っている。
歩はそれに気付き、走っていく。

彼女はリュックサックであんまり荷物はなさそうだった。まあ、一泊2日だけなのだからそんなにいらないが。

二人が改札へ行こうとしている同時刻、改札口にて、

「イワちゃんは?」

「えっ……来てないの?」

愛海たちもそこにいた。エミとチカはムスッとしている愛海を説得し、電話をかけようと必死である。

――そんな中、歩達も三人の存在を知らずに近づいていく、しかしこのままでは確実にご対面してしまう。

その時だった。

「アユム!!」

突然、未来が歩を引き止めて、ある場所へ引っ張っていく。そこは……。

「弁当、買おうよ♪」

「……」

売店でこんなに食べるのかと思うくらい沢山、買い込む彼女を歩は完全に呆れている。

「ミキ買いすぎっ!!」

「だっておかしも食べたいじゃん」

……弁当のほかに、おかしやらお饅頭やら袋詰めで買い込んだ未来。その中にはお土産も混じっていると思うが。

二人は人目を気にせず、プラットホームへの階段を走るようにかけ上がっていく。
そりゃあそうだ、あと発車まで数分くらいしかなかったからだ。
しかし、買い込んだ物が明らかに走る彼女らを邪魔していた。
「あぁ!!」

未来は階段の途中で荷物をボトボト落としてしまう。
急いで拾おうとするが荷物が邪魔すぎて手間取っている。

「ああっ……やっちゃった」

そう言いながら、必死で拾っていると、

「落としましたよ」

顔をあげると一人の男性が笑顔で落とした物を差し出していた。
その男性は二人と同年代くらいの若者で短髪、金原の爽やか系の若者だった。

「あっ、ありがとうございます」

「いえいえ、こんなに買ってスゴいですね」

恥ずかしいのか、あの未来が顔を赤くしている。
こんなに若いのに不思議と紳士的だ。
303 :ライフ 第34話?2011/07/19(火) 22:29:57.56 ID:SgH/yAg2
完全に怒り狂った愛海は、自分たちが行く先とは別方向の電車に乗り込み、ズカズカと長い車両を歩いていく。
しかも、彼女の行く先にある席には……。


「マナ、違う電車だよ!!乗るの!?」

「さっさとここから離れたいの」

先にある左側の空席を見つけてすぐに向かう彼女だが、右側の席ではあの二人、歩と未来が美味しそうに買った弁当を食べている。


「空いてるじゃん、あそこ」

……緊迫の雰囲気になりそうな予感。しかし、互いの存在は全く知らない。一体どうなるのか……。

と思いきや、


「良かった、空いてたぁ♪」

偶然、先にその席を見つけた客に座り込まれ、彼女は歯ぎしりを立てた。

「あったよ席!!」

エミに促されて、愛海は前の車両に戻った――。

発車し、歩の見る外の景色は街から郊外となり、山や森などの自然でいっぱいとなった。


「ミキはどれくらいぶりなの?」

「……小学校のころはそこにいたんだ?お父さんとお母さんが離婚して……わたしはおじいちゃん家に預けられたの。

……だから故郷みたいなモンかな?」

「…………」

話をしている内に、次の駅に到着したもつかぬ間、愛海はともかくエミたちは焦りに焦っていた。

「この電車じゃダメなの!!このままじゃ、マナパパの別荘に行けないんだってば!」

「ここで乗りかえなきゃマズイの!!」

そんな状況にも関わらず、愛海はビールとつまみを持ちながらゆっくりと席に居すわっていた。

「早く!!もー行き先も見ないでイキナリ電車乗るからぁ!」

彼女を無理やり下車させようと引っ張り、降りさせたのだが、

「やだっ!ちょっと!!」

彼女のスカートが不覚にも、ドアに挟まってしまい……。

《ビリィーーーっ!》

「キャア!」
304 :ライフ 第34話?2011/07/19(火) 22:33:35.16 ID:SgH/yAg2
発車と同時にスカートが破けてしまい、倒れこんだ同時に周りの人に、パンツ丸見えと言うはしたない姿を露呈する結果になった。

“クスクス……”

その恥ずかしさと惨めさで彼女の顔は酷いくらいに歪んでいたのであった。

……電車の中では、歩が彼女の叫び声を聞いて窓をずっと眺めていた。

「……今の声、安西に似てた……」

「いるわけないじゃん!」

冗談だと思い、笑っていた未来も未だに気になり続ける歩に、持っていたペットボトルを軽く頭に当てた。

「忘れなよ。……広瀬も今はあんな状態だけど、きっとなにか話してくれると思うよ。
…たった2日間だけどさぁ、考えなくていいよ。安西のことも学校のことも……」

そして彼女は歩を方を見て、笑顔でこう諭した。

「忘れちゃいなよ!」

そう言われても、歩の顔は何か腑に落ちない表情をしていた。
……………………………………
そして、いくつかの乗りかえをして目的地に到着した二人。

彼女らのいた街とは正反対で本当の田舎だ。オシャレなお店のカフェも何もない。
しかし、空気は遥かにあそこより綺麗だ。

駅員に切符を渡して、そとに出ると、そこには。

「……ミキ?」

甚平を着用した金髪の美青年が彼女たちの前に現れた。
未来はすぐさま彼に抱きつき、再会を分かち合っていた。歩はワケが分からず、ボーッとしていた。が、

「アユム!!」

未来の声で我を取り戻し、前を見ると二人とも歩の方を見ていた。

「直人(なおと)!幼なじみなんだ!」

「……はじめまして……」

「タメだからフツーでいいんだよ!」

そう言い、歩もその直人という青年を見つめる。

ハッキリ言ってイケメンすぎる。いままで見たことのないみたいほどに。

「……」
そんな彼が彼女を笑顔で見つめる。よく見ると未来と直人を並んでみたらこう思えた。

“お似合いだ……”
306 :ライフ 第34話?2011/07/19(火) 22:34:47.37 ID:SgH/yAg2

……そんなわけで、三人は長い畦道を歩いて行く。
見たら田んぼと山、川、それしかなかった。

店は……あるにはあるのだが、そこまでいくのに非常に遠すぎる。
そんな所だ。


未来達は楽しく話をしながら歩いている。多分、今までの思い出についてだろう。

そんな二人を歩はどこか羨ましい目で見つめていた。


……しばらく山道を歩いていると、


「……つちくら……こふん……?」

何やら朽ち果てた看板ともに分岐道があった。

すると未来は振り向いて、彼女にこう説明した。


「この先にいくと土暗古墳(どぐらこふん)ていう古墳があってね。
この辺に人を襲っては食べてしまう怪物がいたんだって。

その怪物がここに閉じ込められているらしいんだけど……まあ古い話なんだけどね」


「……」


土暗……どぐら、ドグラ……おかしな名前だ。
おとぎ話らしいので気にしないだろうが、そんな怪物がいたと思うとぞっとする歩なのであった。

307 :ライフの作者です2011/07/19(火) 22:38:21.92 ID:SgH/yAg2
以上です。

今は全20巻中12巻の途中ですが正直長いです。


ちなみにこの話の他に、今までの書いた34話内に色々とフラグ入れしているので探してみるのもいいかもしれません。
308 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/19(火) 22:40:13.55 ID:Yl53p9p7
石川大戦化が進む。
しかも、世界観がチェンゲの過去の話だし。
もう、スパロボ並みの心配になる世界です。
310 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/20(水) 00:37:11.17 ID:gBEhc++j
アレは普通から見たら相当ヤバいからなぁw

…なんとなく予想ついた
312 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/20(水) 04:02:02.42 ID:2gJ+8VNF
乙、面白かったです。まさかの達人登場、子の世界でもお亡くなりになるのか?
313 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/20(水) 12:49:57.30 ID:ND9dEjc3
これは…こんなに私のドグラが大きくなりましたよ、ホラ!ENDか!?
314 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/20(水) 23:29:06.69 ID:qdAc9BdI
ところで、このドグラを見てくれ
こいつをどう思う?
315 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/20(水) 23:56:13.48 ID:warwwWmU
>>314
棒じゃなくて穴……下ネタでスマン。
316 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/21(木) 02:28:52.09 ID:54uuPWZZ
好きな作品だからか筆が乗る。
>261から、パトクロスのつづきです。そういや。またしてもタイトル考えてないぞ……どうしよ。


 公団住宅を出、商店街。
 特別区とはいっても、都心から幾分か離れた練馬の持つ雰囲気は、どちらかといえば隣接す
る神奈川や埼玉、あるいは西東京のそれに近い。
 並び立つスーパーロボットの様なビルディングが、人間を見下ろすコンクリートジャングル
ではなく、背の低い、家庭的な建物が割と目立つのだ。

 そんな風に連なった未だ昭和の香りを残す店々のある空間にも、いまやレイバーという巨人
が風景になっているから、テクノロジーの進歩には目を見はるものがあろう。
 後藤達がめざす、支那料理店から少し離れた場所でも四脚式作業用レイバー「クラブマン」
が廃店舗の解体作業に勤しんでいる。
 それを見上げて竜馬がつぶやいた。

「なんだあのロボット、面白ぇ形してやがる。ザリガニみてぇだ」
「ああ、ありゃレイバーっていうんだ。固有名じゃなく、総称でね」
「レイバー? ロボットじゃないのか?」

 そう、レイバー。直訳すれば労働者であるが、この場合においてレイバーとはなんぞや?
 それは……

「ハイパーテクノロジーの急速な発達と共に、建設、土木の分野を主としつつも他方面、あら
ゆる分野に進出した多足歩行式大型マニピュレータ。そいつらを総称してレイバーって呼んで
る」
「……もうちょっと、俺の解るように説明しろ」
「簡単に言うと、昔レイバー90っていう乗り込み式の大型作業機械が大ヒットしてね、それ以
降、同じタイプの機械は、みんなひっくるめてレイバーって呼ばれているのさ。ジープみたい
なもんだ」

「じゃ、やっぱりロボットじゃねえか」
「そうなんだけどさ。今ではレイバーって呼んだ方が理解が早いんだ。この世界で生きていく
なら、覚えておいた方がいい用語だよ」

 後藤の説明に、竜馬はつまらなさそうに首をゴクリと鳴らした。

「けっ、ただの言葉遊びじゃねえか。まどろっこしい」
「しょうがないじゃないの。言葉ってのは変化していくんだから。あ、この店この店」

 後藤は古ぼけたのれんをくぐると、竜馬へ手招きする。
 その横に置かれた、チャーシュー麺や五目チャーハンのサンプルを収めたガラスショーケー
スは、ずいぶんと白やけしていた。おそらくは店主と共に、高度成長期に発展していく東京の
姿を見続けてきたのであろう。
 後藤は入店するなり、カウンター向こうに見える厨房へ立つ店主へ「どーもー。あ、ワンタ
ンメンとビール、お願いします」言うなり、入り口側の席へついた。竜馬もそれへ習う。
317 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/21(木) 02:30:06.97 ID:54uuPWZZ
「真っ昼間から酒かよ」
「いいじゃないの、別に。流さんだっけね、あんたは何にする?」
「ん、チャーハン大盛りで頼む」
「はいよ。おやっさん、チャーハン大盛りもお願い……さてさて。それじゃあ、メシが来るま
で少しばかりお話ししましょうか」

 後藤はぞんざいに置かれたコップの水を一口飲むと、カウンターにひじをつき、掌をあごの
下で組んだ。その仕草には、憎めないニヤつきで固定されている顔も手伝って、一切の敵意を
感じさせなかった。
 この男は常時こんな調子だが、おそらくは、いかなる場面においても相手を油断させるため
の演技なのだろう。まあ、ある程度は「地」かもしれないが、特に人から情報を聞き出す時な
どは、効果が高いはずだ。
 竜馬は見抜いていたが、解っていても毒気を抜かれてしまう。
 なるほど、なぜ左遷されたのかは知らないが、公安刑事というのはこいつにとって天職だっ
たろう。機動隊の一員として真面目に市民を護っているよりも、国家と政治の裏側にうごめく
妖怪どもと交渉している方が似合う。

「で……何を話しゃいいんだ。身の上話でもしろってのか」
「そうだねぇ、まずその身の上話でも聞かせてもらいたいね。流さんはどこへ居て、どこから
来たのか……どういう話でも聞くし、信じるよ?
 なんせ、あんたはいきなり俺の目の前へ現れたんだ。そこからして、世の中の常識ってやつ
が通用しない」
「俺だって常識的に考えて、こんな所にいるのが信じられねえんだがな」
「というと?」
「全部説明すんのは面倒だ、かいつまんで話すぜ。俺は、ある世界でゲッターロボという戦闘
ロボットのパイロットとしてインベーダーと戦っていた」
「い、インベーダー? ってあの昔、喫茶店に置かれていたゲーム……なわけないよな」

「インベーダーってのは名前通り、宇宙からやってきた侵略者だ。メカも生物も、もちろん人
間だろうと見境無しに寄生して乗っ取るっていうバケモンよ。月面に現れたが、十年に渡る戦
争で、地球へ侵略される前に根絶やしにできた……はずだった」

「本当にSFの世界だな。でも『はずだった』っていうのは?」
「まあ、聞いてな。その後……ゲッターロボを造った早乙女ってジジイの持つ研究所に、俺は
身を置いていたんだ。だがある時、アクシデントが起き。それは……」

 間。
 しばらく続き、それを打ち破るべく口をひらいたのは後藤だった。

「なんだか口に出すのも忌々しい、って感じだね。あんまりトラウマになっているような話は
聞かせてくれなくてもいいよ。俺は、強制するのは好きじゃない」

「いや……言うさ。当時研究所で行われていた新型ゲッターのテストの際、人手足らずだった
ところにテストパイロットを勤めてくれていた、早乙女の一人娘がな……事故死した。
 ゲッターロボは三人乗りで動かすメカで、俺と、隼人という男と、早乙女の娘で動かしてい
たが、彼女だけが」

「……なるほど」
318 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/21(木) 02:31:03.52 ID:54uuPWZZ
「その時から運命の歯車は狂った。早乙女のジジイは人と会わなくなり……ある嵐の夜、死体
となって現れた! 俺はちょうどその時、その場所へ隼人という男に呼び出されたんだ。
 緊急の用事だとかでな。だが、待っていたのは、血まみれのジジイと俺を殺人犯と思った警察どもよ」

「警察、ね」

「フン。だがな、他の誰も気づいちゃいねえが、俺には解っている。ジジイの死体は本物同様
につくられたクローンで、じつのところ隼人とグルになって、俺に殺しの罪を着せ、三年間も
刑務所にぶち込みやがったってことをな。
 それが証拠に、三年後にジジイは生きて表舞台に戻ってきやがった」

「……なぜ、そんなことをしたんだ? たとえば娘さんの死をあんただけの責任と決めつけ、
恨みでというには、やり方が回りくどすぎる。だいたい、その隼人っていう男も事故のときゲ
ッターへ一緒に乗っていたんだろ」

「そうだ……恨みじゃねえ。どうやら、その時点で早乙女はインベーダーが生き残って、地球
のどこかに潜伏していると気づいていたようなんだ。こいつらは知能があって非常にしつこい
上、逃げ足も早い。一匹でも残せばまた増殖する。
 だから今度こそ完全に息の根を止めるための対抗策を、世間へ情報が漏れないよう、自分が
死んだ、と見せかけて準備していたようだ。そして隼人は、その唯一の協力者だった」

「根絶やしにしたはずだった、ってさっき過去形だったのは、そいういうことか」

「ああ。そして早乙女の対抗策に、俺の遺伝子を使った人造人間が必要だったらしい。知れば
反抗すると思って、俺を身動きのとれない場所に放り込んでおきたかったんだろうよ。
 事実、そんな計画を知らされたら俺は、暴れていただろうしな。そしてここからが本題だ」

「……ようし。お聞かせ願おうじゃないの」

「さっきも言った通り、俺が三年間拘束されたあと、早乙女のジジイは生きて再び表舞台へ出
てきた。それも、量産されたゲッターロボを従えて世界を相手に、喧嘩を売りやがったのさ。
インベーダーがあらゆる物質に寄生する以上、地上のすべてを破壊するって、無茶苦茶な理論
でな」

「世界を相手とは、派手だねどうも。まさか口論でっていう訳でもあるまい、実力行使での話
だろう?」
「当たり前じゃねえか」
「と、すれば相手は世界中の軍隊ってことにもなるわな」
「ああ。実際に相手したのは国連軍だったがな」
「量産したとはいっても、そんなことが出来るほど強いのかね。ゲッターロボっていうのは。
そのなんだ、グレートマジンガーとか、ダンガイオーみたいに」

「俺の居た世界では、最強だといってもいいだろう。動力には、名前の由来にもなったゲッタ
ー線っていう、一種の宇宙線エネルギー炉心が使われている。
 こいつが馬鹿げたことに、いくら使っても枯渇しない代物でな。理論上は無限に出力を上げ
られるわけだ。問題は器の側の……つまり機体の方で、耐えられる出力に限度があるのと、
出力を上げた機体では扱える人間が限られるぐらいでよ。
 俺は、そのゲッターを扱える人間の一人だったから、早乙女の反乱阻止を条件に仮釈放され
国連軍の手元にあった旧型ゲッターをあてがわれた」
320 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/21(木) 02:32:44.31 ID:54uuPWZZ
「ふむ……なるほど。少し輪郭がつかめてきたな。しかし、無限ときたか。ううん、俺の予想
していたはるか上を行っているなぁ。そこまでいってりゃワープぐらいできても、おかしくな
さそうだ」
「だが。俺の世界でもワープの技術は、まだ確立されていない。恐らくは、あのとき、真ドラ
ゴンの……」
「待った、真ドラゴンってなんだ」

「ああ、悪ぃな。ここは詳しく説明しておくぜ。でないと、訳がわからねえんでな。
 言うからよく聞けよ。ゲッターロボにはいくつか種類があって、一番最初のそれと、話にあ
った改良量産型のゲッターGに、真ゲッターなんてワンオフ機もあるが、こいつら全てに共通
していることは、三機の戦闘機に分離できる上、再合体する際、先頭にした機体に従って三形
態に変化する特性がある。だいたい空戦型、陸・地中戦型、水中型って区分でな」

「……すごいんだね……」

「で、ゲッターGの空戦型がドラゴンって言うんだが、真ドラゴンっていうのはだな、この量
産されたゲッターGが数百……いや数千だったか? 正しく数えちゃいねえが、とにかく凄ぇ
量のゲッターGがたったの一体に融合して生まれた巨大なゲッターロボの化物だ。でかさは数
キロはくだらねえサイズだったな。
 そしてその真ドラゴンこそが、早乙女の用意したインベーダーへの対抗策。俺の遺伝子を使
った人造人間を、パイロットの一人として用いるつもりだったらしい」

「戦闘機が、数千機も合体して……か。まるでアニメみたい。しかしどうも……話がオカルト
的な方向に向かっているな。あんたの居た世界っていうのは、この世界とは色々と物理法則が
違うらしい」

「そんなこと俺が知るか。とにかく、そいつこそが真ドラゴンだ。動いただけでも地球がやば
いっていうレベルの相手が出てきて、国連の奴らもパニックになったんだろうよ、やつらは重
陽子ミサイルを打上げやがった。地上を一発でぶっ壊せるミサイルだ。
 ……そんなもんを大量のゲッター炉心の塊みたいな真ドラゴンへぶつけてみろ。下手をすれ
ば、世界中にゲッター線が撒き散らされて、地上は二度と人が住めなくなっちまう」

「それじゃ仮に真ドラゴンとやらを倒せても、本末転倒じゃないの」

「だから、パニックだったんだろう。一応、自給自足可能な巨大地下シェルターは存在してい
たみたいだがな。
 とにかく、そんなもん見過ごしちゃおけねえ。俺も一時的には、ジジイや隼人を殺せればあ
とはどうなったって構わねえと思ったが、それじゃインベーダーの思うつぼじゃねえか。だっ
たら、ジジイの地上破壊も、それに乗った隼人も、インベーダーどもの侵略も、重陽子ミサイ
ルでの馬鹿な自滅も、ぜんぶ許さなきゃいい。なんとしても止めようとした」

「そんな理想論みたいなのも、ゲッターロボがあればなんとかなる、と」

「そうだ。腕自慢する訳じゃねえが俺は他の誰よりも、ゲッターの性能を引き出せる。ジジイ
は余計な事を考えねぇで、俺に真ドラゴンを寄越せばよかったんだよ。くそっ」

「なるほどなあ。複雑でとんでもないスケールではあるが、やはりあんたの所も人間がいる世
界なんだわな……ところで、ミサイルはどうなったんだい」
321 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/21(木) 02:33:37.56 ID:54uuPWZZ
「……結論を言うと、破壊に失敗した。邪魔が入ってな……月面で倒し損ねていた、インベー
ダーの生き残り、つまり現時点での敵の親玉が仕掛けてきやがったんだ。そいつらを見た時に
は驚いたぜ。
 なんせ、早乙女と一緒に月でゲッター線研究に携わった二人の科学者だったんだからな。ど
うやらそいつらが月面でインベーダーに寄生されていたらしい。敵は身近にいたって訳だ」

「じゃあ地上は……いや、なんでもない。それで?」

「俺たちは真ドラゴンへ堕ちる寸前のミサイルを、宇宙から超高速で追跡して破壊しようとし
たが……間に合わず、俺が最後に記憶しているのは、乗っていたゲッターもろとも光に包まれ
た映像だった」
「で、気がついたらあんたは俺の部屋へ居た、と」
「そういうことになる。真ドラゴンのゲッター線エネルギーが、何らかの暴走を起こしてこう
なった、としか考えられねえ」

 喋り終わると竜馬は、どむ、とカウンターに拳を置く。よほど悔しかったのか、ギリギリと
歯ぎしりまで鳴っている。小さく「畜生……」とつぶやいてもいる。
 そんな竜馬だったから近づいてくる芳しい匂いに気づかなかったのだろう、チャーハン大盛
りの皿が目の前へどん、と置かれて、おお、と顔をあげた。
 見れば、丸々と太った老店主が平和な笑顔をうかべていた。

「お兄サン? なんかよく解らないけれど、悩みすぎよくないよ。これ食べて、元気だすね」
「あ、ああ。ありがとよ。じゃあ後藤さんよ、いただくぜ」
「どうぞどうぞ……俺はちょっと、頭を冷やすとするよ。なにせ話がでかすぎる」
「そうしてくれや」

 言うと、竜馬はチャーハン大盛りへ取りかかった。
 店主は「後藤サン、も少し待ってね」と口早にいって再び厨房へ下がる。後藤とこの店主の
つきあいはそれなりに長く、後藤が人を連れてきた場合、混雑時でなければだいたい期待通り
の順序と時間で、品を出してくれる。
 警察官だと教えたことはないのだが、なんとなく解るのかもしれない。なかなかに人をよく
見ている店主だ。

 大陸系の訛りがあるカタコトと、店から感じる年代から推測するに、戦後のどさくさにまぎ
れて、土地を手に入れ、商売をはじめた華僑といったところか。いや、もしかすると帰化して
いるのかもしれないが。
 どちらにせよ長い間、日本で暮らしても祖国の訛りは抜けなかったらしい。
 こういう手合は多い。
 練馬区はそれほどでもないが、都心や副都心に移れば、そういう発祥をもつ、日本人のもの
ではない店舗や建築物が、いまやまるまると肥大化し、駅前の一等地をはじめ高級な土地を占
拠しているのだ。

 その中には国際企業にまで成長した大メーカーもあり、国内の税収源がひとつとして重要に
機能してまでいる。
 だが。
 それは長い目で見たとき、日本の国益にはならない事だ。
322 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/21(木) 02:34:30.20 ID:54uuPWZZ
 なぜなら、彼らは日本が真ドラゴンに滅ぼされたとしても、帰るべき土地がある人々だ。
 国家存亡を問うような「いざ」という事態が起きた時、命を投げ打って協力をしてくれる存
在ではなく、立場が不利になれば、有利な側へと簡単に寝返る。
 責めることはできない。それが人間真理というものだ。

 そういう事態を防ぐためにも、国政および外交は万全でなければならないのに、現状が日本
の土地が日本人の自由にならないという、惨憺たる有様なのは、元を辿れば戦争に負けたから
である。孫子が負ける戦はするものでないよ、と説いている通りだ。

 しかしながら、土地が海に囲まれて生来の引きこもり体質である日本人は、基本的に人付き
合いが下手だ。そのため海外、特に人種がごった返すがゆえ超社交家揃いの大陸国家を相手に
すると、いつも負け戦に巻き込まれてしまう。
 形式的には勝ったのだが、なぜか得るものがぜんぜん無いというパターンもよくある。

 完勝するのは文字通り、神風が吹いた時だけだ。その神風を吹かしているのは、主に自然現
象を司る神様と、寝ないで働くを良しとするド根性という名の日本人の祈りである。
 あと少し、外交官の頭がよく、度胸が据っていたらなぁ。

 ……と、後藤は思った。
 竜馬の話のスケールがでかすぎたせいで、しばらく店主の顔から、現実的な論理へ無意味と
思考をめぐらせていたかったのだ。
 しかし休憩おわり。
 後藤は頭をSFモードに再設定する。

 と、ちょうどよくワンタンメンとビールも運ばれてきたではないか。とりあえず胃に食べ物
を入れて麦酒のんで、今後どうするかを考えよう。
 話を聞いたら、予想していたレベルをぶっ飛んで、とんでもない世界からやってきた男だ、
流竜馬という人物は。
 嘘をいうにしてはあまりにも突飛がなさすぎるし、だいたい、そんな創造性があるような人
間には到底、見えない。
 これで、どうあっても、市中へ野放しにする訳にはいかなくなった。

 しかし、保護するにしたってどうすればいいか。当たり前の話だが、こいつには戸籍すらも
無いのだ。かといって元の世界へ戻る手段が見つかるまで、そのままにしておくには、少々で
なく、とても危険だ。
 人相と言動から見ても、明らかに大人しくしていてくれそうにない。それどころか元の世界
へ帰る手段を探すためには、法に触れることなど構いもしなさそうですらある。
 仕方がない。
 まずは、彼の戸籍を用意することから始めよう。法務省民事局総務課、登記情報管理室室長
の山田くんの骨を折らせる事になるが……。

 彼とは、小学校以来の友人であり、今でも時々、年賀状のやりとりなどをする間柄だ。
 若い頃はよくつるんで遊んだものだ。彼が若気の至りで、ちょっとばかり婦女子相手にハッ
スルしてしまったのを、なんとかかんとか折り合いをつけてやったのも、良い思い出であり、
そんな彼も今は気だてが良く美人の奥方と、聡明な息子を一人と、母親似で可愛い娘一人をお
持ちだ。
 そんな絵に描いたような幸せな家庭を、ちょっとばかり戸籍を造ってもらう、というお願い
を聞くだけで維持できるのだから、なあに、安いものじゃないか。
323 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/21(木) 02:35:35.98 ID:54uuPWZZ
 後藤がそういう風な企みをビールと共に呑み込もうとしている時だった。
 店の入り口から、ガラス戸ごしに差していたはずの陽光が、レイバーの駆動音と共に遮られ
た。ふと首を巡らせてみると、さきほどのクラブマンのものであろう脚の一本が、店先に出現
していた。
 なんだ? 工事現場からは少し離れているが……
 なんとなしに悪寒のようなものを感じた。それは竜馬も同じだったらしく、彼はチャーハン
を掻き込む手を止め、水を一杯飲んでからふっと立ち上がる。

「……っ」

 そして、ぐらりとクラブマンの影が落ち込んでくるのと、竜馬が店の外へ駆け出したのは、
ほぼ同時のことだった。

「ヌオッ!!」

 外から竜馬の叫びが一閃する。
 バランスを崩したのか、店へ向かって転倒してきたクラブマンの上体、コクピット部へずわっと
跳び上がると、その勢いのまま跳び蹴りをぶちかましたのだ。
 辺りに、ぐわーんっ、というさながら大鐘でも叩いたかのような轟音がこだまする。数メー
トルをバッタの様に跳ね上がった竜馬の蹴りは凄まじく、数トンの重量を持つはずのクラブマ
ンを軽く跳ね返した。
 クラブマンはオートバランサーが機能したのか、転びそうになる脚をバタバタツルツルとも
つれるようにしながら、態勢を立て直しに必死となる。
 見ているとギャグのような動きだが、人間だったら間違いなくすっ転んで膝小僧でもすりむ
いている状況で、巨体の直立を維持しているのだから、優秀な性能だ。

 直後、四ツ脚に乗せられたコクピットから、男がにょっきり飛び出てくる。ニット帽をかぶった、
ガラの悪い青年であった。が、そのガラの悪い顔を青くしている。
 まあ無理もあるまい、人間の数倍はある大きさのレイバーへ向かって、こともあろうにその
人間が空高く跳躍してきたかと思うと、巨体を揺るがす蹴りを放ってきたのだ。
 さながら仮面ライダーに襲われた気分であろう。
 その青年へ向かって、仮面ライダー竜馬が怒気を露わにする。

「てめえ! 人が食事している間になめたことしてくれるじゃねえか! ええ、おい!?」
「す、すいやせんっ、つい、バランス崩しちまって……こ、こいつオートバランサーに欠陥が
あるんですよ、絶対!」
「欠陥品だとぉ……? おかしいなぁ、今、俺の蹴りには思いっきり良い動きで立て直ってい
たように見えるんだがな。じゃあもう一度試してみるか。ああ心配すんな、転びそうになった
ら、俺が支えてやるからよ。こう見えても力にゃ自信があるんだ」
「う、うわぁあああッ!!」

 ギロリ、という音がしそうなほどのするどい目つきで、青年を射貫く竜馬はしかし、口が端
まで裂けそうなほどに笑みを浮かべて、再びクラブマンに飛びかかろうとした。
 そこへ制止がかかる。のそりと店から這い出てきた後藤だった。

「あー、待った待った。流さん! 待った」
「なんだ後藤さんよ。邪魔するんじゃねえ。この小僧、きっと……」
「いやいや。あわや大惨事というところをよく回避してくれたよ、一警官としてあんたに礼と
敬意を表する。だから事後処理は本職に任せて、食事に戻りなさいって。
 まだ半分も食べちゃいないのに、チャーハン冷めちゃったじゃないの。代わりの品、なんで
もおごってあげるから」
324 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/21(木) 02:36:21.90 ID:54uuPWZZ
「……いや……別に冷めたチャーハンで構わないけどよ。だが、とりあえず、この小僧は引き
ずり降ろしておくぜ」

 いって、竜馬はぴょんとクラブマンのコクピットへ跳ね上がると、震える青年を引っ掴んだ
まま、路面へ「だんっ」と飛び降りてから、獲物を蹴り転がした。
 ふと気づけば、周囲からはわらわらと人が集まって来、レイバーを相手に生身で格闘を演じ
た竜馬を珍獣でも見るような目で囲んでいる。

(あちゃ)

 これだけ派手に暴れたのだから、野次馬が集まるのは仕方のないことではあるが、こいつら
がまた竜馬の機嫌を損ねそうだ。
 どうやって人散らしをしようかな、と思っていると思いがけぬ援軍が現れた。

「あいや私の店商売中よ、あなたがた食べていかないのならホラ、散った散った!!」

 と例の老店主が店から巨大な中華鍋とお玉を手に出て来、叫びながら、店の半径数メートル
から蜘蛛の子散らしを実行していくのだ。
 そして、粗方散らし終わると、竜馬へ向かった。びしっ、と頭二個分は背の高い竜馬の顔へ
お玉を向ける。

「お兄さん! あなた凄いね! 私感動したよ! じつのこと言うとここ最近、地上げ屋みた
いなのがしつこくて、ヘキエキとしてたのよ。ここら一体、再開発するから立ち退けたちのけ
って。でも私、八〇年代の狂乱地価も乗り切ったから、お客さんひとりでもいる限り頑張りた
いと思ってるよ! ありがとね! ありがとね! お礼になんでも無料で作るから、食事の続
きしてってよ。さあさあ!」

 と、大陸系の人間らしい大声で謝意を示すと、他人から礼を言われることに慣れていないの
か、しどろもどろになっている竜馬を強制的に店へ連行していく。
 後藤はその背を見つつ
(あとからもっと凄い嫌がらせ、されないと良いんだけどなぁ)
 と、先行きに大きな不安を感じつつも、騒ぐ店主に電話を貸してくれと声をかける。すぐに
カウンターに置いてあるのを、好きにつかえと返ってきた。

 まあ、とりあえず現場に居合わせた現職警官として、練馬警察署の面々に応援を要請しなく
てはなるまい。ついでにレイバーを転倒させそうになった、このガラの悪い青年くんが逃げな
いように捕まえておかないと。
 このコは大方、どこかの暴力団関係の人間に違いあるまい。店主は再開発のため立ち退きを
要求されていたと言っていたから、立ち退き金をチラつかされても無視したか、はね除けてい
たのだろう。
 で、言うことを聞かず居座る相手に、業を煮やした不動産業界の方が、お仲間の暴力団に泣
きついてちょいと過激な脅しをかけてもらった……と。

 割とよく聞く話だ。
 もう八〇年代バブル期の頃ほど勢いはないが、それでも当時から続く国家的計画である東京
湾の大護岸・大埋め立て工事バビロンプロジェクトと、九五年に発生した東京南沖大地震で生
じた、瓦礫の撤去や被害地域の再開発需要等で、割合景気は好況であり、転じて土地の需要も
あった。
 おかげで大型重機を越えるほどの価格がするレイバーも、よく売れて技術開発が進むので、
性能の上がるのが早い。
 わずかに三年前の機種がロートル扱いされる現状だ。
 世界的な金融危機でも起こらない限りは、この状態があと一〇年ぐらい続く予定である。
325 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/21(木) 02:37:46.73 ID:54uuPWZZ
 今後、発展していくレイバーのことを考えると、警察もまた対応策をどんどん更新し強化し
ていかねばなるまい。
 レイバーは鉄人28号の世界で夢みた、機械巨人なのである。それが一旦暴走した時に止めら
れる力を持っているのは、戦車だの戦闘機だのの戦争兵器を覗けば、同じレイバーだけだ。
 ただ、今日からは流竜馬を加えねばならないが……。

 増え続けるレイバー犯罪へ対抗するために、警察庁は警視庁におけるレイバー運用を決定。
 これよって警備部に、格闘戦用レイバー装備する第十一番目の機動隊「特科車両二課」が新
設されることになった。
 あだ名をパトロールレイバー中隊。
 すなわち「パトレイバー」誕生の瞬間であった。

 今は第一小隊しか存在せず、後藤が与る予定の第二小隊がやっとこさ準備中だが、すぐさま
第三、第四小隊と欲しい。
 それを動かすための人材も、可能な限り優秀でかつ、可能な限り短時間で欲しい。

 無茶苦茶な注文であるのは、皆わかりきっていることだが、それでもレイバー運用の主役は
アメリカではなくソ連でもなく、日本なのである。ロボットの開発へ熱意をかけてきた国が、
とうとう花開かせた世界へ誇る産業であり、文化である。
 ここで、犯罪が原因でその歩調が鈍ったなどとあっては、日本国と日本警察の栄誉に関わる
というものだ。なにがなんでも、レイバー犯罪は撲滅する。

 のんびりした風を装っている後藤にも、そういう上層部の熱意と気風はよく伝わってくる。
ここはまあ、俺も一肌を脱ぐのが男ってもんだろう。
 後藤は練馬区警察署に連絡を取りながら、老店主にてんこもりのホイコーローを喰わされて
いる竜馬を横目で見た。

(あれが人間として通じる世界ってどんなトコなんだろね。想像すればするほど、ゾッとせん
なぁ……でも、いまので俺はぞっこん惚れちゃったよ。
 期待の婦警候補生と、噂の機動隊きっての暴れん坊。そして生身でレイバーを倒す男。これ
で納入予定の三機にあてがう搭乗員が揃った上に、危険人物の身柄確保ができる。一石二鳥と
は、まさしくこのことじゃないか)

 後藤は電話を終えると、てんこもり状態が終わらないホイコーローに苦戦する竜馬の背へ、
わざと足音を大仰にたてながら近づいた。おかげで、反応がない。その隙に、両手をぽむと肩
へ乗せて言った。

「流さんよ。いいことしてくれたお礼に、とっておきの物を見せてあげよう。ちょっと八王子
まで付き合いなよ。あ、店主さん電話どうもです」

 一〇年近い相棒の、1989年型ホンダ・シビックEF3も久しぶりの出番だな、と後藤は意気込
んだ。なお、お古なのは買い換える金が無い訳じゃない。
 電子制御式燃料噴射装置と、ATが自動車に普及しきったいまだから、この時期、始動にも手
間取るキャブレター車の、それもMTを乗り回すのが乙なのである。

 ビールは、コップから半分しか減っていなかった。なにも問題はあるまい。

・・・

 場所は移り、東京都八王子市。
326 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/21(木) 02:38:56.09 ID:54uuPWZZ
 かつて繊維業が発展し、いまは精密機器等の製造業が林立、さらには多くの大学を有し国内
有数の学園都市でもあるこの街に、レイバーメーカーの最大手、篠原重工業株式会社の工場の
ひとつが設置されている。
 ちなみにもうひとつは埼玉県所沢市にあり、こちらも首都圏の大動脈を担う性格をもった街
である。
 その八王子工場に、後藤のシビックがゆるゆる入っていく。
 そしてゆるゆると門で警備員に警察関係者であることを示す警察手帳を見せ――あ、一日で
二回も出番があった。すごいや――などと無駄な事を考えていたから、その警備員の顔をあや
うく見落とすところだった。
 この娘は、例の予備校生じゃないか。

「はい、確認しました――どうぞ」
「おや君は……たしか特車二課志望の婦警候補生」
「えッ!? なんであたしの事、知っているんですか」
「ま、変わり種の噂ってのは聞こえてくるもんでね。なんでも、新型を見たいがため、ここで
警備員のバイトしてるそうじゃない。公務員なのに」
「……ぅ、ぇ、ぇっと、その事は……黙ってて……くれませんか……?」

 警察関係者に素性が知れていた――!
 その、往年の「時かけ」を演じていた頃の原田知世似で、本物より少しだけ可愛くないぐら
いの、一般人にしては十分すぎる美少女(一九七八年、一二月一七日生まれ。現在一九歳!)
警備員は慌てて俯き、小声でなにやら言い訳をはじめた。

 彼女の名は泉野明(いずみ・のあ)。
 早稲田の警視庁予備校で、もうじき卒業を迎えようとしている婦警のタマゴであり、同時に
たかがノンキャリアの候補生分際でありながら、すでに本庁でまで噂になっており、さらにそ
の事実を本人だけが知らないという、色々な意味での変わり種である。

 ただし、最近は警察の女性比率も上がっているし、本家本元の機動隊にも存在する。特車二
課にも南雲忍警部補を小隊長に置いているので、女だてらに荒事を……という理由で有名な訳
ではない。
 ではなにかというと泉候補生は、
「全国警察組織中の女性で唯一といっていいであろう、レイバーマニアであり、それが昂じて
パトレイバーへ乗りたいが一心で警察への道を目指しており、性格は真面目で身体も頑強、そ
のうえ若い頃の原田知世と激似!」
 だったことに、全てが集約されている。非常に奇跡的要素が詰まった人材だが、特に最後の
件は大きな理由といえよう。
 ただ美人なだけでなく、かつてのアイドル……すなわち、おじさんたちの思い出に残ってい
る美少女に酷似しているというのは、あまりにも巨大な武器だった。

 もし、本人がそのことを深く自覚していて、操る術をもっていたとすれば、芸能界へ殴り込
みをかけて、とっくにおじさんたちを上回るカネを自由にできるだけの生活をもっているか、
あるいはその真逆に位置する、ちょっと年齢制限のある文章ではしたためられない闇の中へ落
ち込んでいるかの、両極に居たであろう。

 ともかくも、そんなレイバーマニアの彼女は基本的に副業を禁止されている公務員の身の上
で、アルバイトをしていた。
 すべては篠原重工の送り出そうとしている、警察用新型レイバーをその目にしたいが故に。
 しかし近く、彼女の願いはもっとも理想的な形で叶えられることになるだろう。
327 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/21(木) 02:40:11.29 ID:54uuPWZZ
 なにせ、後藤は自身のレイバー小隊が創られる事が決定した時点で、もっとも早く目星をつ
けた部下が野明だったのだから。
 警官レベル1のスペックとしては、申し分の無いものを備えているうえで、配属先は自分の
ところを熱望している。そして可愛い。
 警察は正義の執行者であり、同時に可愛いは正義なのだ。最高の組み合わせではないか。果
たして、ただ可愛いだけで許される、という事象が世の中にどれほどあるとお思いか。
 実際に美形な連中には、解るまい。
 むしろ、彼女を選ばない理由があっただろうか?

「ないよなぁ」
「何ぼそぼそ言ってんだ、気持ちわりぃ」

 世間の評判って大事だもんね、とひとり再納得する後藤に、シビックの助手席にふんぞりか
えっていた竜馬がドスの効いた声を出した。
 あまりに効き過ぎていたのだろう、俯いていた野明もふいに竜馬を覗き込む。と。
 ぴたり。
 目があった。
 それは脳髄へ走る電撃のような恋の予感――ではない。

「ひッ!!?」

 例えるならば、逃げ場のない山道でヒグマに出くわしたハイカーの恐怖。
 実際問題レイバーを蹴り倒す竜馬は、ヒグマより恐ろしい生物であろうことは間違いない。
野明は被害者であった。

「……人のツラ見て悲鳴あげんじゃねえ」
「ご、ごめんなさい。つい……」
「ケッ」
「あー悪いね、警備員さん。ちょっとこの人、気が立ってるもんで。許してよ。バイトの事は
黙っててあげるから」
「! ぁりがとうございますっ」
「うん。そんじゃ、またねぇ」

 およそ警部補という階級へ似つかわしくない、フレンドリーな応対を残して後藤と彼に運転
されるシビックは工場の敷地内、駐車場へと姿を消していく。
 この時の野明は、思いもよらなかったに違いない。
 わずか数ヶ月後に、この、とてもひょうきんなおじさんと、凄い怖いお兄さんと一緒に仕事
をすることになるとは……。
 それはまた、竜馬も同じだった。

「おい、後藤さんよ。このでかい工場で、俺に何を見せようっていうんだ」
「まあまあ黙ってついておいでよ。ここの28号ラインにね、俺の職場がこれから扱う予定のご
つい格闘用レイバーがあるのさ」
「格闘用レイバーだと?」
「そ。言ってなかったっけ、俺は特車二課……つまり、レイバーを扱う機動隊の所属だって」
「聞いてねえよ」
328 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/21(木) 02:41:27.52 ID:54uuPWZZ
「そうだっけ? ごめんごめん。
 でもさ、ほら格好いいだろうコイツ。なんせ元から作業用じゃ無く、他のレイバーを叩きの
めすために設計された警察専用のレイバーだ。たぶん、あんた好みのメカなんじゃないかな。
ゲッターロボってやつにも、コンセプトだけは近いと思うぜ。
 まあ飛べないし、もしATMの一発も食らえば粉々になる程度のものだから、性能は宇宙の果
てと、地上ほどの開きがあるだろうけど」

 つらつらと喋る後藤と共に、竜馬は工場のラインへを見物できる通路へ入っていく。そして
ついに後藤のいう「格闘用レイバー」とやらが露わになった。

「……ふ、なるほど。あのザリガニ野郎とは根本が違うみてぇだな」

 竜馬は見上げる。
 ホワイトとブラックのツートン・カラーに彩られ、指から足にいたるまで、完全な人型を有
したレイバーの姿を。
 その全長というか身長は、おおよそ八メートル前後といったところか。
 中世に生きた欧米戦士のハーフアーマーを身につけたような上半身に、機動力を期待させる
スマートな下半身。
 頭部はバイザーに保護された単眼式カメラアイを中央に置き、その上、額には射撃用補助セ
ンサーが、人間でいう左耳にあたる位置へは書いて字のごとく刃のような形のブレードアンテ
ナ、右耳にはポールアンテナが二本搭載されている。そのアンバランスなデザインが美しさを
演出し、かつ、精密なメカの塊であると宣言しているかのようだった。
 そして全体として、軽量級のボクシング選手を彷彿とさせるシルエット。

 これこそが篠原重工が満を持して世に送り出そうとしている、史上初・最新鋭の警察専用レ
イバーだ。その名も「98式AV(アドバンスド・ビークル)」通称イングラムである。

「それで物は相談なんだけどね。流さん」
「なんだ」
「あんたさあ……しばらく警官やってみない? もちろん、交番のおまわりさんじゃなくて、
こいつ専用の搭乗員として」
「……何を言い出すかと思ったら、サツに入れだと? 笑わせんじゃねえよ。俺はむしろ敵対
する側の人間だぜ」
「まあ、だからこそなんだよね。鳴り物入りのレイバー隊だ、ぶちあげていかなきゃならん。
普通の警官はいらないんだわ、この際。少なくとも俺にはさ。それに……」
「それに?」
「この世界でも堂々とロボット戦の真似ができて、普段はあんたの好きそうなトレーニングも
誰に憚ることなく行える。さらに警察官として普通では手に入りにくい情報もいちはやく察知
できて、おまけに衣食住と給料がついてくる。そのあたりにたどり着くまでの、面倒な手続き
も全部が俺が持ってやるから、至れり尽くせり……と、いうワケ。
 どうだ、あてもなく未知の世界をさまよって帰り道を探すより、遙かに良くないか?」
329 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/21(木) 02:48:15.69 ID:54uuPWZZ
 その言葉に竜馬は黙り込んだ。
 いかに彼が超人といえども、さすがに分身の術までは使えない。見知らぬ世界でたった一人
で出来ることには限度がある。
 後藤の提案を飲めば、元の世界へ返る手段を見つけるまでの時間を、一気に短縮できるかも
しれないのだ。
 本懐はゲッターロボのある地球へ戻ること。
 そしてもしも、まだ敵がいるのなら今度こそは根絶やしにする。
 真ドラゴン。インベーダーども。そして隼人。奴らの真意を確かめねばならない。一刻もは
やく戻らなければならないのだ。そのためならば――。

「……わかった。いいぜ、その話に乗ってやる」
「そうこなくっちゃあ」

 ……後藤はこの時、警察官の通常業務として存在する書類作成から備品の点検に至るまで、
一切の煩わしさを感じさせる内容を一切、匂わせもしなかった。
 竜馬も馬鹿ではないから、もし警官になれば「そういう仕事」も待っているのはおぼろげに
予測しているだろうが、はっきり面と向かって言われるのと、そうでないのとでは印象という
ものが大違いなのだ。
 企業の求人広告の内容と、実際に携わる仕事の差を知っている人間には、この説の正しさが
容易に理解できよう。
 全ては策士・後藤喜一の掌の上であった。


つづく


……野明以外の年齢が、各メディアごとにバラバラな事に気づいて困惑中。
とりあえず、野明と遊馬は漫画版での発言からひとつ違い、ということにし、
太田以下他メンバーは漫画版の発言は無視して、押井守著の「注文の多い傭兵たち」
より設定から流用したいと思います。

泉野明(19)
篠原遊馬(20)
熊耳武緒(28)
太田功(27)
進士幹泰(26)
山崎ひろみ(24)
香貫花クランシー(25)
後藤喜一(42)
南雲しのぶ(33)
榊清太郎(66)
斯波繁夫(34)
松井哲夫(41)

チェンゲ版・流竜馬(28)
331 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/21(木) 09:23:36.94 ID:cJrt1+8O
そうか・・・竜馬は改造人間だったのか・・・それならあの戦闘力は納得できるな
332 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/21(木) 09:57:05.55 ID:pdELt1ZV
ブロッケン以外なら生身でもひょっとしたら…と思ってたがまさか本当にやるとは
しかし竜馬が警官かぁ…どんな裏技使ったらそんなことが可能なんだろう
334 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/21(木) 14:34:26.36 ID:rGEBU3Jr
元テロリストで狂人な隼人さんでも自衛隊になれたんだから
竜馬が警察官になってもおかしくは無いか…?
336 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/21(木) 19:12:23.37 ID:pdELt1ZV
個人的に気になるのは、無理やり警察組織にねじ込むとあればおそらく平の巡査だろうから、太田が竜馬に「さん」を付けるのか付けないのかって所だ
337 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/21(木) 19:23:42.08 ID:FDi/t4nt
OVAの竜馬は制服が似合わなそう
338 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/21(木) 20:56:56.68 ID:E/by1FuR
>>337
自分もチェンゲ竜馬のレイバー隊制服姿想像して吹いたw
あれが似合いそうなのは、ネオゲか漫画版の竜馬かなぁ。
339 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/21(木) 21:04:30.81 ID:cJrt1+8O
どちらかというと作業着かなぁ。漫画で着てたし
なんか、漫画のほうのちょっとコミカルな竜馬に見えてきたな、パトクロスのチェンゲ竜馬
340 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/21(木) 22:50:20.82 ID:cdTkO0/z
レイバーの総称下りで
ベトナムではホンダがバイクの総称ってのを思い出したな。
だから、スズキ製のバイクを「スズキのホンダ」とかだったり。
344 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/22(金) 21:16:45.65 ID:L6ma933m
野明の「乗り物に強い」ってのはゲッターみたいなロボには適応されないと思うんだ
345 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/22(金) 21:19:28.56 ID:WXkUsGqC
まあ、アークに出てくる強化服を着ればかなり活躍するんじゃね?
346 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/22(金) 22:03:16.95 ID:to5C4jn8
どうだろ?のび太の射撃ならどんな武器でも得意、と一緒で一種の超常能力じゃね?
347 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/22(金) 23:28:09.88 ID:WXkUsGqC
>>346
そりゃあ、超能力物とかでの能力で「なんでも」ならともかく
現実よりの漫画で「なんでも」といったらギャグ漫画でもない限りはその方面の適性がずば抜けているってだけだろ。
もちろん普通の人間の何倍も使いこなせるとは思うけど体力の問題がやっぱりついていくだろうし。
348 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/23(土) 00:28:46.63 ID:TvWRn5vk
まあ翔とかアークの時代のモブキャラとかは女性でもゲッターに乗れてたから、
強化服+鍛えれば何とか乗れるようになるんじゃね?
その代償に胸にゴム鞠つけたような肉体になるけど
349 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/23(土) 00:32:20.40 ID:1a8zYlzw
ゲッターというか、軍人みたいな職業の人がガッチリしてなかったらおかしいしね。
ダークネスのムサシみたいに人造人間や強化人間とかは別にして
筋肉がなさそうなキャラが軍人とかだと机仕事以外だと違和感あるしね。
350 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/23(土) 00:40:54.96 ID:NPql2BGW
>>349
渓も自衛官だったけどやってる事はハヤトの補佐で事務職っぽかったな。

…そういえば號は高校生で渓は多分高校大学出てるだろうから、號の方が大分年下なのか…。
351 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/23(土) 00:52:00.04 ID:1a8zYlzw
翔はあ13年前から考えると少なくても高校は卒業しているしな
352 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/23(土) 05:55:38.48 ID:XPWwObwz
CDのゲッターVSGによると、旧ゲッターよりドラゴンはだいぶ操縦しやすいらしいんだよね。
これって単にパワステとかフライバイワイヤみたいなものが付いたってことなのか、
パイロットの負担を軽減するようなものがついたのか。

あと、頑張れムサシだと、ロボがコクピットの中で普通に
353 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/23(土) 06:31:21.85 ID:1a8zYlzw
漫画版関連のGの操縦性は新技術というより単純に初代ゲッターでのノウハウがあったからじゃないかな。
アニメ版は逆にGの方が厄介らしいけど。

ハンばれムサシはギャグですましても本編で一度猿人とこどものっけているしな
號迄は常人だと死ぬって設定は固まってなかったみたいな感じがする。
それ以前は精々、長時間乗りこなすことができる程度と博士と乗り慣れていない隼人の嘔吐ぐらいの描写しかないし。
そもそも、號でも直接Gで死んだというよりGで操縦不能による事故だし。
負傷した米軍兵をのけって戦っていたり(勿論悪化していくが)もするしな。
354 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/23(土) 14:12:08.89 ID:Fs4OGN0s
そういえば例のモバゲ期間終わったのに何も進展ないんだな
363 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/23(土) 21:28:53.92 ID:0dwdQb5i
>>354
しかも企画ページ消滅
なかったことになった可能性大
始まる前に打ち切り…
364 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/23(土) 21:42:47.88 ID:1a8zYlzw
>>361
最近は外の世界に追いやられた存在や出たら消えたりする設定がはっきりして来たり。
もっと強い月の人とか出たりしてそうでもなくなったな。

>>363
ロックマンダッシュ3……
355 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/23(土) 16:06:39.92 ID:QB0LbE56
>旧ゲッターよりドラゴンはだいぶ操縦しやすいらしいんだよね。
車でいえばオートマとマニュアルぐらいみたいなもんかな?
356 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/23(土) 17:07:49.96 ID:DwQ+fzuH
>>355
それぐらいかな?
初めて乗る弁慶が苦戦したけど操縦はできたわけだし
357 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/23(土) 18:18:43.66 ID:UGe7GpfO
ゆっくりにゲッター線を照射したら……

惑星サイズに巨大化したゆっくり達が星々を喰らいながら自分の分身を産み垂れていくという地獄絵図に!
359 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/23(土) 19:18:56.87 ID:1a8zYlzw
東方のは動画であったな。
当時は東方厨全盛期であっちこっちで東方最強とか言ってた時期だったためか
ゲッターと全く関係ない「東方より○○の方が強い」とかで荒れていたな。
今はそんなコメントは流れて普通に見れるけど。
361 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/23(土) 20:38:46.47 ID:6VUYzxOk
>>359
あの頃はエンペラーなぞフランや紫の前には手も足も出ないと言われ、皆必死こいて反論した…そんな時代じゃった(村の古老)
360 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/23(土) 19:57:35.92 ID:lF3SYa1G
チェンゲの竜馬の奴?なかなかクオリティ高かったが荒れてるのか
最強うんぬんはそれよりも前じゃなかったか?今は落ち着いてると思うけど
362 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/23(土) 21:12:51.57 ID:KkBGLlpf
ここは強さ議論スレじゃねえんだ。チラシの裏にでも書いてろ、な!
……と、スルー出来ない時期が自分にもありました。

正直、ファンと信者・厨は別物と考えんと、何の罪もない作品自体にまで憎しみが湧くからなあ……



ネタとしては二次創作の二次ネタ、三次創作になってしまうのであれだが、
『Y-TYPE』の生首もといゆっくり達はゲッターと絡めても面白そうだったな。
365 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/24(日) 00:58:01.96 ID:LQeAGGH8
例えば虚無戦記連中に勝てそうな奴なんてそういないだろうけど他にも面白い作品は沢山あるんだし
キャラの強さで作品の良し悪し決めるのはなんか寂しいような…

生身ゲッターチームinドラクエ3なんてネタ考えてたがなかなか難しいもんだねぇ…
単純に「ゲッターチームが勇者一行と魔王バラモスを倒すため旅に出るぞ!」とかだとイマイチなんで
何かゲッター側の敵キャラ出そうかなー?と思ったらどいつもこいつもでっかいかとんでもないのばっかだし
・・・うーん
366 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/24(日) 01:22:03.49 ID:7Hz4OXq2
ファンタジーもので昔考えたが。
ゲッター艦隊が新たな技術を得るために別の世界を調べる。
オリハルコンやミスリルなどの希少金属、
それらを扱い、マジックアイテムを作る錬金術師をスカウト(という名の拉致)を採りに行くというのを考えたな
もちろん蹂躙にしかならないのでやめた。

ファンタジーでロボならば
スパロボNEOの面々やダンバインシリーズ、レイアース、ブレイクブレイドとかあるな。
367 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/24(日) 07:47:00.47 ID:3iE56A1/
NEOはたったひとりのドモンより、
騎士ガンダム物語と、SD戦国伝を使うべきだったと思うんですよ。
あの時代にカードダスへ散財した愚かな身としては。

パトクロス、続きです。


 それからの一ヶ月間。
 後藤は本来の業務以外での仕事をもっぱら忙しくしていた。仕事場の埋め立て地からは毎日
なるべく定時であがるようにし、心のオアシスたる晩酌も自粛。非番の日は朝から晩までフル
稼働し、四〇がらみの中年の楽しみはすべて封印、目的のためにひたすら邁進した。

 すべては「流竜馬巡査」の誕生がため。
 本来であれば、この世に存在しないはずの人物をでっちあげなければならないのだから、並
大抵の労力ではない。
 当初予測した分を超えて資金も必要になってしまい、貯蓄をだいぶ削ることになったのは少
々、手痛かった。
 後藤はそれまでの人生で培った人脈を、最大級に動員したのだ。

 これほどに働いたのなど、はたして何十年ぶりだろう。
 ふと後藤は回想する。
 しかし、疲労とは対照的にストレスはだいぶ吹き飛んでいってくれたから良しとすべきだろ
う。まったくどうして悪巧みというのは、心身の衰えを忘れさせてくれる。隠れてコソコソす
るのが楽しいのは、子供の頃に隠れんぼが愉悦なことと同義なのである。

 法務省民事局総務課、登記情報管理室室長の山田くんの協力もとりつけ、名簿屋に出たり入
ったりし、系図屋に出たり入ったりし、なんとか三月までにはモノにすることができた。
 なにせ警察官というのは係累が大切だ。万が一にも、逆賊の血筋などがあってはならないの
であり、たとえ日本国籍の持ち主だろうと共産圏の人間へゆかりがあったりすれば、門前払い
に終わる。

 と、いうわけで流家の系図は、本人が空手の達人ということにちなんで、古く琉球王国が佐
久川氏の分家の分家のそのまた分家のまた分家についで分家から分家……に遡ることができ、
幕末の頃には下級の薩摩藩士として存在。

 と、いうことになり、

 第二次大戦では親族がビルマ戦線にて没し、その後の時代においては父(竜馬に聞くと一岩
という名だったらしい)が東京にて空手家として道場を経営するが、志半ばにて急逝。息子竜
馬が跡を継ぐ。

 と、いうことになり、

 出生は東京都新宿区戸山。学歴は小学校より高等学校まで都内の私立校を通して昇り、高校
卒業から二八歳の現在に至るまでは、前述の道場経営者として新宿区に起臥した。

 と、いうことになった。
368 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/24(日) 07:48:05.13 ID:3iE56A1/
 とりえあず警察官になるための人間的履歴としては不足のないものだ。念のため、新宿区戸
山三丁目に借家を設けてもおいた。家賃は月四万円也。いまにも崩れそうなアパートである。
 さて、ここまで来れば残るはどうやって速やかに登用するか、だ。

 今から公務員採用試験に申請したとて、どんなに速くても来年以降の採用になってしまう。
だいたい、竜馬が公務員試験をすんなりと通過できるわけがない。
 頭は悪くないようだから座学は何とかなっても、あの風貌であの性格である。間違いなく、
面接で落とされよう。
 で、あるので……後藤はここで一大バクチに出ることにした。
 それは、

「海法警視総監への直談判」

 だった。
 この海法という男は、ちょっと前まで警備部長だったこともあり、後藤となんとなしに面識
がある。
 別に階級を超えた仲という訳ではないのだが、作戦行動にあたって会議が必要になるような
場面において、法的にグレーというかミッドナイトブルーあたりの措置を断行せねばならない
場合、それとなく実行者の後藤が仄めかし、統括者の海法がそれとなく許可し、責任は全て中
間の課長へ押しつけられる、というパターンが出来上がっているのだ。

 特車二課においても早速と祖父江前課長がその被害に遭い、辞職へ追い込まれていた。今で
はしがない整備工場の親父に下ったらしい。
 と……要するに、後藤と海法という男は同類なのである。

「お久しぶりです、海法警視総監殿。このたびは警備部長よりの昇進、まことにおめでとうご
ざいます。いやあ今日は、お忙しい中時間を割いていただいて恐縮です」
「……後藤君、よもや私へ祝辞を述べるために登庁した訳であるまい。いったいなんだね」
「いや、じつはですな。先日の練馬区におけるレイバー事故の報道について、ぜひにとも、お
耳に入れておきたいことがありまして」
「うん? ああ、例の、人間がレイバーを倒したとかいうやつかね。ゴシップ記事での報道だ
ったこともあるし、流言飛語の類だと思っていたが」
「じつは私、あの現場におりまして」
「……ほう」
「いやいや、化物というのは実際世の中にいるものですな。なんといっても篠原のクラブマン
を蹴りの一撃で、ですよ」
「見たのかね」
「私の自宅におります。名は、流竜馬。自称二八歳」
「……」
「で、まあ。これがまたファンタジックな話なのですが、出会いは私の眼前に突然「ぱっ」と
現れたのですよ。ぱっ、と。なんでも異世界から事故で来てしまったとかで。話だけ聞けば、
ぜひ精神異常を疑いたい所なのですが、目の前へ瞬間移動されてきては……どうにも」
「……」
「手品師、というわけでもなさそうでしてね」
「……まあ話は理解しよう。それで、君はその化物をどうするつもりかね」
369 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/24(日) 07:49:15.92 ID:3iE56A1/
「部下にしたいと思っております。しばらく接してみたところ日本語は堪能ですし、日本文化
もきちんと理解している。意思疎通は可能ですので」
「それは、無茶が過ぎるのではないか?」

「そうでもありませんよ。相手は、言わば知能のある猛獣。勝手にうろつかせる訳にゃいきま
せん。ならば、いっそのこと埋め立て地に護送し、監視下へ置いておく。放っておいて世間の
騒ぎになるのを待つよりも、ここは警察で活用するのが得策です。
 幸い、元の世界へ帰る手段が見つかれば即刻、退去するとの意思も確認できましたし」

「ふむ……しかし、これは夢なのでは……ないな。一応訊いておくが、男かね」
「ええ。頭も良い方ですよ。少々、熱血漢ですがね……どうやら人型兵器の搭乗員だったよう
で、レイバーへの適応性も高いと見ています。そして何よりも身体能力。人目のつかないとこ
ろでの任務であれば、いざとなれば生身で戦力になる」
「そういうことか」
「いかがでしょう? 第二小隊のオープニングスタッフとして是非、使いたいのですが」
「君で、抑えられるかね」
「とりあえずのところ、私はこの通り無事でおります」
「……よかろう。話は人事二課へ通しておく、後藤警部補たっての推薦であるとな。必要書類
等はそちらへ送ってくれたまえ」
「いやどうも、ありがとうございます」

 談判はそのような具合にトントンと進んだ。
 もっとも、黙認を取り付ける代わり、何か起きた場合の責任は全てお前に負ってもらうぞ、
と遠回しに宣言されたが。
 当たり前の対応ではある。
 保険もなしに、こんな無茶苦茶な話を理解して乗ってくる馬鹿はいるまい。少なくとも、警
察上層部という世界に生きる人間にいるはずがなかった。

 ともあれ、これで竜馬を巡査に仕立て上げる準備は整ったわけだ。
 後は、レイバー操縦免許……正しくは多脚制御機免許だが、これの取得が残るのみである。
 第二小隊発足予定の四月一日には間に合うよう、なんとか一ヶ月弱で取得さるべく捏造した
戸籍をつかって、急ぎ合宿教習にでも送り込もうかと思ったのだが、それはとんでもない方向
に予測が外れた。
 というのは、戸籍を造る間の暇な時間にも、竜馬には座学で警察官の勉強やら、レイバー操
縦の勉強やらをしてもらったのだが……。
 恐るべき才能とは、このことか。
 彼は「めんどくせぇな」と文句をこぼしながらも、レイバーの操縦手本をパラパラとめくり
つつ、一夜漬のような学習をすると、

「なるほどな。つまり、こういうメカか」

 と、言ったかと思うと翌日には免許センターへ乗り込んでいわゆる一発試験へ臨み、それか
ら、たった三回のトライで「教習以外での取得は不可能」とまで目されているはずの、多脚制
御機免許をその手にしてきてしまったのだ。
 これには、さしもの後藤も目を剥いた。
370 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/24(日) 07:51:10.17 ID:3iE56A1/
 立場上、自分も免許は取得しているが、それまでには血の滲むような努力があったのだ。
もちろん一発試験などは論外であり、教習所へ何ヶ月も通った結果である。
 その間はたして何度「どうせ俺は乗らないんだし、もう止めちゃおうかなあ」と思ったことか。
 いくら、歳の差があるとはいえ……。

「いや。まいったねこりゃ。バケモンかお前さんは」 
「あの程度も扱いこなせないようじゃ、俺はとっくに鬼籍へ入っている」
「例の、ゲッターロボとかいうのに比べればカンタンだ……て、ことかね」
「別に操縦の難度は変わらねぇよ。むしろレイバーの方が小難しいぐれぇだ。ただ、どこまで
歩いて止まれだの、これぐらいの範囲で旋回しろだの、モノ上げたり降ろしたりしろだの、要
求がまるっきり平和だったもんでな。
 俺はてっきりコンマ一秒で落ちてくる岩を避けろだとか、襲いかかってくる大量のレイバー
を切り抜けろだとか、そういう試験があるもんだと思って挑んだから、拍子抜けだったってこ
とよ」

「……まあ、そういうコトは、これからの実践であるかもはしれないけれど……すごいね、う
ん。あとはおまわりさんの勉強、がんばってね」

「こっちはこっちで、締め付けが多くて疲れるやな。不安なのはこっちだぜ」
「ま、あんたに優秀なおまわりさんになってくれとは言わんよ。ルールは最低限まもってくれ
れば良いさ。たとえば上官は殴らない、だとかね」
「自信はねえな」
「インベーダーをぶっ潰すんだろう? それまでは我慢もしなくちゃあな、流巡査」

「ヘッ。了解しましたぜ、後藤警部補殿」
「……おぉ。あらためて敬語使われると、ちょっとしたホラーに感じるね」
「わがままな野郎だな。どうしろってんだ」
「ま、格式ばった場所以外だったら俺に対しては自由にしてくれ。他の上官には、可能な限り
遠慮してほしいけどね。こと、特車二課以外の人間に対しては」

「ったく、これだから組織ってのは面倒くさくて嫌ぇなんだ。まあいい、適当にやらせてもらう」
「お願いします。それでなんだけどね、段取りの仕上げとして、流さんには来週、筑波の方へ
行ってもらいたいんだよね」
「茨城の方か……なにをしに行くんだ?」

「イングラムの体験会。篠原重工の筑波研究所で実施するんだ、そこに乗機シミュレータが置
いてあるもんでね。それで適性試験やって、駄目なやつはふるいに掛けちゃうわけ」

「ふるい、な。するとあの白い奴ぁ、並のレイバーより遙かに俊敏な動きをするってコトか。
ちったあ期待できそうじゃねえか」

「当たり。あれだけ格好良くて鈍足ってんじゃ、様にもならないでしょ。まあ、あんたの場合
はご足労かけちゃう訳なんだけど、あれもこれも裏帳簿ってわけに行かないからさ。一足さき
に、イングラムの乗り心地を試してみてきてよ」
371 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/24(日) 07:52:50.77 ID:3iE56A1/
 と、後藤に請われて一週間後に訪れた筑波では、ぞろぞろと精鋭たちが集っていた。
 しかし、彼らは封じ込められたイングラム・シミュレータの中で次々とナイアガラの滝をつ
くりだしていき、休憩室へ転がること死屍累々の様相を呈すことになってしまう。
 なるほど。イングラムこと98式AVは、免許取得時に用いた様な一般的レイバーとは性能のケタ
が違うのは事実らしい。
 といっても、パイロットに文字通り殺人レベルの負荷をかける、ゲッターロボのそれに比べ
れば、安楽椅子だといえたが……。
 竜馬にはむしろコクピット空間が、ギチギチといえる窮屈さだった方が堪えた。どうも大柄
な人間が乗るようには、設計されていないらしいのだ。

 なお、受験者が多いために試験は数日に分けて行うらしかったが、竜馬が訪れた日では彼と
「太田巡査」と、アナウンスに呼ばれた、柔道家スタイルの男以外は全滅だった。
 治安をまもる警察官といっても、この世界の連中は、こんなもんか。
 竜馬は、すこしばかりガッカリした印象に囚われる。
 その感情が伝播したのか、先の太田巡査が休憩室をのしのし歩き回り、

「こォの軟弱者どもがぁ。あれしきで弱音を吐いて警官が勤まるかァ!」

 と、転がる敗残者たちに無慈悲な檄を飛ばす。
 しかし。

「落ち着け、そこの。だいたいお前ぇも顔が青いぜ」
「馬鹿をいえ、俺がこの程度で……うぷ」
「気合と根性だけで持たせたってとこか。武蔵みてぇな野郎だぜ」
「ふ、ふはは。そうよ、俺はかの剣豪、宮本武蔵にも……」
(そっちの武蔵じゃねえんだがな)

 そういえば、俺を見て悲鳴をあげた小娘も採用予定だと後藤から聞いているが、姿が見あた
らない。別の日に試験を受けるのだろう。だが、この太田とかいう武蔵か弁慶を何重にもデッ
ドコピーしたような奴で限界ギリギリなのに、耐えられるのか?
 竜馬は「いっそゲッターチームで隊を組めればな」と、一瞬ナチュラルに感じたが、まだ隼
人を許した訳ではないことを思い返し、自分が居るべき世界への帰り道を想うのだった。


第一章 ライトスタッフ 〜軽めの資質〜


「佐久間か。俺だ、後藤だよ。話は聞いた、とりあえず四人送り出してくれたそうだな。期日
は少しばかり超過したが、短期間でよくやってくれたよ」

 西暦一九九八年、四月一日。
 東京都港区台場――に隣接する大田区城南島――に、また隣接する新埋め立て地にて。
 一三号埋め立て地の造成が終ってから、およそ十年。
 台場の様相は幾分かの活性化をみたものの、この特車二課が本拠地とする区画だけは今なお
閑散としている。
 見渡すばかり平地が続き、手入れがされていない場所はセイタカアワダチソウが生い茂って
土地の占有権を高らかに主張するこの空間は、埋め立て地のなかでも本土から最も離れた位置
にあり、いくつかの橋と、使用が廃止された資材搬入口を持つのみで一九八〇年代当時に揶揄
された「陸の孤島」という状況をまったくもって脱していないのだ。
372 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/24(日) 07:53:45.82 ID:3iE56A1/
 せめて、台場へのフジテレビ本社移転計画が実現していれば、もう少し状況は違ったかもし
れないのだが……。河田町本社は元気に健在である。

「ほどなくあと二人? それでしばらく打ち止めね。
 わかった。一人足りないけれど仕方がない、ありがとう。え、なに? 二人だろうって? 
いやね、ちょいとばかり凄いのが一人、自前で手に入ったもんで。うん。だから足りないのは
あと一人だけ」

 後藤は海の見える二課棟が隊長室で、同僚の南雲しのぶ警部補・第一小隊隊長のなんともい
えぬ視線を浴びながら、奥多摩の特車隊員養成学校と連絡を取り合っていた。
 南雲の視線がなんともいえぬ理由の大半は、裸足でどっかり脚を組ながら、安物の椅子に背
を預けている姿に、およそ隊長および警部補の威厳を感じられなかったことが求められよう。
 水虫を患っているから、という後藤の言い訳など、彼女へは通用しない。 

 やがて電話機を置いた後藤は、サンダルへ足を突っ込んで、おもむろに立ち上がると肩や首
の関節をゆっくり、ごろごろ回して凝りをほぐしていく。その仕草が、またしても親父臭かっ
た。
 まあ、実際親父なのだが……。
 南雲はその姿を見てひとつ瞬きをする。

 すこしぐらい異性のいる空間では、おめかしに気を遣ってもよさそうなものだが。
 こちらが彼よりも年上でかつ、女ということを忘れ去った様相を呈していたというのなら、
まだ仕方がない、と諦めもできよう。
 しかし、南雲はまだダブルスリーである。後藤さんより一〇は年下だ。ついぞ四年前までは
花の二〇代だったのだ。
 妻子つきの上司との盛大な不倫がバレて、キャリアルートから埋め立て地へ吹き飛ばされは
したものの、まだまだ枯れるつもりは毛頭ない。

 髪だって茶色……はさすがにマズかったので、栗色へ密かに染めたロングヘアーをまとめ、
お雛様の垂髪っぽくした、もみあげにこだわっている。
 上からクレームがつこうが知ったことではない。任務に支障もない。
 私は自由だ!
 なので、女とすら思われていないような言動をされると、すこしばかり哀しかった。

「ふう。やれやれ……なんとか、格好だけはつくか」
「小隊編成は八人よ。足りない一人分はどうする気?」
「八人がフル稼働するような事件は、そうそう起きんでしょう」
「起きたらどうするの。まさか、私の部隊をアテにしているんじゃないでしょうね」
「俺も入れれば八人だし、一人は二人分ぐらい動けそうな奴だし、なんとかなりますって」
「そういうハッタリばかり言っていると、本当になにかあっても手伝ってあげませんからね」
「あ、ごめん嘘。今の嘘。急いでモノにするから、それまでは協力して」

 南雲は、のらりくらりと突っ込みをかわす後藤へ、高くつくわよ、と釘を刺そうとした。
 その時である。

「隊長さんがた、いるかい?」
373 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/24(日) 07:55:32.17 ID:3iE56A1/
 老齢特有のしわがれた、しかし江戸っ子らしい威勢の良さをもった声が隊長室へ本人より先
に飛び込んでくる。
 その声の持ち主は――

「榊さん」
「おう。課長がいねえから、あんたたちに一応ことわっておくわ」

 えび茶の派手な鳥打ち帽とウールのジャケットへ細身を包み、淡いクリーム色のスカーフを
巻きサングラスをかけた立ちこそ、特車二課の最年長にして重鎮たる、整備班長・榊清太郎そ
の人であった。
 古くより警察車両の整備にあたってきた彼は、若い者にはもとより、いまや警察幹部となっ
たかつての若者たちからも、整備の神様と崇められ、また畏れられる存在である。

 幾多の場数を踏んだ経験に裏打ちされる、確かな整備技術と、有象無象の整備員たちを一喝
でひとまとめのエリートメカニックと化させる、高いカリスマ性。
 彼なくして、警視庁の機甲部隊は存在し得なかったとまで言えるのだ。

 誰かが代紋下の本田宗一郎と呼んだが、まさしくそういう雰囲気をもった人物である。
 もっとも本人はそれを耳にしたとき、

「止せやい。俺はあんな天才とは違ぇよ!」

 と、謙遜するような、憤慨するような、どちらとも取れる態度に出たが、技術一本に生きた
榊としては、技術・発明家としてまさに天才といえた全盛期の宗一郎と、それがゆえに汚して
しまった晩節を省みて、何かほとばしるような想いがあったに違いない。

 その榊が、八王子の篠原工場へイングラムの最終チェック行ってくると言い出す。
 この間も最終チェックには出かけて、彼じきじきにOKが出ているのだが、今度こそが真の最
終チェックだという。
 それとするのも原因は先日、後藤が出かけた支那料理店に倒れかかって来たところを竜馬に
蹴り倒されたクラブマンにある。これに乗っていた例のガラの悪い青年が、取り調べで「倒れ
たのは同機がオートバランサーに欠陥があり、正常に作動しなかったからだ」と言い張ったのだ。

 間違いなくに罪を軽くするがための嘘であるが、それでも篠原は、潔白を証明するためにも
やむを得ず、当該機の解体調査を行っていた。

 これがどうして特車二課にとって問題になるかというと、これから納入予定のイングラムの
オートバランサーには、クラブマンで培われたものの発展型が使われているのだ。
 榊も報道を見て、まず間違いなく被疑者のハッタリだろう、と思ってはいるが、それでも、
万が一という事がある。警察が欠陥品など掴まされてはたまらない。
 念には念を……ということで「夜まで帰らねぇよ」と残し、再び最終チェックに出かけてい
ったのだった。

 しかし、そのために事故機の調査が完了し、問題の無い事が証明されるまでイングラムの納
入は延期されること必至である。
 つまり、いましばらく第二小隊は稼働できないということだ。
 後藤はこの状況に、韜晦(とうかい。つつみくらます事。概要は小学館文庫「機動警察パト
レイバー」第一巻二八八頁参照)を決め込むことにした。
374 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/24(日) 07:56:19.68 ID:3iE56A1/
「あ、今日はいい天気だねぇ。富士山、見えるかな」
「そっちは木更津でしょ! まったくもう、人は足りない、機械は来ない。どうするつもりな
のよ」
「そういう事は偉い人に聞いて」
「第一小隊全員に残業と徹夜、覚悟しておけ、って言っておいた方がよさそうね。はあ……あ
のね、後藤さん。恨み言を言う訳だけれど、うちの石和君、新婚さんなのよ? 彼、真面目だ
から三五になってやっと籍を入れられたっていうのに」

 第一小隊の副リーダー格である石和巡査部長。名前は務ではないかと思われる。
 叩き上げの警官で、質実剛健・冷静沈着を旨としており、後輩の面倒見が良く、さりげない
ユーモアセンスもある。
 現在はレイバー搭乗員をつとめており格闘センスの優秀さと、必要ならば定石を外した戦法
や判断をも辞さぬ、広い視野をもった彼は、特車二課きっての傑物だ。

 そんな彼は三五になる今年、めでたく交通課の婦警と結婚した。都内の暴走レイバーに押し
つぶされそうになったミニパトを庇って救助したのが、馴れ初めだったらしい。
 今では、少々片付けとファッションの苦手だった弱点をしっかりフォローされて、元々男前
だったところに、さらとみがきが掛かっている。

 と、まあ。
 色々と後ろめたい過去のある隊長二人よりも、はるかに警察官らしい警察官といえるのは間
違いない。
 隊内では、なぜ石和巡査部長が隊長でないのかという声まであるぐらいだ。
 もちろん現隊長は両雄とも、そんな声には馬耳東風である。

「悪いねぇ。なんかあったら差し入れするよ」
「あらそう? じゃ、お弁当の差し入れは北大路でお願いするわ」
「……おれ、給料日前なんだよね」
「奇遇ね、私もよ」

 後藤が一瞬、素直にも「あそこの仕出し弁当って、たしか最安値でも一個、二〇〇〇円弱は
したよなァ……」とかなんとか思っていると、二課の正門へ向かって警視庁の護送車がやって
来るのが見えた。
 荷物は重要参考人等ではあるまい。
 だいたい、当施設はそういう事に機能する場所ではない。こんなところに人間専用の貨物車
がやってくるということは、つまりお待ちかねの増員だというわけだ。
 他にも見るものもないので後藤と南雲は、正門を眺められる窓の元へ揃って立った。ちなみ
に隊長室は二階にあるので見渡しがいい。
 そこには文字通り、窓際中年二人の光景があった。

・・・

 逃げるように去っていく護送車を尻目に、四月だというのに海からの潮まじりとなった寒風
が吹きすさぶ埋め立て地へ三人の巡査が降り立った。
375 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/24(日) 07:57:25.90 ID:3iE56A1/
「さ、寒い……埋め立て地だと聞いてはいたけど、こんな地の果てとは思わなかった」
「これも東京だ、現実を直視しろ!」
「フン、うるさくなくて丁度いいじゃない」

 ひとり、篠原遊馬(しのはら・あすま)巡査。
 ひとり、太田功(おおた・いさお)巡査。
 ひとり、九覧椎香貫花(くらんしい・かぬか)巡査。

「でもまあバビロンプロジェクトが進行すれば、このあたりだってもう少しは賑やかに……」
「おい篠原! 幻想を抱くんじゃない!」
「そ。私たちは警官。必要なのは現実だけよ。オーケィ?」
「な……なんなんだお前ら、殺伐としやがって」

 あくまで予備校からあがって来て、まだ実戦経験ゼロの篠原巡査が、さっそく現場あがりの
二人にヘキエキとする。
 残る二人は本家機動隊からの出向組であり、現職バリバリのおまわりさんだ。
 それも治安警備部隊を保有し「鬼の四機」とあだ名される、学生運動が横行した頃には実力
行使を以て恐れられ、いまでもその気風はがっしりと根付いている、警視庁機動隊の最恐組が
出自だ。

 だが。
 この太田巡査と九覧椎巡査。じつはその四機でも、仲良く治安維持活動という名の破壊行為
を実施することから「鉄砲玉と暴走列車」と持て余されて、追放も同然の身の上なのだ本当の
ところであった。常識的なというか、普通の若者にしか見えない篠原巡査がヘキエキとするの
も、無理はあるまい。

 そんな三人を、窓から見下ろしている後藤がつぶやいた。

「あれ……超人とアイドルがおらん……」
「予定ではあと二人来るはずよね。どうなってるのかしら」
「まさか、初日から無断欠勤、なんてこたぁないよな。ねえ南雲さん?」
「なんで私に同意を求めるのよ」
「だって心細くて」
「あのね、後藤さん」

 あなたは……と、もう何度口にしたかも解らない枕詞を南雲が吐きかけた時、ちょっと待っ
たと言わんばかりに遠くから、爆音がぐんぐん近づいてくる。
 それに南雲の開きかけた口が逆再生して閉じ、後藤の首がすこしだけのけ反った。

(来たか)

 爆音と共に、粉塵をまきちらしてやってきたのはバイクだった。
 それも大型バイク、たしかあれは後藤や南雲が青春を謳歌していた頃に、大ヒットした映画
トップガンで俳優トム・クルーズが乗り回したことで、一躍有名になった車種。
 そう、カワサキ・GPZ900R、通称「ニンジャ」だ。
 そしてその後ろに金魚のフンのごとく、ロープでグラブ・バーからフロントキャリアに繋が
れたのは、ホンダ・スーパーカブ50STDだった。
376 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/24(日) 08:03:45.43 ID:3iE56A1/
「う、うわぁああんっ怖いっ、怖いよぉおおお!!」
「うるせえ黙れ! もう少しで着くぅ!!」

 フルフェイスのヘルメットごしからもスピーカー音声のごとく轟く怒鳴り声と、その後ろで
響き渡る悲鳴がハーモニーとなって、特車二課敷地内へと土足で乗り込んできた。
 次の瞬間、ラストスパートとばかり大排気量にモノを言わせ、瞬間的な加速をかけたGPZが
未舗装の路面を跳ねたかと思うと、着地と同時にサイド・ターンをかけて停車した。
 つられて、ぐるんっ、とカブが振り回される。
 乗っていたハーフヘルメットの野明が振り落とされまいと、必至にハンドルへしがみついて
いた。
 そしてGPZのライダー。
 ザム、と土くれの地面を踏みつけて車体から降りるとフルフェイス・ヘルメットを外した。
中身はもちろん超人こと、流竜馬だ。
 辺りを、ところかまわず突き刺してまわるような視線を、周囲へ向ける。彼の周りだけ異様
な戦闘的オーラが漂っており、いまにも地面の下から赤い眼をしたゲッターライガーが突き出
てきそうである。
 そんな竜馬へ、カブのサイドスタンドをヨタヨタと立たせ、ヨタヨタと降りた野明が泣きつ
くように抗議にかかっていく。

「うぅぅ、ひ、ひどい、ひどいよ竜馬さん、あたしのカブが壊れちゃう」
「さっきからうるせえ小娘だな。遅刻しそうな所を助けてやったんだ、感謝しやがれ」
「だからってこんな……って。そんなこと言っちゃいられなかったんだ、竜馬さん、急がない
とッ」
「へっ、もう着いてんだ、慌てる必要なんざねぇ。なあそうだろう。後藤警部補さんよ!」

 くわっ、と竜馬の顔が二階の後藤へ向いた。


つづく


香貫花について。

漫画版だと、ただのファンサービス・キャラですが、どうしても本仕様で使いたくて起用。
ただ、そのままだと熊耳さんと役割が被ってしまうので、あえて降格。
かつ先々代から帰化している、警察官にもなれる(建前は)日本国籍もちの混血児、という設定になってます。

例によって怒られる前に謝っておきます。
377 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/24(日) 08:35:41.44 ID:3iE56A1/
ちょっと訂正。

>373
老齢特有のしわがれた、しかし江戸っ子のような〜

>375
「まさか、初日から無断欠勤、なんてこたぁないよな。ねえ、しのぶさん?」
378 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/24(日) 08:59:08.77 ID:G/VDk0KP
乙、なんと言う執筆の速さ
竜馬のバックスが香貫花になるのかな?お互い大変そうだ
379 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/24(日) 11:21:06.74 ID:2L95jafG
> 竜馬は「いっそゲッターチームで隊を組めればな」と、一瞬ナチュラルに感じたが、まだ隼
> 人を許した訳ではないことを思い返し、自分が居るべき世界への帰り道を想うのだった。

この文が竜馬の本質をよく表現しててすごくいい。第二次Zで信頼があっただけのことはある
380 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/24(日) 13:12:39.64 ID:O3hJ89Tt

こちらの竜馬は太田以上の問題児になりそうな予感が・・・
香貫花ならコントロールできるかな
381 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/24(日) 13:51:42.76 ID:7Hz4OXq2
チェンゲの第一部終盤で隼人にも理由があったってことは薄々悟っているだろうしな。

パトレイバー借りようかなと思ったら借りられていた。
夏休み開始あたりはレンタルが活発だけどパトレイバー借りる小中高生がいるとは。
382 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/24(日) 21:37:27.06 ID:G/VDk0KP
竜馬がお茶くみやら草むしりをやるのかと思うとワクワクがとまらんねえ
384 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/24(日) 21:49:39.08 ID:7Hz4OXq2
肉を確保するために猪や熊を捕まえに行く。
牢獄よりは何食ってもうまいだろう。


ところで、理想郷でまたゲッターロボのSSが書かれていた。
プロローグだけしかない状態で文量を感想版で指摘されていたけど。
ギャラクシーエンジェル(多分ゲーム版)とのクロスらしいけど面白ければいいな。
385 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/24(日) 23:19:57.65 ID:REFPaDFP
いや、埋め立ててる最中のお台場付近で食えそうな生き物なんて魚ぐらいしかいないだろ
野良犬や野良猫だって食うものがなきゃ寄り付かんぜ
387 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/25(月) 16:30:43.56 ID:5UpXCekw
ぶつくさ言いながら(しかし結構真剣に)、ひろみちゃんとトマト栽培してたりとか萌えるなw
竜馬の体力なら、セイタカアワダチソウの草っ原が、全部畑になりそうだw
388 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/25(月) 16:45:55.15 ID:MaaNruMa
いくら竜馬でもセイタカアワダチソウは強敵だろ
あいつら少しでも刈り残しがあったらまた生えてきやがる……
392 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/25(月) 20:06:30.17 ID:ykZis8ux
>>388
刈り残さなければいいのですよ。
定年になった家の父ちゃん、3年で空き地を畑に変えたよ。
393 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/25(月) 20:41:35.65 ID:MaaNruMa
>>392
どれくらいの規模か知らないけど3年かかってるじゃないですかー!やだー!
395 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/25(月) 21:52:13.77 ID:ykZis8ux
>>393
昔、庭つき一戸建てがあった空き地。
3年間、普通に作物も取れてたよ。
隙間に伸びてくるセイタカアワダチソウと戦い続けてただけで。
389 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/25(月) 17:40:22.38 ID:qRUvcVO2
「おい山崎、このニワトリは肉にしねぇのか?何だったら手伝ってやるぜ?」とか言ってひろみちゃんを泣かせるんだな
394 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/25(月) 21:49:59.73 ID:5UpXCekw
竜馬なら鍬の一振りで1mは掘削するから、根こそぎだよ。
396 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/25(月) 22:28:17.27 ID:ykZis8ux
>>394
セイタカアワダチソウなどまだ小物だよ。
真の強敵はドクダミだ。
こいつは根の切れ端からでも再生しやがるから、掘った土から根をきっちり分けないといけない。
帰省するたびに手伝わされるけど、未だに滅ぼせない。
402 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/26(火) 07:53:01.27 ID:n5nxp6Vs
>>396
つ[マット]
庭にマットを敷いてしばらく放っておくと、下の草が纏めて枯れます。
ドクダミの上に敷いておけばいいでしょう。

つ[塩]
庭に塩を撒けば、雑草の根まで枯らすことが出来ます。家の土台には悪いけど。

つ[アスファルト]
庭一面を舗装してしまえば、雑草は(殆ど)生えようがありません。夏は暑いかもしれないけど。
397 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/25(月) 22:39:25.69 ID:qRUvcVO2
そう考えると、飛焔の植物共って料理の仕方が違ってたらかなりの強敵になってたカモな
400 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/25(月) 23:31:36.51 ID:WXp+Hxt1
ゲッター軍団 「今日もまたインベーダーと植物獣を炒めて チンジャオロース作る仕事がはじまるお・・・・・・」
401 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/25(月) 23:55:10.28 ID:n84gw8TN
・腐りきった惑星にタンポポを植える仕事
・人造人間工場のライン
・ゲッターやかんの温度の調節

どの仕事がいい?
403 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/26(火) 09:15:59.24 ID:7s+4E8Sq
ゲッターやかんとは!?
404 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/26(火) 15:25:09.57 ID:oX4YDxQY
>>403
「真ゲッターロボ」を読むと、幸せになれる。
405 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/26(火) 21:08:06.19 ID:milmiEEz
伊賀利君が登場する話の「ブオサ」ってコマがめちゃめちゃカッコよかったな
406 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/26(火) 21:32:08.05 ID:63j6uoVh
ゲッターやかんの隣に浮いてる丼みたいなロボは一体何なのか
407 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/26(火) 22:21:27.20 ID:piLSVkof
たぶん、漫画には映ってないけど
痛車ならぬ痛ゲッターや痛戦艦があるかも。
409 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/27(水) 01:18:52.57 ID:+4HSPlZU
エンペラー「まじぃ〜、ダビィーン破壊すんのダリィんだけどぉ。

エンペラー2、手伝ってくれへん?」
410 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/27(水) 02:17:57.87 ID:zZqDD2m6
それぞれのクロス作品の萌えキャラがプリントされた痛ゲッターエンペラー
412 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/27(水) 10:32:58.31 ID:QY/zeY4K
やろうと思えばどんなアニメキャラもクローン技術で実現化できそう
413 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/27(水) 11:57:21.12 ID:s0RnULd9
モエキャラならば実写版ネギま状態になりそう。
それに艦ごとに偏りがありそう。
女性はボインちゃんだらけだったり。
414 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/27(水) 20:47:07.07 ID:QY/zeY4K
まったく住民はすぐそうやって隼人さんをドスケベ扱いするー
415 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/27(水) 22:56:23.23 ID:mf/Vohf1
>>414
ボインちゃん軍団を作っているのが隼人だとは、誰も言っていないのに……(´・ω・`)
416 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/27(水) 23:00:54.76 ID:U68iyo5g
そうだよリョウだって甲児だって鉄也だってボインちゃん好きだもんねえ(笑)
417 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/27(水) 23:04:04.91 ID:xGcy/TC3
TV版弁慶はロリコンの気があるから……。
竜馬の艦は豪快な奴らが集まってそう。
419 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/28(木) 02:04:34.63 ID:B1CzC14l
>376 から続き

タイトルは適当なのが思いつかなかったので、
「真ゲッターの竜馬がパトレイバーに乗るようです」とでも、しておきます。


「へっ、もう着いてんだ、慌てる必要なんざねぇ。なあそうだろう。後藤警部補さんよ!」

 くわっ、と竜馬の顔が二階の後藤へ向いた。
 これに当の後藤は思わず、そのまま叩かれるモグラのように引っ込みたくなったが、ここは
我慢だ。
 そう思っていると、代わりに隣の南雲隊長が、ひょいと後ろへ引っ込んでいく。
 あれ、以心伝心したのかな?
 のんきに構えていると、しかし彼女の流れる横顔に、どうしようもない怒気が張り付いてい
るのに気づいて、後藤はうなじのあたりに脂汗が流れるのを感じた。
 南雲が引っ込んだ理由は他でもない、拡声器を引っ張り出しにいったのだ。見つけると、ず
いと引ったくるように手に取り、ずかずかと窓際へ戻ってくる。

 そしてそのまま、すう、と息を吸い込んだ。
 後藤はオートマチックに耳をふさぐ。

「なんですか、そこのオートバイ!! 警察の敷地内で暴走の真似事をした挙句、上司に向かっ
て、その口の利き方はッ……」

 まとでもあろう、とする警察官上司の叱責が炸裂しようかという瞬間だった。
 しかし「利き方は……」の後につづく最後の句を吐き出す前に、南雲は凍り付いてしまう。
 後藤へ向けられていた竜馬の視線が、びしりと自分へ向いたからだ。まるで、光線銃でも撃
たれかのような、鋭い、鋭すぎる迫力が地上からでも、一瞬で伝わってくる。
 まさしく殺意そのものだった。
 恐るべき恐怖が南雲を襲い、肩はぶるぶると震え出す。抑えようと思っても、止まるもので
はない。

 ――な、なんだあの男は……。

 あんな人間は、今まで相手したどんな凶悪犯にも居なかった。何人かを連続で殺めたような
殺人者であってもだ。
 ところがどうだ、あの地上の男は。もはや視線だけで人が殺せそうではないか。
 くそ、警察官がこんな威圧に屈するなどあっては……。

「……ちょっと貸してね、しのぶさん」

 後藤は南雲が動かなくなったのを確認すると、ゆっくり両耳を塞いでいた掌を離した。
 と、彼女の手から拡声器を奪うと、窓から身を乗り出した。
 突然のことに、おろおろしていた竜馬以外の人間のすべての視線が集まる。

「あー、テステス。本日は晴天なり。諸君、静粛に。はい静粛に。
 本日は特車二課にお集まりいただき、誠にありがとうございます。さっそく制服なりなんな
りの授受があるワケだから、バイクは格納庫のわきにでも片付けて、とっとと上にあがってき
てちょうだい」
420 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/28(木) 02:06:59.64 ID:B1CzC14l
 そう声をかけると、やっと状況を理解したのだろう。
 総員がよってたかって竜馬と野明のバイクを、二課棟のすみっこへ押しのけると、全員で竜
馬の背を押すようにして入り口に押し込んでいく。
 今日からの部下どもとプラス一人は、どやどやと下から隊長室へあがって来て、特車二課専
用の制服を受け取ったのちに、着替えるべくロッカー室まで再びどやどやと移動していった。
 そして、さらにどやどやと戻ってくるまでの空白時間を、後藤は南雲をなだめつつ、慰める
ことに利用した。

「後藤さん! なんなの、あれは!」
「なんなのってこないだから話していた自前で見つけた隊員だけど」
「そういう事を訊いているんじゃないわ。あのぼさぼさの髪に、あの態度! 後藤さんは何を
考えてあんなのを――」
「だから何度か話したでしょ。特別なのよ、あんなのは」
「でも!」
「……言っちゃ悪いんだけどさ。アレはおたくの石和巡査部長が束になってかかってたとして
も、あっ、という間に蹴散せるレベルの化物かつ逸材でね。だから色々あって、俺の隊で保護
兼活用することになってるわけ。ここは堪忍してくれ、しのぶさん」
「うぅぅ」
「怖かったのは解るよ。俺の胸で泣いてもいいからさ」
「……結構です!」

・・・

 対して若者一同。

「ったく。てめえら、よってたかりやがって……」

 四人におしくらまんじゅうにされた竜馬が、髪型がくずれたじゃねえか、とセットしてもい
なさそうな伸び放題のそれへ手を突っ込みながら、いった。
 その、なだめ役は野明に回ったというか押しつけられたらしく、彼女はまるで子分かなにか
のように、ずしずし歩く竜馬の前をちょろちょろして愛想をふりまいている。

「まーまー竜馬さん。いきなり上司と喧嘩しても始まらないでしょー」
「ケッ。俺は権力をかさに着た奴ってのがな、死ぬほど嫌ぇなんだよ」
「いや俺だって好きじゃないけどさ、あんたいきなり飛ばしすぎだろ。どうなったって知らんぞ」

「そうだぞお前……筑波で一緒にいた、流とかいう奴だな? 俺より喧嘩っ早いようだが、警
察という組織をなめるなよ。あとで痛い目に逢うぞ」
「痛い目に逢わせに来りゃあいい、実力でも陰謀でもな。一千倍にして返してやるぜ。波風た
ってるのは嫌いじゃあねえんだ」
「狂戦士みたいな奴だ、なんで警官になれたんだ?」
「なりゆきってやつよ」

「マジかよ……どうなってんだ日本の警察は……ああ、もういいや。ところでなんだな。ずい
ぶん、がらんどうっていうのか、隙間の多い施設だよな。ここ」
「外に『半沢工業は倒産しました』とかいう貼り紙があったわよ。廃工場でも買い取ったんでしょう」
「なるほど、倹約というものだな」
「何いってるの。ケチっていうのよ、こういうのは。それに、こんな交通の便の悪いところに
工場をつくるような経営センスは疑うわ。だからつぶれたのね」

 と、集った竜馬・野明・遊馬・太田・香貫花の五者はそれぞれ五様に、好きなことを並べた
てながら、横一列になって廊下をゆく。
422 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/28(木) 02:11:15.57 ID:B1CzC14l
 その言葉に、野明の肩ががっくり落ち、遊馬の頬がぴくり、と動いた……気配を、後藤は背
に感じ取る。
 南雲の咳払いが聞こえる。
 後藤は同僚と部下のモチベーションを落とさないためにも、再び口を開いた。

「と、いうワケにもいかんから……とりあえず、きみら五人のポジションを発表しておこう。
まず泉野明巡査」
「ハイっ」
「一号機フォワード、イングラムに搭乗」
「! やったっ」

 メイクドラマとはいえ、そんなことはつゆ知らぬ野明は総毛立つように喜びを露わにした。
まるで犬だ。

 なお、特車二課小隊におけるチーム構成は、一機のパトレイバーにつき、搭乗員すなわちフ
ォワードがひとり、指揮車にて管制を行うすなわちバックスがひとり、レイバー用トレーラー
の運転にはじまり、出動先でのレイバー用電池交換などの補佐がひとりの計三人一組が基本と
なり、これを各小隊が三組ずつ保有することになっている。

 ただし、それは建前の話であって、小隊の編成が八人ということからも、そのうち一人分は
隊長が補佐を兼任せねばならないのが現実だった。なぜ、そんなイビツな事になっているのか
というと人件費の都合である。
 
 そこの部分だけ聞けば、首都圏の治安を維持するのに不可欠な部隊に対して、なんという扱
いか、と思う人間は多いかもしれない。
 が……レイバーは、ある程度の物量をもって使うものとしては異常なまでに高額なのだ。
 どんなに格安に造られたものでも、新品の価格は数千万円をくだらず、用いられるパーツも
本体価格のそれに順当する。

 純警察用に開発されたイングラムに至っては、一機につき五六億七千万円(それも、今回は
三機をまとめて納入したからの価格であり、もし単体であればさらに跳ね上がる)という、も
はや戦闘機並の値段に昇っているのだ。
 それがどれほどのものか、解りやすく他の装備と対比してみると、警察庁が毎年導入してい
るパトカーは一括での落札価格が、だいたい一〇億円を前後する程度であり、高額装備に部類
されるヘリコプターも、一機にかかるユニットコストは二〇億円を若干、下回る程度である。

 比べてみると、いかにレイバーが高額の装備品になるか頷けよう。
 よって、特車二課はレイバー以外にかかるコストは少しでも削減せねばならないのが実状だ
った。
 ここで要領のいい後藤などは、足りない人数を補うべく整備員から適当な人員をみつけて雑
用を丸投げしたりするが、そのあたりが真面目な南雲は、隊長ながらも小間使いのように動く
ことが多かった。
 まあ、最近はみかねた山田整備員(年上好き)が率先して、補佐をつとめてくれるようにな
ってくれたおかげで肩の荷が下りているのだが……。

 話がそれた。
 本題へ戻そう。
 後藤はいつの間にか手にバインダー挟みの書類を持っている。隊員の名簿だろう。
423 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/28(木) 02:12:01.38 ID:B1CzC14l
「次、篠原遊馬巡査」
「はい」
「一号機バックス、指揮車担当」

 あの、拷問マシンへ乗らずに済んだか……。
 発表を聞いて、遊馬は芯の底からホッとした心地になった。
 隣に立つ泉野明巡査が、なにゆえ喜んでいるのかまったく理解不能だ。あんな、三〇分も乗
れば、レイバー免許を持った立派な大人を、次々に吐瀉物の海へ叩き落としてくれるような欠陥品
に乗れて嬉しいなんて、こいつ、よもやとんでもないマゾヒストなんじゃなかろうか。
 と、わきおこる疑念に戸惑っていると、ふいに後藤が口をひらいた。

「ところで何でバックス担当だか、解る?」
「泉巡査より頭がいいからだと思います」
「ちょ、ちょっとなんですってぇ!? しっつれいな!!」
「なかよくやろうぜ」
「どーやってよ!?」
「お前、その挨拶はないだろう」
「ないのはそっちでしょっ」

 ……よかった、変態娘じゃないみたいだな。
 俺の担当が一号機バックスということは、今後、この娘と組んでいかなければならないとい
うことである。アブノーマルな世界に興味はないので、ちょうど後藤隊長が挑発に使えそうな
質問をしてくれたのを幸いと、カマを掛けてみた。
 普通であれば、初対面の人間にこんな見も蓋もないを言われたら怒るだろうから。
 で、いたって正常な反応が返ってきた。つまりこの娘は正常だ。
 よかった。これで、こんもりと山積している憂いのひとつは消えてくれたのだと思うと、遊
馬はさらにホッとした。
 さあ、あとは適当に怒った相手といざ口合戦。

 南雲の咳払いが聞こえる。

「あー、二人とも静粛に。次。太田功巡査。二号機フォワード」
「ったく予備校上がりどもは警官の自覚がなくて……はッッ!!!!」
「……顔もでかいけど声もでかいねえ」
「放っておいてください!」

 後藤もたいがいに口が悪いものである。
 南雲の咳払いが聞こえる。

「はい次、ええと……くらんしー……かぬか……九覧椎香貫花巡査。二号機バックス担当」
「ハイ」
「珍しい名前だね、上も下も」
「米国系帰化人の系列なものですから。でもご心配なく。私は日本人として愛国心をもってい
ます」
「いや、そういう事を言いたかったんじゃないんだけどね。……太田とは同郷の四機出身で、
仲も良いそうじゃない。これからもその塩梅で頼むわ」
「了解です。鬼の四機に恥じぬ闘いをしてみせましょう。ねえ太田」
「おうともよ! 予備校あがりどもに現職のスゴさを見せつけてやらねば」
424 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/28(木) 02:12:42.97 ID:B1CzC14l
 闘いときたかね。
 なんか、心配になってきたな……後藤は今更ながらに不安をつのらせつつ、そのうち最も不
安な要素である竜馬へついに目を向けた。

「で、ラスト。流竜馬巡査……三号機フォワードね」
「おう」
「バックスはこのあとに配属される人間をあてるから、それまでは俺がバックス担当ってとこ
かな」
「俺は指揮なんざいらねえよ。邪魔なだけだ、一人で暴れさせてもらうぜ」
「おいおい。暴れちゃ駄目でしょうが」

 懇願するような後藤の声に、竜馬は、へっ、といつもの邪悪めいた凄みを返す。
 南雲の咳払いが聞こえる。

「……以上、皆のポジションでした。おっつけ、あと二人配属されてくる予定だが……とにも
かくにもレイバーが無いんじゃ、どうしようもないわけだ。つうわけで」

 と、ここでずっと隊員に向いていた背がようやく、本来あるべき方向へ向き直る。その顔は
常時変わらぬ半目の眠そうな笑みが、やはりまったく変わらず張り付いていた。
 だが、思考はぎゅんぎゅんと音をたてて回っているのだ。
 回転数にして20,000rpmぐらいだ。
 そろそろ隊長室から、この規格外れどもを追い出さないと、しのぶさんの喉がおかしくなっ
てしまう。

「準備運動でもやってもらおうか」

・・・

「おいこら、そっちをあまり下げんな!」
「命令をするな命令をっ」

 廃工場を改築した特車二課棟は、新築されている途中の、第二小隊用のレイバー格納庫と、
一次建造物たる背の低い中央隊舎、第一小隊用のレイバー格納庫とが、一列に横並びとなって
建っているのが特徴だ。
 その隊舎の中で、遊馬と太田がスチール机だの、ラックだの、ビニル紐でまとめられた埃臭
い書籍だの、ダンボール箱に封印されて中身はなんだか解らないが、やたらめったら重いもの
だの、とにかく重量のかさむものをかついで、行ったり来たりしている。

 後藤隊長によれば、なんでもまだ第二小隊用のオフィスも出来上がっていないのだそうだ。
 というわけで、せっかく余った人手が、オフィスづくりに起用されているわけである。

 普通、そういう重要な箇所は隊が発足すると決まった時点で、いの一番に出来上がっていそ
うなものだが……。
 なににせよ単純な力仕事には男性陣が活躍する。

「ったくよー。オフィスづくりから始めさせられる地方公務員なんて、聞いたこと無いぜ」
「文句が多いぞ貴様は!」
425 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/28(木) 02:13:42.97 ID:B1CzC14l
 そして、一方の女性陣はというと、

「竜馬、今度はそれを持っていって」
「竜馬さん、こ、これもいいかな?」

 突っ立つ竜馬に次から次へと、荷物を押しつけていく姿がよく目立った。
 なにせ竜馬が、遊馬と太田を合わせて数百人ぐらいゲッターチェンジさせたような怪力無双
の男なので、荷物を持ってよたつく、などということがない。
 よって、そこへ目を点けた女性陣に、人間フォークリフトと化させられていたのだった。
 いや女性陣というより、香貫花がほぼ全権を握っていて野明の方は恐る恐る、なのだが。

「てめえら……少しは自分で持ちやがれ」
「あ、そっ、そうだよね! じゃあこの書類の束を……」
「まちなさい野明。あなたや私が運んでも、かえって足でまといなだけよ。転んで怪我でもし
たら始末におえないわ。私たちは、私たちにできる事をしましょう」

 そういってサボる気だな、と竜馬は吐き捨てるが香貫花のいった事はあながちハズレでもな
かった。じっさい、太田と遊馬が二人がかりで一台の机を運ぶ間に、竜馬は一人で三倍の物量
を移動してしまうのである。
 正直にいうと、竜馬だけで事足りるのだが、さすがにそれを認めてしまうのは色々と問題が
あるので、太田と遊馬も汗をかくに決め込んでいた。
 その彼らよりも非力な彼女らに、出る幕はない。

「だいたい終わったかな?」

 そして、あっという間に最後の机を片手に廊下をゆく竜馬へ向かって、隊舎唯一の喫煙所に
制定されているスペースから、後藤の声がかかる。
 タバコなんぞ燻らせている暇があるなら、少しは手伝ってくれてもよさそうなものだが、こ
の警部補は頭脳労働が専門らしい。

「これでラストだ。しかし後藤さんよ、優雅なもんだな。おい」
「いや、考えることがいっぱいあってね。ちなみに終わったら次の仕事があるから」
「この野郎……」

 そしてオフィスづくりが終わった一行に「次の仕事」が凱旋される。
 隊長室へのお茶淹れだった。
 仕事なのかどうなのか解らないが、とりあえず実行せねばならないらしい。

 給湯室にて、安物の一口ガスコンロの上で沸騰する蒸気口つきのやかんと、あまり高級そう
には見えない茶葉の筒に、地味な湯呑みを前に太田が咆えた。

「これが仕事か、おい! これが!」
「明日を信じましょ太田さん! ねっ!」
「……誰がお茶もっていくかジャンケンで決めよーぜ」
「俺はやらねえぞ」
「まあ待ちなさい。力仕事はあなた方にさせちゃったから、ここは請け負うわよ」
「香貫花」
「それに運動して喉かわいたでしょう? たしか冷凍庫に氷が……」
426 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/28(木) 02:15:02.29 ID:B1CzC14l
 と言い、香貫花は先ほどとはうってかわって、サクサク動きはじめる。
 備え付けの、緑色をした妙に角張った冷蔵庫に突っ込んであった製氷皿を取り出し、小さい
食器棚から適当なグラスと耐熱ピッチャーを見繕って野明に「洗って」と渡すと、その間に皿
をこじってパキパキと氷のブロックを切り離していく。

 そして洗い上がったピッチャーへ氷を投入すると、急須に向かう。
 さじ三杯ほどの茶葉を淹れて、沸騰した湯を四〇〇ミリリットルほど注いだ。三〇秒弱待機
してから、ピッチャーへ注いで急冷却させ、三つのグラスへ注ぐと男たちに手渡していく。
 冷茶をつくるには安物の番茶は、むしろ都合がいい。

「お疲れね、竜馬」
「お、悪ぃ……」
「ほら二人も」

 うまいものである。
 春あたたかな気候のもと、運動したあとの冷茶も、香貫花の人心掌握術も。
 そして野明と自分には二番煎じを、さっと淹れて飲み、隊長室へ持って行く分は三番煎じを
適当かつぞんざいに注いで、率先して持っていったのだった。

「隊長、お茶をお持ちしました」
「ありがとね。いや、皆仕事はやくて助かるわ」
「どうも。では失礼します」

 さっと身を翻した香貫花の背を見つつ、後藤は茶を飲む。

「あ、これ出がらし……」

・・・

 さらに時計の針がぐるりと回って二日目。
 やはりイングラムはやって来ず、第二小隊メンバーに課せられた仕事は、書いて字のごとく
「草刈り」だった。
 これに対する隊員たちの気持ちは、太田の、
「くそぉお、何が明日を信じろだあっ!!」
 を、以て代弁されている。

 しかしなぜ警察官が草刈りなのか?
 理由は、特車二課の本拠地たる埋め立て地は、開発がまったく行われていない裸地であり、
繁殖力の強いセイタカアワダチソウが、無造作にあちこち自生しているからだ。
 その名の通り、ゆうに二メートルは越す背丈に伸びて群生するうえに、前述の通り非常に生
命力が強く、狩っても狩っても生えてくる嫌われ者である。
 だが、植物は人間をなめてはいけない。
 なぜなら竜馬もまた、猛威を振るう存在なのだから。

「っおりゃああッ!!!!」

 竜馬が両手に鎌を持ち空中高く跳び上がると、そのまま大地へ鎌を叩きつける。伝わった衝
撃は凄まじく、ドワオと快音をあげながら土がめくれあがり、衝撃波がまっすぐ走った。
 それはそもそも、鎌の使い方が本来と違うのだが、彼の持つ鎌はなぜか緑色に発光している
ので、普通の使い方でなくても構わないのかもしれない。
427 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/28(木) 02:16:16.79 ID:B1CzC14l
「ゲッターミニサイト!」

 とか叫んでいるので、たぶん間違いあるまい。
 全身運動でストレスが発散できるのか、嬉々として二課の地に生える草という草を、衝撃波
で壊滅させていく竜馬であった。
 それを遠目に、残る第二小隊メンバーは雑草軍団の死骸を除去して回っていたが、その姿は
さながら野球のボール拾いのようでもあった。
 最中に、竜馬脅威の身体スペックが一端を垣間見た四人が、ひそひそと話し合う。

「なあ、太田」
「なんだぁ篠原」
「あいつさあ、三号機フォワードだったよな」
「……そうだったか?」
「ええ、間違いないわ。三号機よ」
「あいつ、レイバーに乗らない方が強いんと違うか? あの破壊力見ろよ、そこらの工事現場
のタイラント2000や、ヘラクレス21なんかメじぇねえぞ。そうは思わんか野明」
「そ、そうかも、ね……アハハ……」
「案外、リミッターとしてレイバーが必要なのかもしれないわよ」

 ぼそり、と香貫花がつぶやく。
 通常であれば、ちょっとしたジョークとして受け流してもらえただろう。だが、眼前に広が
るは竜馬無双の世界である。
 うかつに射程範囲内に入れば、セイタカアワダチソウもろとも東京湾の藻屑にされそうだ。
 野明はふと、思った。
 強靱すぎる生命体を機械の鎧で抑えようなんて発想は……

「そんなぁ、エヴァンゲリオンじゃあるまいし」
「エヴァンゲリオンって何?」
「えーッ!! 知らないの香貫花ぁ!?」
「……なによ、知らなくて悪い?」
「いやっ……悪くはないけど、あんな、社会現象にもなったのに……」
「落ち着け野明。
 いくら社会現象でもアニメはアニメだ。興味の無い人間は、綾波レイも惣流・アスカ・ラングレーも知らん!」

「うー。私が好きなのはトウジなんだけどな……かわいいから」
「渋いとこつくな、お前。普通、女のコはみんな「カヲルくーん」か「シンジくーん」なのによ」
「あたし、どっちもちょっと苦手なんだ……だって、なんか、ホモくさくて……」
「……ふむ。そういう意味でも渋いのな、お前」
「んあ?」

 竜馬のおかげで雑用の大半から開放される四人は、暇だった。
 とくに野明と遊馬は、なにやら符合めいた言葉を交して意思疎通が図られている。だが、

「おい香貫花ぁ、あの二人はいったいぜんたい何を話しとるんだ?」
「だから私も知らないわよ」

 一九九六年に放送開始されたテレビアニメーション作品「新世紀エヴァンゲリオン」は空前
の大ヒットを起こし、翌九七年には劇場版も製作され、大いに興行成績を収めた。
 そして続く九八年現在もまだ、その熱狂は冷めやっていない。
428 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/07/28(木) 02:17:13.44 ID:B1CzC14l
 しかし、それはあくまで少年と少女と、アニメマニアたちの間での話であり、機動隊一本で
正義の鉄拳をふるってきた大人、という意味での一般人である太田と香貫花には、ついていけ
ない世界のようでもあった。

 それにしても、こんなどうでもいいような事を並べ立てなければならないのも、全てはイン
グラムが納入されてこないからだ。
 さすがに、この状況を篠原重工側も憂慮したのか。
 竜馬によって滅ぼされた、セイタカアワダチソウ最後の日の夕刻。隊長室に、一報が舞い降
りる。

「さあて……いよいよだな」
「後藤さん、今の電話はもしかして」
「うん。イングラム三機、今夜到着だ。さらに残る隊員二人もね。忙しくなるぞ」

 新型機到着す。
 後藤より発せられた情報が隊舎に広まるや、隊員たちは隊長室に殺到して、各々夜勤を希望
する事態が発生した。それも第二小隊メンバーだけではない。
 特車二課整備班が全員、夜勤を希望してきたのだ。

 それだけ、今回納入されるイングラムには期待が集中しているということだ。従来までの市
販品を警察向けに改造したものではなく、純警察用の専用機。
 少しでも早く動かしてみたい、いじってみたい、バラしてみたい、という輩で隊舎は一杯だ
った。
 哀れなのは追加の隊員について、誰も興味を示していなかったことである。


つづく
429 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/28(木) 02:43:26.78 ID:nfcM1Ok9
全体的にレイバー色が濃くて竜馬のキャラがいい感じに薄まってて(馴染んで?)面白い
平和でいいわ〜
430 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/28(木) 07:09:12.97 ID:PhwDnG1y

やっぱり竜馬は目立つな。
経歴偽造しているから目立だたない方がいいんだろうけど目立つなってのは無理話だしな……。
431 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/28(木) 07:51:22.63 ID:fF/DcrGV
乙、竜馬無双w 

機械が拘束具ってのはGガンなんかでもあったなぁ
師匠とか生身の方が強いけどルールだから仕方無く乗ってるとか何とか
432 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/28(木) 08:14:02.96 ID:E9Ts2fOf
師匠とゲッター線……
詫びを入(ry
436 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/28(木) 13:56:21.52 ID:Y7IcJ8Lb
>>432
「神様からのプレゼントだ」や「風が教えている」
みたいな比喩や擬人法みたいな感じだけどね。

「すまないがもう少し、この星のために戦ってほしい」
ってならなばいいけど、詫び方が
「チョリーッスwww! メンゴwwメンゴwwwwもうちょっと人類のためにぃ戦ってちょんまげwww」
だったらやだな。
433 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/28(木) 08:25:26.37 ID:p96mTqix
あれは一歩間違えたらGガンダムとゲッターロボのファン両方からボロクソに叩かれても可笑しくなかったと思う。俺はああいうの大好きだけど(笑)
434 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/28(木) 09:20:06.01 ID:CfRgBMI/
乙でしたー、しのぶさんそんなにビビらなくてもいいんですよ?
435 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/28(木) 13:31:55.67 ID:AIEJYVie
進士さんのこの後はどうなるんだろうな…。
444 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/28(木) 22:04:18.65 ID:cMUMFLBM
>>435
進士さんの胃がやばいことになるな
437 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/28(木) 16:42:28.99 ID:fF/DcrGV
この度はわたくしめの不始末のせいで〜
みたいな感じじゃないかと思ってるw>ゲッター線の詫び

ふと思ったんだけどゲッター線のある世界の数だけエンペラーか
それにあたる存在がいっぱいいたりするんだろうか?
438 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/28(木) 18:05:50.94 ID:rSi7ZuEr
石川宇宙的には全部同じ宇宙なんじゃないの?別ではあるけど
あんなのがごろごろいたらいやだなぁww唯一無二だろう
448 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/28(木) 22:55:50.99 ID:GaX4CInf
>>438-439
別宇宙(パラレル)での同一個体の差ってネタは『破壊魔定光』があったな。
主人公の(意図せぬ)能力によりパラレルワールドすべてが崩壊してしまうので、
別の世界の主人公が怪物に転生して主人公を殺しにやってくるって話。
そのように、未来を知った並行世界の竜馬、隼人、武蔵、弁慶たちが、
ドラゴンの眠る世界の早乙女研究所に責めてくるってネタもおもしろいかも。
449 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/28(木) 23:05:47.31 ID:Y7IcJ8Lb
>>448
その漫画は不良の主人公の並行存在は
女だったり、天才科学者だったり、殺人鬼だったり、双子だったりしたな。

>別の世界の主人公が怪物に転生して主人公を殺しにやってくるって話。
多分、新竜馬あたりが別世界のゲッターに戦いを挑んでいそう。
公式なのかは微妙だがカムイは飛焔でそんなことをやっていた。


どうでもいい話だが
ここに短編が投下された終わりのクロニクルでは両親が実は性別以外が平行世界の本人同士
というキャラがいたらしい。
439 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/28(木) 18:30:01.65 ID:p96mTqix
それこそマンガ版真ゲッターに出たエンペラーとチェンゲに出たエンペラー、サルファに出たエンペラー、Dに出たエンペラー、Wに出たエンペラーが同じゲッターエンペラーだという保障はないな(笑)
440 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/28(木) 18:30:21.32 ID:kHCQ3XtL
もっとも時天空と戦う頃には、エンペラーは真エンペラーと化して
他のゲッター艦隊が、漫画に出てきた頃のエンペラーサイズにまで進化していそうだけど。
442 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/28(木) 19:35:23.46 ID:ZScNuSc0
邪鬼王といい、パトレイバーといい。
このスレのゲッター線レベルは、かなりたかいな。
続きが読みたいという、衝動が高まる一方だ。
446 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/28(木) 22:34:58.09 ID:Y7IcJ8Lb
そういえば、レイバーの人が80〜90年代の状況のことを言っていたけど。

ラノベのフルメタルパニックの作者も「ソ連」を知らない人が増えてきているとか言っていたな。
古参ファンはともかく、新規の人は物心ついたときにはベルリンの壁もソ連もなくなっているころだからな。

だからこそ、つい最近まで睨み合っていたアメリカとロシアが手を組んで戦う號の終盤は
当時を知っている人と知らない人には受取りの差があるんだろうな。
450 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/28(木) 23:08:08.15 ID:liRA4kpP
ゲッターパトレイバー面白い!!
次々と投稿してくれるのはありがたいですね。

他の作者さんのも楽しみに待っています。
451 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/29(金) 00:16:37.27 ID:U8zP3T/n
そういえば新ゲの終盤で竜馬に語りかけてた天の声って何者だったんだ?
声から察するに漫画版の竜馬だったりするのか
464 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/29(金) 09:00:59.48 ID:yJZ00EVw
乙乙、どんどんSS投下されて嬉しいぜ

>>451
ゲッター聖ドラゴンに取り込まれた別の世界の竜馬じゃないかと思ってる
こんな事になっちまったがあくまでこれは可能性の一つだからお前は別の未来を〜みたいなw
452 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/29(金) 00:48:19.32 ID:4bU22G0E
マブラヴのを書いていたものですが。
久しぶりに投下します。
時間を一気に飛ばします。
453 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/29(金) 00:50:54.33 ID:4bU22G0E
 今年で21世紀にようやく入った年も10月すぎた。
 日本の10月の景色と言えば紅葉が始まり、山を赤く紅く染める。
 花は菊や石蕗、金木犀などの咲盛りで鮭が生まれた川に帰り、柿などの果実が実り次の生命をはぐくもうとし始める。
 だが、この地には生命と呼ばれるものはなく。
 ただただ拡がるのは地平線まで荒れ果てた平地。
 その平地の向こうから醜い死神が我先にと列を成し迫る。

≪CP(コマンドポスト)より各機、BETAの――≫
 いつもの通り彼は冷静に現在の状況を聞く。
 彼、神隼人は二年近く付き合っている愛機の中で網膜に直接移される映像を見ていた。


 思えば、始まりはいつの日だったのだろうか。


 『新技術開発』のテストパイロットとして選ばれたことだろうか。
 場所は日本、実験小隊のリーダーとして中尉に昇格、などの条件などがあった。
 年齢、経験、能力、キャリアからして彼はすでに大尉、年齢が年齢ならば佐官になっていてもおかしくはないのだが
 どうにもその気がなく、未だに少尉である。
 そもそも、テストパイロットに選ばれるのはエリート中のエリートである。
 出世街道から大きく外れた自分にそんなものが来ることがおかしいのだ。
 そんなむちゃくちゃ胡散臭い誘いであるものなのだが、なぜか惹かれるものを感じ。
 それを引き受けた。

「まあ、栄転みたいなものだ」

 上官は苦笑いで彼を送った。
 彼はお世辞にも愛想も、人付き合いも、礼儀がいいというわけでもないので
 彼らの付き合いは深くもないし
 さらに、少々の問題があるために転々と移されることも少なくもなかった。
 付き合いも長くもないが、彼の性質はよく分っていたからだ。
454 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/29(金) 00:52:56.62 ID:4bU22G0E


「分った、了解!」
「ヘイヘイ、足止な。りょ〜かい」

 てんでバラバラの応答が返ってくる。
 その応答と同じように、彼の率いる小隊も機種がバラバラである。
 実験のためとはいえ、ここまで機種がバラバラなのはありえないことだ。
 激震、海神、不知火がベースが各一体ずつの三機が荒野に並び立つ。
 隼人の小隊は現在この三機の編成である。
 この隊も元々は普通の小隊と同じように四機編成だったのだが。
 諸都合で一機がいなくなったために、今は三機編成である。
 補充要員の話はまだ聞いてきいていない。

≪いくぜ!≫

 重装備の戦術機『金剛』の衛士が気合いを入れて叫ぶ。
 べースとなった海神はただでさえミサイルランチャーや両肩、前腕に武器が
 しこまれているなど重装備だが。
 この機体は頭頂部に巨大なガトリングを装備しているなど
 これはさらに重装備させたものとなっている。
 背中に巨大なミサイル二機、大腿部にもミサイルコンテナ、二の腕にも、頭部にも、掌にすら。
 いたるところに火器が仕込まれている。
 開発者の趣味であり、装備重量も気がないことが分かる。
 いや、何か吹っ切れて気にしなくてもよくなったというべきであろう。

≪フォックス1≫

 打ち合わせ通りに金剛のミサイルランチャーが開き。
 そこから、大量のミサイルが白い煙の尾を引きながら発射される。
 AL弾――アンチ・レーザーは光線級のレーザーを軽減させる効果がある。
 打ち出されたミサイルはある程度の距離まで上昇すると、光線級がそのミサイルを察知。
 それをレーザーで撃ち貫き蒸発させる。すると内部の重金属の粒子が辺りに散布。
 それによって、レーザーの威力を減少させる。
 ただし、このミサイルには通常のモノは違って、特殊な処理を行われているために
 粒子がエネルギーを従来それよりも高めの効果を発揮する。
もちろん、この一機が異常な量撃て、特性のモノであるにしても所詮一機である。
戦艦の強固な対弾耐熱装甲をものの十数秒で気体に変える光線の前ではその溶かすまでの時間が数秒延びれば御の字。
 だが、その数秒は激しく動き回る戦場ではが生存確率の大きく影響するのは事実である。

455 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/29(金) 00:54:59.59 ID:4bU22G0E
 僅かな時間を稼いだコンテナを切り離し、膝を曲げ人間で例えると正座の姿勢になる。
 これは一休みするというためではない、この機体は脛にキャタピラが仕込まれており
 この姿勢を取ることにより、タンク形態(モード)に移行する。
 この形態の方が支援砲撃に専念する時には姿勢を安定するため向いているらしい。
 ただ、機動性は犠牲になるために周囲のある程度安全が確認した時のみ使える。
 また、立っている時でも足元に小型種が群がった時にキャタピラを高速で回転させることで弾く
 という変則的な使い方もある。

 右肩に当たる部位のガトリングがそれ独特の音を出し、左肩のキャノン砲、両前腕の36mmのチェーンガン
 それらが一斉に轟き生みだす弾幕の暴力の様はまるで小型要塞。



 その暴力の騒音を合図に餓狼が動き出す。
 原形機からかけ離れた高出力と強靭な電磁伸縮炭素帯が生みだす剛力。
 その剛力が強弓から放たれた矢のように戦術機を跳躍させる。
 それと同時に跳躍ユニットのジェットエンジンが全出力で稼働――――


≪うおりゃあ!≫

 餓狼こと、切り込み担当が突き進む。
 両腕に持った突撃砲を連射、乱射しながら豪快に突き進む。

≪よっしゃ! トマホーク≫

 敵との距離がある程度まで近づいたら、右腕の突撃砲を背中の担架のハルバードと換装。
 トマホークと言っているものの機体より長く大きさと形状からしてハルバードである。
 速度をそのままに力任せにハルバートを振り回し、
 ダイアモンドよりも硬い殻を持つ要撃級の腕を叩き斬り飛ばす。
 突撃のスピードを殺さずにほぼ直角に曲がり、次の獲物に狙いをつける。
 この動作を一瞬で繰り返す、様々な化け物を相手に何度も何度も何度も。
 『激震』こと、F-4という戦術機は世界初の戦術機であり。
 そして、この激震――――コード名『烈火』はこの小隊中で最初に作られたものである。
 先の金剛と比べると原形機である激震にかなり近い、見た目の違いも前腕部と胸部と頭部が赤く
 本来、前腕部に短刀を収納するシースがあるべきところが鋸のように数本の刃が並んでいる。
 これは、ソ連の機体や日本の最新型である武御雷の腕の発想を元にしたらしい。
 元になったものは全身に対しこの機体は腕だけであるが、特殊な金属を用いている。

456 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/29(金) 00:57:04.64 ID:4bU22G0E

「オラァ」

 前腕の刃が伸び死神の鎌のように要撃級の感覚器を切り落とし、泣き別れた体にハルバートを振りおろし止めをさす。
 その金属によりゴムのように伸縮自在で長くしようと思えばちょっとした刀の大きさから、烈火自身の指より短くできる。
 さらに拳にはスパイクが付いていて接近格闘戦を重点に置いている。
 その伸縮自在の刃と拳と両手のハルバードと長刀を駆使し刃の嵐と化す。

 この機体の大きな違いは内部にある機関を登載していることである。
 そのため、従来の機体をはるかに凌駕し、比類なき力を発揮し、
だから、彼の目の前で時々目を疑うようなことをしてくれる。

 切り落とした要撃級の前腕を蹴り飛ばし、砲弾と化させ敵を打ち抜く。
 要撃級の殴りを弾いて逸らし武器を握ったままの拳でカウンター。
 突撃級を真正面から殻を拳でぶち抜き内容物を引きずり出し。
 息絶えた肉塊と化したそれを分投げる
 などを目の前で現在進行形でやっている。

「G1よりG3へ今突入するぞ」
「おう、足引っ張るなよ!」
「…………馬鹿が」

 不知火が先ほどの激震が見せた速度以上の速さで続く。
 与えられたコード『紫電』の名に恥じぬ稲妻のように疾走する。
 この不知火も他のとは違う、上半身が白、下半身が赤といったカラーリングだけではなく。
 中身も先の烈火と同じようなものである。
 ただ、元機の違いからしてこっちは細い分だけにスピードと機動性、運動性に長けている。
 その代わりに赤い激震ほどの力任せの無茶ができない。
 が、従来の機体と比べると怪力の領域である。
 その証拠に巨大なランスを持っているにもかかわらず高速で突撃している。
 不知火がランスにしか見えないモノを前に突き出す。
 ランスは回転する。
 ――回転・廻る・ 旋回・循環・旋廻・廻転・回る・巡る
 機体そのものの速度とランスの高速回転により不知火が一撃必殺の魔弾となる。
 ――そのまま敵を貫く――貫通――貫通――三体目の体の中で止まる。
 結果、トンネルのような大穴があいた敵が二体とその後ろに敵の串刺しが一串が出来上がる、
 それとほぼ同時にランスの逆方向に高速回転し、辺りに肉片をさらにばらまき解体する。
 わらわらと集まる敵はその降りかかる肉片にも同胞の死骸にも全く関心を示すことなく近づく。
 そんな敵から遠ざけるようにランスを横に薙ぎ払う。
 このランスには側面にも螺旋状の切刃や棘があり、そのために切っ先を突き刺さずとも、回転稼働していればただ当てるだけでも削れるのだ。
457 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/29(金) 00:59:07.34 ID:4bU22G0E

「っち、やはり効果薄いか」

 突撃級の殻に醜い傷をつけ、要撃級の顔の様な部分を紫の飛沫にするが、ただそれだけ。
 あくまでも突き刺すことで最大の力を発揮させるものであるために超高度の突撃級の殻に完全に突き破ることができずに弾かれ致命傷になりえなかったらしい。

「……だったら――――」

 また、ランスを前に突き出す。
 今度はランス自体に備え付けられている、スラスターから炎が噴き先ほどの回転を遥かに凌ぐ超高速回転。
 ある程度の速度まで回転すると、柄から飛び出す。
 柄の付け根の部分にも大きめなスラスターがついて、今度はそこから炎がさらに吐き出され。
 けたたましい音を発しながら、高速で突き進む。
 真直ぐに進路上の敵を貫いて、貫いて、貫いて、貫いて。
 数十の敵を貫いたころに金剛がばらまいた、AL弾の効果が薄い場所でレーザーに貫かれ――爆散――爆圧と破片により小型級数体が潰れ大きいものも気色の悪い体液まみれになる。
 もっとも、彼はそんなランスの最期を気にせず。
 ランスが飛び出た直後に柄を捨て開いた両手に背中の担架の突撃砲と前腕の短刀を持たせる。
 突撃砲から火と弾丸を噴きださせながら距離を取り、後退する。当然、敵は前進して追う。
 左手の突撃砲が追手を打ち抜き撃き、転倒させる。

≪あっ!?≫

 ――間の抜けた声。
 声の元の烈火の方を向くと先ほどまで振り回していたハルバードが柄から三分の二ほどなくなっている。
 どうやら、武器の耐久力が限界を超えたらしく折れてしまったようだ。
 証拠に刃の部分が遠くの要塞級の腹に深く突き刺さっていた
 要塞級の生命力はその程度では尽きることなく烈火に向かって移動する。

「ったく、迂闊な」

 隼人は援護に突撃砲を120mmの大口径で突き刺さっていた要撃級に突き刺さりパなしのトマホークごと打ち抜く。
 すると、楔を打ったのと同じようにハルバートが刺さっていた腹から下が千切れて落ちて、要塞級はバランスを失い周囲のBETAを巻き込みながら転倒する。

さすがというべきか烈火を操縦するパイロットの腕というべきか、野生の勘によるものというべきか、隼人が撃ったのと同時にその腹下を潜り抜けてその向こう側にでた。
 烈火の開いた右手は長刀への換装がほぼ終え。
 ――――左手の銃身を隼人の方へ向け。

≪てめえもな≫

458 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/29(金) 01:01:09.20 ID:4bU22G0E
 左手の突撃砲が隼人機の転がされた所を再起しようとしていた半死半生の要撃級を打ち抜く。
 思わず「っち」と小さく舌打ちをする。
 だが、ほんの一瞬とはいえ隙が生まれ敵にさらに囲まれ状況は悪化した。

≪あのなあ≫

 金剛のガトリングとミサイルが弾丸の嵐が辺りを舐めまし、敵が紫色のカーペットとなり退路が切りひかれる。

≪弁慶てめえ、イイとこ持っていきやがって≫
「もう少しだから少しぐらい黙れ、退くぞ」

 口が悪い部下を叱咤し、嫌な顔をしているであろう部下と共に安全圏まで引き返す。
 と同時にレーダーに味方を表すマーカーが多数近づいていた。
 増援が来ている、つまり、足止め成功したのだ。
 っと、同時に風景が停止する。


≪――増援到着。任務終了と判断≫
 アナウンスと共に停止した風景が六角形のピースで構成されたパズルが壊れるように徐々に消え。
 暗いコクピットになる。
≪仮想戦闘プログラム――終了≫


「お疲れ様です」

 コクピットから降りると、大柄の整備士がドリンクとタオルを持って待っていた。

「すまんな凱」
「おう、もらうぜ」

 と、三人がそれぞれ受け取る。
 適温の液体が乾いた喉を潤し、火照る体を冷ます。
 っと、せき込む音が聞こえた。

「竜馬、大丈夫か?」
 っと、人がいい弁慶が声をかけ
「少しぐらい落ち着け、だから得物を折る」
 っと、隼人がなじる。
「なんだと……っち、うっせえな」
 っと、竜馬が応える。
「そうだ、今からこってり――」

 だいたい、このやり取りが実戦、訓練問わずに変わらずに繰り返している。
 その傍らで整備士、技術者達がデーターを取っていた。
 隼人はそれを眺めていた。
 軽く息を吸い込み。
459 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/29(金) 01:03:21.60 ID:4bU22G0E
「ふむ」

 早乙女は今回得られたデーターを受け取り、息をつく。
 かつての研究データー、それと見本があったために思ったより順調なのだ。
 今回のデーターにしても特に問題はなかったと言える。
 ただ、どうしても解決できない問題点がある。
 それは、ゲッター線関連技術の産物が不安定だということである。
 物質的に不安定なのではなく、使用者によって炉心の出力、合金の性質が変わることがあるのだ。
 とりわけ、件の流竜馬少尉だけずば抜けている。

「この二人の方をあてにした方がいいな」

 他の三人――現在二人だって決して低いわけではない。
 この基地の香月副司令の手持ちの部隊に使わせたこともあったがその時のデーターと比べても低いといわけではない。
 まあ、流竜馬少尉と比べるのは酷の話だというだけであろう。
 なぜならば、文字通り次元が違う存在なのだ。
 早乙女が副司令と本人から『事情』を聞いているからである。
 最初は耳を疑っていたが、あの残骸を見て言葉を失う。
 疑惑が衝撃に驚愕に動揺に確信にへと変わった。
 かつての父の夢想していた、『器』となるロボットとそっくりであり。
 動力も研究していたものに違いないからである。

 まだ、人類がBETAと遭遇していなかったころ、空前の宇宙開発ブームであった。
 様々の国が競うように、技術力を見せつけるため、軍事的に優位に立つため、新天地を求めるフロンティアスピリットなどと多くの理由で。
 我先に、我先にと宇宙を目指し、挑み、掴もうと、欲し、研究、理解しようとしていた。
 先代の早乙女博士……彼の父はそんなものたちの一人であった。
 当時、自分は若く父の研究の手伝いや人体実験まがいの実験の手伝いを行っていた。
 父は『無限のエネルギー』というのを発見した。
 宇宙という夢、それに向かい途方もなくエネルギーを湯水のように消費する時代。
 人類が夢見てきた『永久機関』といかないまでも、それに近いものだ。
 当時は持て囃されていた。
 だが、時代が悪かった。六七年それは起きたBETA戦争の幕開けである。
 それにより、人類は宇宙進出の夢を断たれた。
 無論、その煽りを受け、研究途中であり実用化まで時間がかかりすぎると判断された。

 ――――計画は凍結された。

 父は「後数年あればと……」呟いていた。

 『早乙女』
 かつての名声も廃れ、父の背はかつてを見る影もなく老い、そして死んだ。
 だからか息子である彼もひたすらに黙々研究して。彼は父の無念を晴らしたかったからなのかはわからない。
 そんな彼も、父が絶望した年齢に近づいていた。


――そんな時に声をかけられたのだ。
――――魔女の一言、悪魔の誘いを
460 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/29(金) 01:05:22.32 ID:4bU22G0E

 あれから、二年、季節が変わるのが本当に早く感じた。
 積年の無念を晴らせたこともあるのだが、本当に忙しかったのだ。
 基本理論の理解、残骸の解析、チーム集め、機体の設計、改修の案。
 これらだけでもなく、機体の実戦試験などで日本も海外も各地を回ったりもした。
 だが、充実していてもいた。それに大いに実りはあったと思う。
 その実である、データーと写真をまじまじと感慨深く眺める。

「ふむ、限界があるな」

 現在、現行の機体を改造したものを使っている
 激震、不知火、海神をそれぞれ烈火、紫電、金剛というコードを与えて改修したものを用いている。
 だが、元々対応していない物である。改造には限界があるのも見えている。
 だから、一からそれを考慮した設計ならば現段階の試作品よりも性能を引き出せるはずだ。
 今使っている試作品はそれができない代用品にすぎない。
 一応、研究結果から量産型の設計はあるものの試作機の発展系が数機帝国側で実験的に作られているほど、
 前線に完成品が行きわたるまでは何年かかるものか。
 もっとも、三十年近い戦術機の歴史で戦術機を世代で分けると3世代あり、その三世代目も、ここに数年の話であり。
 戦場に十分に行き渡ってはいないので、もし、今研究している技術を反映させたものが新世代に当たるなら無理もない話である。
 ただ、現時点の採用は一番実用的な紫電であるが。
 素材をゲッター線関連の産物に変えているだけで十分に研究内容が反映されてはいない。
それは、元の不知火が、自体発展の余裕がないギチギチの設計であるためでもある。
 烈火は改修案としてはいいかもしれないが元の激震自体の耐用年数が迫ってきていてそれに間に合わない可能性もある。
 そもそも、あくまで得られた技術の実験台という性格が強い。
 金剛はゲッター線の技術よりも火器の技術の実験台としての色が強い。
 結局、どれもいまのところは期待できない物である。
 ゲッター線技術によって装甲、出力、機動性を高めたものに過ぎない。
 しかし、それは画期的であっても、ゲッター線を完全に活用できていない代用品。

「彼女からしたら、私はあれらと同じ、あの残骸を造った者――父の――――」

461 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/29(金) 01:07:39.05 ID:4bU22G0E



「代用品ね。……今のところ」

 香月夕呼は早乙女からのデジタル化された報告書をマウスでカチカチしながらとめくり一人つぶやいた。
 片手間にコーヒーを飲んでいたが不謹慎なようだが一応は目を軽く通している。
 もっとも、彼女は彼女でやるべきことがあるので実績が出ているということが分る程度でいいのだ。
 初めてゲッターを見たときは心を躍らす気持ちだったのだが。
 そもそも、彼女がゲッターを欲したのは興味の問題ではない。

「なかなか、いいものだったのかしら?」

 取引のカードとして扱うためでもある。無限のエネルギーという餌をほしがる魚は腐るほどいる。
 従来の素材をはるかに超える新素材に喰いつくのも腐るほどいる。
 そんな、ジョーカーの様な鬼札として扱えれば上等。
 望み通りに行ったので、それなりに満足であった。
 小出しに売り込むことによって、それの研究資金も少し苦しいができなくもなかった。

「でも、あれを護らせるのは無理か……」

 本当はあるものをゲッターで護るためにも考えていたが。
 今の技術を考えれば、もうひとつの候補の方が確実である。
 戦術機ではどうやらゲッターメカ二ズムというべきものを完全には発揮できないようなのだ。
 それでも、従来の戦術機より劣るわけではないが。全力を発揮しようものならば負荷が強すぎるためリミッターをかけなければ、
ほとんどの衛士が戦う以前の話になり、リミッターがあれば当然性能はその分だけ落ちる。

 それに、技術が未熟なために再現できないものもある。
その中の一つに黒いゲッターのフレームや装甲は高純度のゲッター合金という素材が使われていて、驚異的な頑丈さを誇るが
そこまでの質が再現できるわけもなく現段階では何段も完成度が落ちるものしか製造ができていない。
 光学兵器にしてもやっと試作品ができた程度で問題だらけなので実戦配備は先の話。
 ゲッター線炉心もオリジナルほどの出力もないし、それから生み出さられる力場によるシールドも同じである。
 これらが完成して安全性や信頼性を証明して、技術的なノウハウが蓄積し、今残骸として転がっているあの黒い鬼に匹敵または復活させるのはまだ先の長い話である。
 無論そんな悠長な時間を敵がくれてくるわけもない。その前に大方人類は滅ぶ。
 流竜馬がいた世界ではどのようにこれらの問題を解決していたのやらを気にしていたが。
 そして、その前にやるべきことがある。

「あ〜もう!」

 だが、その前に仕上げねばならぬ問題があるのだが現状は進んでいない。
 あと一歩のところまで近づいているのが届かなく、とても歯痒く、悔しい状況なのだ。
 ゲッター線に手のひらサイズの半導体を百五十億分ということ、知恵を与えてくれるならば、
 喜び勇んでゲッター線に浴びてもいいのだがと思うぐらい追い詰められている。
 ゲッターに搭載されている、コンピュターを解析したところ、非常に高性能であるが、彼女が求めるほどでもなかった。
 ただ、彼女の研究しているモノをゲッターについて断片的に分っていることと照らし合わせれば
 いくつかが彼女の研究を証明する事実にもなる。
 ただ、それが直接求めているものになるわけではなかった。

「お〜い」
462 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/29(金) 01:10:18.53 ID:4bU22G0E
 噂をすればなんとやら。
 ドアの向こうから、ゲッターをもたらした来訪者の声。
 副司令である、自分にため口で話す数少ない人間である。

「いるか? ちょっと頼みがあ……」
「何よ? 流、入ってきなさい」

 モニターに映る竜馬は脂汗をたらし苦笑いをしながら髪をポリポリ掻いている。

「あ、悪りぃな。 爺さんはそこで待っとけ。またセクハラしたら……」
「もしかして……敷島のじいさん関連?」

 敷島、彼はゲッター線兵器研究のために呼び寄せた男だ。
 時々、他人の体を研究のためと称し、弄ったり、抓ったり、揉んだり、(どれも男女関係なしに)する奇人なのだが。
 天才と自他共に自負する夕呼でも天才――――いや、天災だとはっきり言える。
 彼は、第二次世界大戦後からの水爆、核兵器、戦術機、そしてG弾の開発にも大小であれど関わっているらしい。
 十分どころか、もはや冗談の領域であるほどに実績がある。
 事実、多方面からの協力を得られたのもこの人物のコネや信奉者があってこそでもある。

 そんな伝説的な彼の評価を他人の言葉を借りるならば。
 ――――兵器の父
 ――――ウェポンマイスター
 ――――週産戦術兵器、月産戦略兵器。
 
 そして、『人間』としての評価は

 ――――キチ×イ
 ――――×××××
 ――――××××××××
 天才と何かは紙一重という事実の体現的存在である。
 だから、研究していたものがある程度完成してから干されていたのだ。
 どうしてこんな人間を呼んでしまったのだろうか? 何かの因果が絡んでいるのだろうか? ゲッターか? ゲッター線なのか
 「そんな人間を迎い入れて大丈夫だったか?」と聞かれたら
 「大丈夫じゃないわよ、問題だらけよ」っと即答できるのだが。
 時々、彼を見ていると天才である自分は他人からどう思われているのかが気になったりする。

「そうそう、外での実験許可を……っん、爺さんそれをこっち向けるな!」

 キュラキュラと何かが回転するような音が聞こえる。
 敷島が何かしているのは分る、もちろん知りたくはないことだが。

「ハイハイ、分ったから。部屋から離れて。ドアを絶対に開けないで!」

 また、秘書のピアティフの仕事が増えるな―――っと思っていた。
 敷島関連に携わるとキログラム単位でやつれる――もとい、減量できるらしい。
 ピアティフの顔を想像し、一人微笑む。

 埃かぶっている胡散臭いおっさんのみやげである怪しい木彫りの像に内蔵されているデジタル時計は10月21日を指していた。
463 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/29(金) 01:14:59.22 ID:4bU22G0E
現実でも作中でも前回から時間開いてます。
竜馬の訓練かくとほかの作者様の作品の展開と被ってしまうどころか自分の腕では劣化にしかならないや。
訓練生を書くと扱いづらそうなオリキャラだらけになってしまう、そもそもこれ以上テンポ悪くしたら……
以上がダメないいわけです。
そして、チームの出会い編もできれば書いていきたいと思ってますがいつになるのことやら。

ギアスクロスの御方と同様にオリジナル改造機を出していますが。
名前はゲッターロボ大決戦のオリジナル機からです。
日本名だったからというどうしようもない理由です。

次の投下はもっと早くできればと思っています。
465 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/29(金) 20:05:22.75 ID:K5uS9S2o
乙でした。



……蹂躙になるのは判るが、R-TYPEとかの激鬱展開になるとゲッター線で何とかして欲しくなる。
471 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/30(土) 08:08:19.79 ID:0r04bJsr
>>465
>R-TYPE
あれは元々虚無ってる…ゲッターがやってきたところで、あまり変わらないんじゃないかな?
467 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/29(金) 20:33:35.34 ID:3+6fQLyt
浴びせすぎて超強化、しかし、人類よりも強大な敵に狙いを定めてしまって
結局人類放置で人類は救われる。
プログラムレベルで干渉できるのかはわからんけどね
タイールはプログラムに例えて運命を言っているけどそれとは別だろうし。
468 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/29(金) 23:37:42.45 ID:K5uS9S2o
うん、カムイ伝のカムイやボトムズのキリコみたいに戦いに疲れきった人間からしてみれば、ゲッター線のもたらす永劫の闘いは迷惑迷惑千万なんだけど、
人類側(主人公サイド)がもうどうしようも無くなってるような状態の作品の展開を見ると、ゲッターのパワーで鬱クラッシュしてもらいたくなるんだよね……
469 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/30(土) 00:30:02.34 ID:9aw6XYDa
果たしてゲッターがそういうのを呼び寄せているのか、それともゲッター線があるから引き寄せられるのか・・・
恐竜帝国は過去から、百鬼は未来から、蟲どもは超未来から
ゲッター線とあまり関係ないのは現在のランドウくらいか

そしてアークの最後には過去の種族のカムイに未来からの兵器バグを託され、現在で一騎打ち
なかなか時間と密接な作品だと思うな。過去現在未来から敵はゲッター線に戦いを挑んでる
472 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/30(土) 15:03:17.01 ID:qpVEZXrD
ウルトラマンみたいに地球を守るために他の星から来た宇宙人には
ゲッター線はどう接するんだろうか?
476 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/30(土) 19:34:40.68 ID:qchLQHy6
>>472
ウルトラマン達が手を差しのべてくれる前に、ゲッター線が腰をあげそうだからなー・・・


地球に逃げ延びた怪獣やら宇宙人を一緒に倒すってことはありそうだけど、
将来的には十把一絡げに滅ぼしそうだな。
ウルトラマン達の強さってあんまりしらないけど、
ゲッペラーより強くはなさそうだし。
473 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/30(土) 15:15:25.42 ID:CzlJaJzI
正直、未来の人間はゲッターを曲解しているような点があるからな。
例えるならばウルトラマンのイーヴィルティガな存在みたいな感じになってしまった感じかな?
474 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/30(土) 18:49:52.45 ID:CWcZnUKW
>>473
例えが分からん


ただゲッターを曲解してるのは俺達で
未来の人間達が語るゲッターこそ真実なのかも知れない
475 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/30(土) 19:32:51.49 ID:E8qfAD2B
482 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/30(土) 22:09:18.97 ID:souO2tbj
>>474
イーヴィルティガはウルトラマンティガの登場する悪役ウルトラマンで
人類から進化しようと、導こうとした男がウルトラマンの石造(ウルトラマンの抜け殻のようなもの)で
ウルトラマンになった男で結局暴走してしまったような存在。
未来の人類は暴走してしまったって感じがするからなんとなく。
ちなみにティガの続編のダイナの軍は思想がウルトラセブンの軍のそれに近いものがある。

>>475
その漫画の舞台が火星だからね
484 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/30(土) 22:18:17.86 ID:KeroQWsG
>>482
そういえばアクアも火星だったな
全員戦闘民族なアリアなんてみたくないぞw
485 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/30(土) 23:34:18.18 ID:3UGa74y8
>>475
素晴らしいコラだ。二次創作の見本だわww
486 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/31(日) 00:13:52.35 ID:U1d1aAvg
>>475
作品知らないのにこんなにグッと来たの初めてだわ

ちょっくらパスワード(元ネタの詳細)を教えてくれそうな武器管理センターの職員は居ねぇか?
487 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/31(日) 00:22:44.44 ID:WCEgkUWM
>>486
キューティハニー
……じゃなくて、たぶんARIA
最近アニメ化された緋弾のアリアじゃないよ。

テラフォーミングされた火星が舞台で水に覆われているという設定から
ゲッターファンならば真ゲッターの岩がどこかにありそうだと思ってしまうな。
488 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/31(日) 00:30:07.56 ID:Kpumc1z4
>>475
これは灯里が虚無るなぁ…
489 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/31(日) 00:36:32.78 ID:U1d1aAvg
>>487
首は折らないでおいてやる

目と耳を出せ
490 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/31(日) 01:26:46.83 ID:WCEgkUWM
>>489
ああ……許してください
ぎゃあああ
491 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/31(日) 02:14:10.88 ID:MjogzZjz
>>477
面白い考察だな。
もしかしたら、かなりの時が経ってるから根本的な価値観が変わってしまってるのかも知れないな

結局ゲッター線の本質を理解するには未来永劫の時を待たねばならないのか

で、その漫画版とやらの詳細を…

ただ
>>475
みたいなのを見ると人間の可能性も信じ抜きたい…

492 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/31(日) 02:52:37.63 ID:1HiEL1OX
>>475
灯里の目がグルングルンになりそう
477 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/30(土) 19:36:10.92 ID:udiNy24v
かなりマイナーだけど、漫画版メダロットの外宇宙からやって来たボス的存在が言った
「生命の本質は侵食であり、殺し合い奪い合うことが真実」って感じの言葉から
ゲッター線も同じような理念を持って自然の摂理により生まれたエネルギー体なのかなって思ってた。
だからこそ、善も悪も無いのかもしれない。

理性を持った人間からすれば、未来のゲッターはそれこそ悪そのものなんだろうけど
「種の存続と繁栄」が根底にあるなら、あの地獄絵図も自然の流れに沿っているだけのようにも思える。


では何故、それほどまでに種の存続と繁栄が必要なのかと問われれば、それ以前に生命とは何かについて考えなければならない。

生命とは? 進化とは? 宇宙とは? 人類は何処へ向かって行くのか?

次なる進化へのワンステップ・エピソード…


もう俺の頭じゃ無理だ…
495 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/31(日) 14:00:54.80 ID:/6olgTs3
>>491
今は亡きコミックボンボン連載、ほるまりん「メダロット4」だったと思う。
この作者さんは1〜5までコミカライズしてるんだが、2から異色というか……>>477の書いてるシーンへ繋がる、
「生命体としてのメダロットの脅威」について伏線張られてて、かなり読み応えがあるよ。

メダロット2の、科学者同士の問答とか今読んでも面白い。



いいクロスネタが浮かばないのが辛い。
478 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/30(土) 20:39:39.17 ID:eLTcl9Tc
ウルトラマンはウルトラマンでかなりチートだしなあ。
ウルトラ兄弟総がかりで太陽の全体を覆っていた黒点を消滅させてやがる。
歴代ウルトラマンを何十人か連れてくればマンガ版真ゲッターに出てきたエンペラーぐらいなんとかなりそうなんだよなあ。
480 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/30(土) 21:42:41.97 ID:lED+3LzE
以前にもあったが、ゲッター軍団をめぐる光の国と地球の対立は良いネタなんだけどな。
481 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/30(土) 22:01:27.92 ID:hrZqfuBW
平成セブンのM78星雲人は意識のある光らしい
セブンが所属する恒天観測員は宇宙を放浪して自分たちのような意識体の情報生命体へと進化する兆しにある生物を探すためだとか

ちなみにセブンかあの姿をしているのは戦いに適しているかららしい
小説によると人間体からの変身は死ぬほどの苦痛なのだとか(肉体のある原始生物から一気に進化するため)
483 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/30(土) 22:13:21.04 ID:lED+3LzE
ティガ:闇の戦士から光の巨人へ

イーヴィルティガ:光の戦士から闇の巨人へ


という対比がイイ。
496 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/31(日) 14:22:23.70 ID:r4cSzwT/
敵と殺し合う以外に敵を味方に引き込み共生することによる繁栄もあり得るわけだが
殺し合って、敵を滅ぼす方が手っ取り早いのが事実なんだよな。
人間だって今でこそ人種平等とか言ってるけど
人種問題とかでどれだけの血が流れてそれが現在進行形なのかもあるし。
497 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/31(日) 14:46:09.26 ID:0TASx5H8
とりあえずほるまりん版「メダロット」のラストは名シーン。
手をつないでるヒカルとメタビーをみて、メダロット博士が
「まあ、大丈夫か」
とかいう奴。
498 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/31(日) 19:04:35.38 ID:GEhQVSRY
>>465-
『暗黒の森の番犬』といい、『夏の夕暮れ』、『沈む夕陽』といい鬱ENDに定評がありすぎるからな。>R-TYPE
バイドの侵食はジンメンやインベーダーの「アレ」をもっと酷くしたものだし、
しかもそれを創造したのが他ならぬ地球人だっていうのがまた救われない。

「人間が人間以外の存在になってしまった悲劇」っていうと、それこそメジャーなのはウルトラマンのジャミラだが、
「人間以外の存在になってしまった結果、人間から疎外される」という悲劇に付け加え、「望郷」まであるし……

アルジェントソーマとのクロス書きたいなあ……エイリアンとゲッターロボのサイズ比が2倍近くあるのがネックだが。
499 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/31(日) 19:11:26.26 ID:JhUwHKDW
さらにサイズが小さくなるがテッカマンブレイドもオーガンもそんなかんじだよな。
スパロボWで見事にクロスしたけど
500 :名無しさん@お腹いっぱい。2011/07/31(日) 20:11:45.52 ID:mpAvY+P4
FDSやまんがまつり的に考えて20m前後くらいなら
別にゲッター縮んでもいんじゃね?とも思う